ほそいあやさんの食レポ記事が好きなんです。
ほそいさんの行くお店は
クラフトビールだったり
羊肉だったり
パクチーだったり昆虫食だったり
わたしの琴線に触れてくるところが多く
そんな中でも特にこのお店
記事見たときからずっと行ってみたくて
今回、幹事特権で、さおりたん壮行会の会場を独断でここにさせてもらいました。
24時間営業でお昼から飲めるし
いろいろ食べてみたいから人数いるときに行きたかったしね(個人都合)。
ということでさおりたん壮行会メンバーは
さおりたん(id:keisolutions)
青二才(id:TM2501)さん
迷子のイカ(id:usausamode) さん
横チン(id:yokobentaro)さん
さめ
の5人でした。
食べログの口コミ
電車の中で、お店までの地図を確認するべく開いた食べログ(常にギリギリ行動)。
一番上の口コミがちらっと見えたんだけど、そこには『犬肉』の文字が。
ん?
いやでもすごい昔の食レポかもしれないしなとスルー&そっ閉じ。
そもそもそんなお店、食べログに載ってないでしょうだって犬だよ?
お店の佇まい
地図を見ながらたどり着いた『楽楽屋1号店』
お店の外観は、思ったよりぜんぜんポピュラーというか開けてる感じ?
路地裏的な雰囲気も現地的な雰囲気もなく
たまたま通りかかった人とかが、あ、ここでいいんじゃない?って、ふらっと入って行きそうなそんな感じ。
予約の電話を受けてくれたのが明らかに日本人じゃなかったから、ちょっとドキドキしてたんだけど、なんだぜんぜん普通じゃんか。
前に行った新宿『上海小吃』の佇まいなんて、ニホンジャナイ感満載だったよ?
http://nemurenai-same.hatenadiary.jp/entry/2016/03/04/192325
それに比べて
こんな誰でも入って行きそうな佇まいのお店に、い…犬肉なんてあるわけないない。
と思いながら登ったお店までの階段。
犬肉なんてなーいさー♪
とあがっていったので適当でぶれぶれ。
羊とか蚕とか
店内はファミレスみたいに明るくて、思ったより広いし現地感なし。
奥の箱席から
『さめさーん!』
と、さおりたんと横チンが手を振ってくれました。
その後、イカさん、青二才さんも到着してわちゃわちゃー。
そんな中、もうわかったよって言ってるのに
『麻婆味の羊肉串が食べたい』
『蚕が食べたい』
とオウムのように繰り返すさおりたんをスルーし、ぱらぱらっとメニューを確認。
うん。
ざっと見た感じ、犬肉らしきメニューはなさげ。
よかったぁと、トイレに立って戻ってくると、すでに蚕串がバラバラになってました。
もうねわたしGもゲンゴロウも蚕も食べたことあるし、わざわざまた蚕とかね。
ぶっちゃけもういいんだよ昆虫食。
まぁたまに、コオロギとかアリとか竹虫とかさくっとつまみたいかなとは思うけど、昆虫食の中でも蚕は割と重めだからね・・・
とゆーことで、3つに切って、はじっこの2ミリぐらいのカケラをなんとか口に放り込み、残りの2かけは横チンのお皿へさようなら。うぇぇ。
あとは主に羊肉串。
これ、ラム(子羊)じゃなくてマトン(成羊)だね。
わたし、羊肉かなり好きだっていう自負があったんだけど
それはジンギスカンだったりラムチョップだったりマトンカレーだったりで
中華な感じでマトン食べたの初めてだ。
中華っていうかね、これはもうまんま、現地食って感じ。
中国の焼き鳥?的な?
第一印象は
あ、固いな。
味?
味ねー
思ってた、あぁやっぱ羊肉おいしい!!って感じはなくて
そうか中国ではこんな感じでマトンを食べるのか。
っていう
うーん。
なんか自分の中でもうまく消化できてないっぽいから、もっかい食べに行こ。
そんなこんなで意外にすすまない羊肉や、いらない蚕をつついてると
メニューを見ていた青二才さん
『あ、犬肉がありますよ!』
犬肉
がーんあったし犬肉。
それもかなり堂々と。
え、合法?
摘発とかされないの?
日本って犬、食べていいの?
いやぁきつい。きついよ。
だって犬だよ?
イヌ。いぬ。
昆虫とは別の意味で食べ物じゃない感ハンパない。
ぶっちゃけ、メニューの写真見てるだけでも咳き込む。
だってわたし、こう見えて馬肉も食べられないんですよ。
この日もテーブルにあがった馬肉ユッケ。
わたし、Gやゲンゴロウやカイコは食べれるけどウマ無理。
前は食べれたんだけど、ここ何年か、地域のお祭りで子どもをのっけてもらったりしてて、わたしの中で馬は食べ物認定から外れてしまった。
前は馬刺しをにんにく醤油で食べるのとか好きだったんだけどねー。
で、犬肉料理。
見つけてしまった以上、頼まないという選択肢が許されるメンバーではなく
けどスライス系はきついきついですと訴え
運ばれてきたパクチー和え。
うわぁぁぁ和えられちゃってるよ犬・・・
と、咳き込むわたしをよそに、テーブルにお皿がのると同時に箸を伸ばす他4人。
ほぼ躊躇ゼロで口に運び、けっこうあっさりしてるとかやっぱりちょっとくせあるねとかコンビーフみたいとか口々に感想を言い合いながら食べてるけど
それ、犬だよ???
いやわたし犬飼ってないけど飼ったことないけど飼う予定もないけどそれでも犬。
犬だよ犬。
脳裏にいろんな犬種の犬が走馬灯のようにぐるぐるする。
どんな犬種の犬だったら食べられるかなぁとか。
いやどんな犬でも犬は食べ物じゃないなとか。
けどね?
愛情をかけて育てた動物を自分で食べるって、原点というか、家畜を食べる以上、本当は感じてなきゃいけない命の摂理だと、ずっと思っていて。
鶏を食べるのも犬を食べるのも本質的に変わらないとも思ってるし。
わたしの尊敬する牛飼いさんの、田中畜産の田中さん。
牛を放牧で愛情いっぱいかけて飼い、屠畜に立ち会い、解体、販売まで全部手掛ける田中畜産。
田中さんのブログは、可愛い牛の写真でいっぱいだし、そしてそんな可愛い牛をつかまえて屠畜しお肉にして販売したり食べたり。
田中畜産のお肉はすべて牛の固有名詞で販売されていて、HPでは、その牛が可愛らしい子牛だったころ、どんな性格のどんな牛だったのか、そして屠畜されるときはどんな様子だったのか、すべて知ることができる。
お肉になった牛たち « 田中畜産|但馬牛の繁殖から放牧牛肉の販売まで
わたしは固有名詞で販売されているそのお肉を、いまだに購入する勇気がない。
犬肉を食べるのって、もしかしたらそれにちょっと似てるんじゃないか。
犬肉が食べれたら、わたしもそんな、狩猟をやめて牧畜に切り替えた人間が、本来知っていなきゃいけない感覚を体験できるんじゃないか。
そういえばこないだ見たNHKのドキュメンタリーでは、子どもを殺された母親のヒョウが、自分の子どものなきがらを相手から命がけで取り返し、数時間寄り添った後、最後は食べていた。けどあれはどっちかっていうと弔いの儀式的な感じだったしちょっと違うか。
そういえばタンポポ(id:tanpopotanpopo)さんも、愛犬を亡くした時、食べようかなって言っていたような。
※その記事をタンポポさんのブログから探し出して貼ろうとしたんだけど、さかのぼるほどに暗くひきこまれてしまう記事ばかりなので断念。タンポポさんのいぬ記事はいいなぁ。
と。
関係ないかもしれないことまで脳内を巡らせぐるぐるぐるぐるしながら、ぱくぱくと犬肉を食べる4人を、たぶんひきつっていたであろう顔で見ていると
『そこまでクセ強くないですよ』
と、イカさん。
『さめさん大丈夫!豚肉と変わらない!』
とさおりたん。
ねぇそこは味の問題なの?
犬を食べる
けど。
いまを逃したら犬肉を食べる機会はきっと一生ないだろうな
とも思い。
5ミリぐらいのかけらを小皿にとり
0.01ミリぐらい食べ
残りは横チンの小皿へ。
味?
味なんてわかんないけど確かにコンビーフみたいだった。
なんとなく
学生時代に解剖したカエルとかマウスとかヒヨコとか思い出しました。
食べるというより、ちょっと儀式的な体験だったな。
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犬は食べれない
『ちゃんと成仏させてあげましょう』と、大皿に残った犬肉をわしわしとお箸で取っていく4人を心底尊敬。
わたしにとっては、どうやっても犬は食べ物になり得ず、命がどうとか肉食がどうとか普段書いてることも、所詮、机上の空論だったのかもしれない。
お肉は、自分が狩猟した動物のジビエ肉しか口にしないという『ちはるの森』のちはるさんに憧れてて
うさぎはかわいい味がした。うさぎ狩りと解体してきたよ。 | ちはるの森
おうちでできる!ラビットファーの作りかた。初めての皮なめし | ちはるの森
ちはるさんのように、かわいい白うさぎを狩って血抜きして肉を食べ毛皮をなめすとか、いつかやってみたいと漠然と思ってたけど、こんなわたしにはきっと無理なんでしょう。
この、アライグマの狩猟記事も、すごく興味津々で読んだけど。
ごく普通のアラサーOLが、アライグマを解体した話 - アラサー女子的サバイバル入門
わたしの食べれるお肉は命を感じないお肉だった
わたしは結局、自分のために犠牲となる命のあたたかみや吐く息を感じることを拒み、体温を感じさせない命のかけらをスーパーで『購入』することしかできない、文化圏の現代人なんだなぁ。
よく考えてみたら、本物のニワトリは30年前の小学校の飼育小屋で見たきり。
ウシはつい先日、北海道のバスの車窓から遠目で眺めたけど、近づいたことも、触れ合ったこともないし。
ブタに至っては、本物を見たことないかも。
ヒツジ…見たことあったかなぁ。ないかもなぁ。
そう考えてみたら、わたしは普段食べている動物は、わたしの生活圏外にいて、その吐息も体温も感じない動物ばかり。
釣りも苦手。昔、1度体験したきり。たぶん、もうやらないと思う。
そして触れ合って、体温や息づかいを感じた途端、ウマは食べられなくなってしまった。先日、機会があって囲んだウサギの丸焼きも、実はぜんぜん進まなかった。
たとえば、クマは食べられるけどシカはちょっと抵抗あるのも、『わたしの生活圏内で出会ったことがあるかどうか』の違いなんだろうなと自己分析。クマなんて見たことないもん。
命を食べるってどういうことか、動物を育てて食べるってどういうことなのか、知りたくて、ずっと考えを巡らせてるわりには、わたしって、実はバリバリ無機質な世界で生きてるんだなぁ。
と、Gもバッタもゲンゴロウもコオロギもアリもタガメも食べられるけど、『生活圏内の動物』は食べれないという、実は生きるのに向いてない人間なのでした。
昆虫は変温動物だから体温ないし、肺もないから口から息吐かないし、だから平気なんだなきっと。動物認定していないというか。
さめさんは生活圏外の生き物を食べます
そんなことをひとりぐるぐるしてぐったり気味のわたしを気遣ってくれて(そうこれを考えていたのはオフ会の真っただ中)、さめさん普通のもの頼んだ方がいいよ!普通のもの頼みましょう!と、会の冒頭では『普通すぎる』と却下されたエビを頼ませてもらい、エビばっかり食べてました。エビ美味しかったエビ。エビは生活圏内にいないしねエビは。
まとめ
2次会の女子会で行った和菓子喫茶のお抹茶が、とっても美味しかったです。
和菓子屋さんの2階にある、イートインみたいな喫茶店。
今度は和菓子も一緒に食べたいな。
以上。
さおりたん壮行会オフレポ。
それぞれの視点で書かれてるオフレポがぜんぶおもしろいです。
じゃ!
さおりたんいってらー。
おまけ
横チンさんと青二才さんが描いたイラスト。
横チンさんの方、もらって帰りました。
ちなみに
この本3回ぐらい読んだ。
この映画も見た。