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医療部発

コラム

化学物質過敏症 対応医療機関の整備を

 12月10日から5回連載した医療ルネサンス「化学物質過敏症」には、多くの反響が寄せられました。手紙やファクスには「一番つらいのは周囲の無理解」「家族からも『精神科に行け』と言われる」など、この病気を周囲に理解してもらえない苦しみが切々とつづられています。


医療大全「環境過敏症」はこちら


 化学物質過敏症は、健康保険で治療を受けられる病気です。しかし、診察には時間がかかり、きちんと対応すると病院は赤字になってしまいます。そのため仕方なく、自費で対応している医療機関もあります。

 シックハウス症候群が注目された10年ほど前には、いくつかの病院で、検査などに用いるクリーンルーム(空気中の化学物質濃度を低減させた部屋)が設けられました。ですが維持費がかさみ、今では閉鎖されてしまいました。患者は今後、さらに増えることが予想され、国は対応できる医療機関の整備など、対策に本腰を入れる必要があります。

 現在、患者を受け入れている医療機関は、国立病院機構盛岡病院(盛岡市)、そよ風クリニック(東京都杉並区)、ふくずみアレルギー科(大阪市中央区)、国立病院機構高知病院(高知市)などです。化学物質過敏症支援センターのホームページ(http://www.cssc.jp/)には、主な医療機関のリンクがあります。私が担当した過去の連載「増える環境過敏症」(2011年9月)、「続・増える環境過敏症」(2011年11月)でも化学物質過敏症を取り上げていますので、参考にしてください。


佐藤光展
2003年から医療部。様々な診療科を担当し、現在は精神医療問題の取材に力を入れている。新聞記事やヨミドクターの連載などに大幅に加筆した本「精神医療ダークサイド」(講談社現代新書)を12月18日に出版。


医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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3件 のコメント

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公共施設での香料自粛を

みる

化学物質過敏症を発症すると特に香料の強い化粧品や香水、柔軟剤などで症状が出るため外出が困難になります。他の市長村では公共施設に香料自粛のお願いな...

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化学物質過敏症の疑い

みゃあ。

私は、この春高校生になる15歳です。木材によるアレルギー反応に悩まされており、木材を使用する学校での授業は辛いものでした。今で言う体罰を、先生か...

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化学物質過敏症の首都圏との格差

みらい

北海道には、化学物質過敏症の検査が出来る所が、全く無く症状を訴えていても障害年金の適格な判断と治療に首都圏との格差を感じた。札幌の個人病院に行っ...

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