更新日: 2017年11月16日(木)
ビットコインの発行量の上限について詳しく解説
ビットコインは好きな時に好きな量だけ発行できるわけではありません。
お金として成り立たせるため、仕組みを作る段階でさまざまな仕組みをプログラムの中に組み込んで完成させています。
新規で発行される枚数、発行速度、発行量などが全て理由があって取り決めがなされています。
そこで、これまで疑問だった発行枚数の上限や、なぜ上限を決めているかなど、ここではビットコインの発行量に関することについてお話をさせていただきます。
発行上限数に達した場合どうなるのか
法定通貨の場合、政府や中央銀行などによって調節されながら発行されています。
ビットコインの場合、このような管理を行う機関がないため、ビットコインが作られた際にあらかじめ発行量や発行スピードを決めてプログラミングをしています。
発行上限は2,100万枚です。新規のビットコイン発行は、決められた一定スピードごとにマイニング(採掘)が行われる度に新規発行されています。
毎日マイニングされることでビットコインの残り枚数は日々減っていて、既に約1,667万枚の新規のビットコインが発行されています。
新規発行されるスピードも決められていて、約4年ごとに発行ペースが下がっていく仕組みを作っています。
これまで早いスピードで発行されてきたビットコインは今後、残りの約433万枚のビットコインが緩やかに発行されます。
発行上限に達するのは2140年あたりだといわれています。
残りわずかなビットコインの新規発行ですが、この発行上限を設けていることで価値が高まっており、需要が年々高まっています。
希少性がますますアップ
ビットコインは今後も利用者が増える事を見込んで増加していくであろうウォレット業者や売買業者などの取扱業者、決済を導入する飲食店や小売業者などの店舗、オンライン販売店などの増加によって希少性が高まると見込まれています。
例えば、SNSも一部のコアな人たちが利用していたものを、一般向けに利用しやすくハード面が整うことで爆発的なユーザー数を増やしていきました。
これらのことからビットコインでもインターネットの仮想空間のみのネットワークではなく、ユーザーネットワークなどのリアルな世界でのネットワークが拡大し、今よりさらに価値を高めていくと予想されます。
さらにビットコインの特性の一つである“発行上限”がちらほらと見えるようになってくることで、多くの人がより希少性が高まるとみて取引を開始させ、注目度がより一層高まり、さらなる希少性を持つであろうといわれています。
発行量の推移
ビットコインは誕生から今日までのわずか8年ほどで爆発的と言っても過言ではないほど急激に発行枚数を増やしてきました。
しかし、これまでのように急激な発行数の増加にも見えるなかでも、ビットコインが作られた当初のプログラムによって発行されるスピードを徐々に落としています。
新規のビットコイン発行量は現在のところ急上昇していますが、2020年を過ぎると新規発行されるスピードも急に失速し、ほぼ横ばいの状態で発行量を保っていくことになります。
現時点で総量の87%が発行され、今後10年強の時間をかけて12%の発行がされていきます。
そして2030年には99%のビットコインが発行される予定です。さらに残りの1%は今後100年以上かけて微細な動きで発行されます。
発行上限の2,100万枚にほぼ達していきますが、あくまでも近づいていくだけであり、2,100万枚の発行数を超えることは決してないのです。
何年後まで発行されるのか
これまで分かりやすくビットコインの発行枚数上限は2,100万枚と記載していましたが、プログラムに組み込まれている正確な発行上限は20,999,999.9769枚と決まっています。
ビットコインのマイニングの承認にかかる時間は約10分かかり、1日に144ブロックが日々新規作成されていきます。
マイニング報酬は現在12.5BTCとなっており、今後半減期ごとに報酬が半減していくことから、12,5BTC→6.25BTC→3,125BTC…と、半減し続けていきます。
発行上限と承認にかかる時間、半減期によるマイニング報酬の半減を元に、全てのブロックの承認を行うには約132年が必要になるといわれています。
今後新規発行ペースはかなりダウンしますが、2140年頃に上限を迎えるまで発行されていきます。
上限になるとマイニングされるのか
ビットコインについて調べていく中で必ずと言っていいほど出てくる問題なのが、ビットコインが発行上限に達した後、現在行われているマイニングは行われるのかという疑問です。
2140年まで新規発行されたビットコインが発行上限に達した場合、マイニングはされなくなるという風に伝えているサイトも見かけますが、それではビットコインの価値が成り立たなくなります。
そこでビットコインが立ち上げられた際に既に考えられていたのが全ての取引の際に支払っている『取引手数料』です。
マイニング報酬が一切無くなってしまうと、だれもマイニングに関心を示さないどころか、ビットコインの価値そのものにも大きく関わってしまいます。
4年ごとの半減期の度に取引手数料が増えていく仕組みを既に設けており、発行上限に達した後は新規発行に取って代わり、この取引手数料がマイニング報酬として支払われるとみられています。
最終的にこの取引手数料がいくらになるかというのは現時点では不明となっていますが、今よりは高い手数料を今後支払うことが考えられます。
上限は2100万枚
なぜビットコインでは発行上限が2,100万枚なのか。
これは通貨や金の埋蔵量の限界を意識しているといわれています。
人類の歴史の中で急激なインフレはこれまでに繰り返されています。
通貨を発行する機関が無節操に通貨発行をすると、ハイパーインフレに陥ってしまいます。
例えば、お米が10Kg1万円だったとします。
インフレが起きると、米は生産量に限りがあるため、これまで1万円で買えていたものが急激なお金のばらまきによって米の価格が急激に100万円にも1,000万円にもなったりします。
ビットコインではあらかじめこういったインフレを予測して発行上限を決めているのです。
ビットコインのこれからを解説
将来的な見通しが広く知られるにつれ、ビットコインのこれからの行方が気になってきます。
新規発行コインの上限や期限、発行上限を迎えた後のビットコインはどのようになっているのかなど、これらすべてはビットコインの仕組みそのものを知ることでより理解を深めていくことができまます。
そこで、ここではこれらの疑問について解説させていただきます。
仕組みを知ると全体像が見える
お金をやり取りするユーザーと、システムに関わっている参加者の2手に分かれているビットコインでは、インターネットを介してお金のやり取りをする際、従来必ず必要とされてきた運営管理を行う機関がありません。
では、どのようにするかというと、ユーザーが行った取引の記録を公開すること、そして参加者には報酬を与えるという仕組みを持たせ、それぞれがルールの元で利用することで安心してビットコインを使用できるようになっています。
不特定多数となる参加者が電子システムを運営することで運営を成り立たせてるために、発行上限が設定されていたり、新規発行されるビットコインおよび手数料がマイニング報酬となるカラクリなど、投資や投機、そして利用する上で重要な仕組みを知ることでビットコインの全体が見てきます。
期限と上限
マイニングの報酬として新規発行されたビットコインが支払われていますが、2140年にはビットコインの発行上限に達してしまいます。
それ以降は新規発行はされず、マイニングで得る報酬は新規発行されたビットコインから、ビットコインを利用して得る手数料を報酬とするシステムへと変わります。
このことから、ビットコインの期限と上限とは新規発行される2,100万枚に到達する時期が2140年だという事が分かります。
物やお金の価値とは先のおおよその予想はつけられるものの、絶対であるとは言い切れないことから、ビットコインも将来迎える発行上限に達したときの価値がどれくらいであるのか?確実な事は分かりません。
しかし、これらの期限や上限は急激に供給をしてインフレを起こさないようなシステムを作った上でお金としての価値を持たせているのです。
新規発行終了後のビットコインの世界
ビットコイン多くの枚数が発行済みとなっており、発行上限が見えてくると、新規発行されなくなった後のビットコインがいったいどのようになっているのか?とても気になると思います。
マイニングが新規発行されたビットコインを得ることを目的としている今、これが無くなってしまうならビットコインの価値がなくなり、システムそのものが崩れ去ってしまうのではないかと考える人が居てもおかしくありません。
ビットコインはP2Pというシステムで動いていることから、インターネットに接続されたパソコンなどが存在し続ける限り続くといわれています。
しかし、今後100年以上後に訪れるであろう新規発行がされなくなったビットコインの世界では、さらに優秀なシステムを兼ね備えた新たな仮想通貨に人気が集まっている事も十分に予想されます。
これから衰退するのか
ビットコインの今後は衰退していくのか?と聞かれると、恐らくそうはならないでしょう。
発行上限に達してマイニングで新規発行コインが得られなくなったとしても、その後手数料をマイニング報酬として受け取れるシステムが既に準備されています。
現時点でマイニング報酬として受け取る手数料は極僅かですが、半減期を迎えるごとに手数料は上がっていくシステムも既に用意されており、新規発行されなくなる頃には、恐らく報酬として成り立つ額をマイニングの度に得られるようになっているのではないでしょうか。
ビットコインの使用や発行量に関する注意点とは
ビットコインは発行量が初めから上限が定められています。
新たに発行される量はビットコインを使用した取引データを収めたブロックが一定量生成されると半減していく半減期が設けられています。
この半減期を迎えると新たに発行されるビットコインの流通量は減ってしまうため、それよって価格変動も伴うため、ビットコインを利用する際には半減期や発行量に注意しなければなりません。
4年に一回の半減期
ビットコインは採掘によって新規発行のビットコインと取引手数料を報酬として得ることができます。
ビットコインは他の仮想通貨と比べて発行枚数が少なく、発行上限もあらかじめ設けられているため、永遠に新規発行されたビットコインが報酬として受け取れることはできません。
ではどうなるのかというと、ここで登場するのがビットコインの『半減期』なのです。
半減期は10分ごとに生成されている新規のブロックが21万個に到達すると訪れるようになっています。
2009年1月3日に初めてのブロックが生成され、21万個に達して半減期を迎えたのが2012年11月28日で、その後も順調にブロックが生成され続け、2016年7月9日に2度目となる半減期を迎えました。
2020年の次回半減期はビットコインクロックなどのサイトでおおよその到達時間も知ることができますし、21万ブロックが生成されるために必要な時間は4年に一度のペースなので発行上限に達するまでの半減期予想もおおよその検討が付きます。
2141年に全てのビットコインが発行済みに
ビットコインは2140年に全てのビットコインが発行済みになります。
予定通りに発行上限を迎えると2141年にはいったい何が起こるのでしょうか。
発行する新規のコインがないのですから、マイニング報酬で新規発行コインが支払われなくなります。
しかし、価値そのものやシステムが無くなるわけではありません。
2141年に採掘の報酬は新規発行コインから手数料へと切り替わります。
これは既に現在の半減期ごとに手数料をアップさせ、発行上限に達したときに手数料がマイニング報酬として成り立つようにシステムを組み、上限を迎えるための準備が整えられていすのです。
新規発行は半減していく
発行上限を設けられる事で金などの天然資源と似た値動きをするといわれています。
ビットコインも天然資源と同じように発行上限や半減期によって発行される枚数によって新たに作られるコインの数を制限しています。
その理由として、自由に発行すると急激なインフレを起こすことが予想されますし、常に一定の量の新規発行をし続けると、発行上限によって “資源”が枯渇してしまいます。
徐々に新規発行量を減らしていくことで、金などの天然資源同様に価値が上がることが予想できます。
あえて半減期ごとに新規発行数を減らすことで、価値を保ちリスク回避をしているのです。