bitFlyerのビットコインFXは以前より価格乖離が激しいと言われており、現物230万・FX290万というもはや別物商品のような価格差も生まれてしまいました。
そして2018年2月8日よりついにこの現物とFXの価格乖離を縮小するためのSFDが導入されました。
約数ヶ月の期間を経て元ゴールドマンサックスのプロフェッショナル達が満を持して導入されたこのシステム…しかし、このSFDシステムに暗雲が漂います(というより既にやらかした感満載)。
※2018年2月23日追記
bitFlyerよりSFDの一部変更に関する「検討」をしている「お知らせ」がありました。これにより相場に乱高下が生じています。俗に言う「加納砲」です。
下記はなんと1分足のチャートでFXの価格は138万円から一気に118万円と16分間で20万円の下落を記録。多くのロスカットが生まれたことでしょう。
これはあくまで「お知らせ」に過ぎないので、再度「お知らせ」が発表されたら乱高下することでしょう。もはやこれはビットコインでなく単なる投機商品でありSFD付与を狙ったBOTが主戦場となっています。
手を出さずに静観した方が良いでしょう。
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bitFlyerのSFDシステムとは?
ルール原文は長いので読みたくない方は下に飛ばして補足説明やロンガー・ショーターの立ち位置イメージを見てもらうと分かりやすいです。
ルール原文
SFD とは、「Swap For Difference」の略称で Lightning FX に適用されます。価格乖離が 10% 以上になった場合には、価格乖離が拡大する方向の約定をされたお客様から約定金額(日本円)に応じた SFD を徴収し、縮小する方向の約定をされたお客様に SFD を付与いたします。SFD は約定ごとに発生し、ポジションの決済時に清算されます。SFD は以下の式で計算されます。
SFD(日本円)= 取引数量 × Lightning FX 取引価格 × SFD 比率
例:
Lightning FX(最終取引価格:920,000 円)が Lightning 現物(BTC/JPY)(最終取引価格:800,000 円)対比 15% 高く乖離しているときに Lightning FX で 1 BTC/920,000 円(A さん買い、B さん売り)の約定が発生した場合の SFD について
計算式:1 BTC × 920,000 円 × 1.0% = 9,200 円
A さん:9,200 円を SFD として徴収
B さん:9,200 円を SFD として付与
※補足説明
なんとなく言葉が並ぶとイメージが難しいかもしれません。要は「現物とFXの乖離率が高くなった時に、より乖離が広がるような決済をしたらSFDペナルティを徴収し・乖離が狭まるような決済をしたらSFDボーナスをあげます」ということです。
なので上記の例ではFXが92万、現物は80万なのにAさんはFXで買いを入れたためSFDを徴収・Bさんは売りを入れたのでSFDを付与されました。
このようなルールが適用されれば自然と乖離は縮小するはずでした。
価格乖離ごとのSFD比率の表
これは見たとおりで乖離が広がれば広がるほどSFDも多くやり取りされます。
重要なルール
しかし実はこのSFDにはbitFlyerより説明が十分でないと考えるルールが存在します。
この新規と決済の約定両方でSFDが発生するというのは非常に重要なポイントなので覚えておいてください。
ツイッターやチャットを見ていると理解してない方が多く見受けられました。
2月18日の早朝に事件は発生
このSFDシステムは一応機能していたようでこれまで乖離率は10%以内に収まっていました。しかし昨日は1回発動し、今日も深夜から早朝にかけてトレードしていましたが+9.5%前後をウロウロしていました。
そして朝7時頃、突如爆上げが始まりました。最初は10%直前でいつものように止まるかなと思っていましたが、一向に止まる気配はなく10%に突入しました。
通常であれば「ショートすることでSFD付与」があるので価格がここから下落することが想定されましたが、大口のSFD徴収をものともしない強力な買いが続きました。
そして一般の小口トレーダーも気づきます。
「これは乖離縮小ショートするより乗っかってロングした方がプラスになる」「これ10%以上で買ってSFD徴収されても10%以上で利確すればプラマイゼロじゃん」と。
その結果、BTC-FXの価格は朝7時半前後は約126万円だったのが8時15分頃には136万円と1時間足らずで10万円幅も上昇しました。その後も一時乖離率は15%以上を記録しました。
ここに現物や海外取引所の動きとは全く別のガラパゴス市場「SFD-FX」が誕生しました。
なぜSFDでも乖離が縮小しなかったのか?
SFDは新規と決済の約定両方に発生する
このルールが現在の上げ相場(での乖離率+9%付近)では皮肉にもむしろ乖離率拡大に働いてしまいました。
今朝のチャートで便宜上10%と15%のラインを適当に引いたもので、ロンガーとショーターの立ち位置を理解すれば分かりやすいです。
下記イメージはロンガーの立ち位置です。
今朝の~9.9%で買いを仕込んでおき、10%になったところで利確すれば売買益に加えてSFDまで貰えます!
仮に~9.9%で仕込めなくて10%台で買ったとしても10%台で利確売りをできればSFDはプラマイゼロになりますし、15%台で利確できればやはりSFDがプラスで貰えます。
つまりロンガーは9.9%になった瞬間に買いを入れて10%以上・15%以上で利確すれば有利で美味しい相場になり、10%以上でSFD徴収覚悟で買いを入れてもそれ以上にショーターのロスカットと損切りの嵐でプラスが十分に見込めました。
(9.9%には買い板がズラリと並ぶようになりました)
下記イメージはショーターの立ち位置です。
~9.9%で売りを仕込んで10%台に突入してしまった場合、無情にも損切りは泣きっ面に蜂でSFD徴収もされます。
安易な損切りはできませんが次々に買いが入るため最終的には泣く泣く損切りし、一瞬の急上昇でロスカットも連鎖して数万円単位の上昇となります。それ故にロンガーは仮にSFD徴収されても数万円幅を取れるためプラスになりやすい仕組みです。
もし新規注文だけにSFDが付与される(決済には付与されない)ならこうはなってなかったかもしれませんね。10%以上でロングしても10%以上で利確すればSFDプラマイゼロというのはbitFlyerとしてはどういう意図なんでしょうね。
結果的にショーターハメ殺し&高ボラティリティの殺人相場となってしまいました。
cisさんもこのシステムに苦言
9%と14%で乖離が促進されるというのは間違いないですね。13%くらいまで広がったときには15%を目指す動きがありました。
このゲームの攻略法?
もちろん100%ではないですが、このゲームを有利に進める方法はあると思います。
基本はショートをしないこと
10%以上でショートしても上がっていってしまった場合には、損切りすればSFD徴収という鬼ルールです。買い目線から入るほうが良いでしょう。
繰り返しますが10%以上で買って利確したロンガーはSFDプラマイゼロですが、10%未満でショートして10%以上で損切りしたショーターはSFDマイナスです。
※追記
この基本ショートをしないというのは今朝の初動におけるものであり、それを逆手に取った売り浴びせやSFD差額狙いのショート攻勢も十分に考えられます。この辺は心理戦ですね。
10%未満のイス取りゲーム
9.9%と10%では天と地の差があります。10%未満で買って10%以上で売ることが理想です。
※9.9%表記になった瞬間に売買してもサーバー遅延で10%になったり、瞬間的に動いて10%となることもあるようです。
追記「こんな手もあるようです」
引き際を知ること
いずれこのルールは修正されるでしょう(修正されなきゃおかしいレベル)。
またSFDルールの詳細が知られていなかったり、理解されていなかったためそのスキを突いたSFD相場でした。
私はもういつこの攻略法が崩れてもおかしくないと思ってるので静観してます。9.9%で大口が大量に売りを入れてSFD狙いのロンガーの損切りを狙うということも起こりえますし、現物の方を操作するという手段もあるでしょう。
私はSFDが修正されて落ち着くまでFXはやらないつもりです。これは完全にギャンブルであり投機です。仮想通貨の健全な発展を望みます。