たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

自営業者の節税投資術

自営業者の節税投資術

 自営業というのはかつては商店事業主や士業などが多かったように思います。今はブロガー、アフィリエイター、デザイナー、コンサルタント、ライター、プログラマーなど多岐にわたっており、数十年前に比べると独立は非常にしやすくなっています。

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 かつては学校で勉強をし、部活をし、学業だけでなく組織で生きていくためのイロハを身に着けていないと社会に出てから大変苦労するという構図でした。多くの人が雇われる立場でお金を得ていたからです。

 

 今は、何か尖った才能があれば自立することは以前に比べてたやすくなっています。

 

 そういう環境にしたのがまずネットであり、次にスマホであったということになります。特にスマホの登場は大きく、限られた人が限られた場所で享受していたネットサービスを、誰でもどこでも使えるようにしたこと、この変革が非常に大きかったですね。

 

 これにより、広告やメディアが個人にシェアされるようになり、自立した個人を多く生み出す原動力になっています。

 

 さて、今回はそうした自営業の方からご質問を頂いています。

自営業者の投資術はどのようなものがありますか。

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ぱたぞう様、はじめまして、Oと申します。
NISAや米国投資に興味をもち、ぱたぞう様のブログで勉強させていただいています。

資金が2200万あり、ぱたぞう様でしたらどのように運用していきますか?

■現状
・30才 個人事業主男性(既婚子供なし)
・投資経験1年
・資金2200万

■現在の内訳
・SBIのiDeCo 100万
・ロボアド(ウェルスナビ・テオ・フォリオ) 50万
・ソーシャルレンディング 350万
・仮想通貨 200万
・現金 1500万

■今後の投資
・現金は500万程度手元に残し、残りは投資へ
iDeCoを限度額まで(年81.6万)
NISAもしくは積立NISAを限度額まで
・100万程度を年数回に分けて個別株へ。勉強しながらリターン狙い。
・残りはVTI、VMY、XLPを6:2:2で年数回に分けて投資

■投資の目的
・労働収入以外の収入を増やす。
・老後資金
・今後の育児資金(まだいないですが…)
家の購入資金(まだ賃貸か持ち家かは検討中ですが…)

■迷ってる点
・NISAか積立NISAか。
 まとまったお金があるのでNISAで120万でVTIか楽天全米インデックスあたりを買おうかと思っていますが、40万までであっても20年の長期保有できる積立NISAのほうがいいような気もして迷っています…

 

 制度上可能かまだ調べていないですが、NISAを5年保有してから積立NISAに切り替えるのが一番節税メリットをうけられるのかとも思ったりしています。また妻と相談して、妻の口座で積立NISAを作るというのも検討中です。


 ぱたぞう様でしたらこのような状況であればどのような投資計画を立てていきますでしょうか。お手すきの頃で構いませんので参考までにご意見いただけるととても嬉しいです。また個別株選定の知識はまだ皆無なのでこちらのブログでまた勉強させていいただきます。

自営業者の投資は節税と両輪で成り立つ

 私はじつはたぱぞうなのですが、そのまま変えずに原文のまま載せています(笑) たまに名前を間違えてご連絡下さる方がいられますが、気にしないでください。思いかけない勘違いというのは人生を豊かにすると思っています。

 

 さて。まず、自営業者の投資は節税とセットで成り立つということです。普段は投資について書いていますので、今回は法人向けの節税に焦点を当てて書いてみましょう。

個人型確定拠出年金【iDeCo】

 もともと自営業者の安定した老後のために創設された制度です。そのため、月々6.8万円まで積み立てができ、しかも出口では退職控除枠としても使えます。さらに、その積立額は経費算入できます。

 

 81.6万円の年間経費になりますので、相場環境に関わらず利用すべき制度です。自営業者はもし投資資金が潤沢でないならば、投資はこれだけでも良いぐらいです。

経営セーフティ共済

 経営セーフティ共済に入れば、毎月最大20万+期末に1年分前納すれば+240万経費で落とせます。ただし、加入が40ヶ月未満だともらえる金額が減ります。つまりマイナス運用です。


 受け取る時には売上になるので税の繰り延べという性質があります。利益が少ない年に戻すことで、利益の操作ができる、そういう節税になります。経費になるけどキャッシュアウトするタイプの節税ですね。

小規模企業共済

 月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能です。退職廃業時に受け取り可能です。20年以上積立をしないとマイナス運用になってしまうため注意が必要です。

 

 ただ、これも経費にできますので、利益を先送りしておくことが可能になります。

社用車、交際費、出張日当

 あとは社用車、交際費、出張日当などが業務に関わる必要経費ということになります。例えば社用車は定率法で一気に落としたり、4年落ち以上の中古車で一括して落としたりすることが可能になります。

 

 交際費は業務に関わる打ち合わせ、会食費などに関わります。出張日当は良くできた制度で規約を作っておいて、50㎞以上の出張で日当を付けたりできます。この日当には個人の所得税がかかってきません。

 

 いずれも経費算入で利益を消すタイプになります。

金融機関の融資を受けるならば数字を作っておく

 ただ、あまり経費を盛りすぎると法人・個人事業主としての数字が悪くなります。ですので、もし不動産の購入などを考えていて、金融機関の融資を受けるならば黒字化して数字を作っておく必要があります。

 

 究極の節税対策はマレーシアなどに現地法人を作って移住してしまうことかもしれませんが、まあちょっと話にとりとめが無くなってしまうので今回は言及しません。言うまでもなく納税は私たち国民の義務です。

自営業者の投資

 基本はこれらで事業に関わる経費をしっかりと作ったうえで、余剰金で投資をしていくということになると思います。まず、NISAですが、私は投資歴が浅いならばつみたてNISAのほうが良いと考えます。

 

 理由はキャッシュアウトが定額で読みやすく、投資と言えどその名の通りつみたての要素が大きいからです。奥様の名義も使えるならば、年間の積立額はこれで80万になります。

 

 事業の安定性が読めないので何とも言えませんが、収入が一定でないならば、現金部分が大きいほうが安心でしょう。ここがサラリーマンの投資術と大きく異なるところです。先の経費算入系の共済含め、少なくとも2年程度の生活防衛資金はプールしておきたいところです。

 

 そういう意味ではご提案されているETFは妥当性があります。ちなみに、仮想通貨やソーシャルレンディング、さらには個別株というのはいずれもやややんちゃな部類になります。あくまで生活防衛資金を確保したうえでの運用になりますね。

 

 概論的ですが以下のようになります。

経費・イデコ・つみたてNISAの順番。その後ETFで最後に個別株投資

 これが王道ということになります。ただ、才覚があれば、個別株投資が一番有利になります。あまり投資部分に突っ込み切れなかったので、何かご質問あれば追加で頂ければと思います。

 

関連記事です。

  つみたてNISAもイデコもそうですが、何かコアアセットを設定してからサテライト的に組むと投資テーマがはっきりします。

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  住宅や学費など使途明確なお金は投資という不確実なもので作るのはちょっと怖いな、と思います。といいつつ、私はクルマを買いましたが。。。

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  具体的な商品に関しては、こちらも参考にしてみてください。

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