おまきざるの自由研究

好奇心の赴くままに

9割の人は知らない!セルフメディケーション税制で税金を取り戻そう

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2級ファイナンシャル・プランニング技能士(合格見込み)のおまきざるです.

病院にはあまりかからないので医療費控除は受けられないけど,薬局で風邪薬やビタミン剤,湿布なんかを定期的に買う方はいるかもしれません.

そういう方は,もしかしたら税金が戻ってくるかもしれません.ぜひご一読ください.

医療費控除のセルフメディケーション税制を知ってますか?

平成30年2月15日を過ぎました.確定申告シーズンに突入です.
なお,還付申告は2月15日以前からできます.

 

確定申告(還付申告)では,必要のある方は年末調整等では処理できない各種の所得控除をおこないます.

今回のテーマである医療費控除もそのひとつ.

◆医療費控除は,

①その年の総所得金額等(収入ではないことに注意しましょう)が200万円未満の方は

実際に支払った医療費等の合計額が総所得金額等×5%の金額を超えた分を所得から差し引く(控除)

②保険金等で戻ってきた分を差し引いても,実際に支払った医療費等の合計が年間10万円を超えた分を所得から差し引く(控除)

という制度です(詳しくは国税庁の医療費控除HPをご覧ください).

 

医療費控除は,自分が支払った医療費のみならず,生計を一にする配偶者やその他親族のために支払った分も合算できます.

とはいえ,さほど病院にかかることもなく元気に生活していれば,支払い医療費が10万円を超えることはそうそうありません.

筆者は親の申告書類を毎年整理していますが,支払った医療費をExcelに打ち込んでも10万円を超える年はありませんでした.

 

ところで,医療費控除にはもう1つあります.

薬局で薬や湿布を買うことってありませんか?

筆者は,このエアーサロンパスを買いました.

 

色々な製品がある中で,わざわざこれを選んだのにはきちんと理由があります.

もうお気づきと思いますが,このエアーサロンパスは「セルフメディケーション税制」の対象製品なのです.

セルフメディケーション税制,実は約9割の人が知らない(!)のです.

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https://www.hgpi.org/handout/日本の医療に関する世論調査2017.pdf

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セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制は医療費控除のひとつです.

筆者が実際に受験した2018年1月の2級FP検定試験から抜粋します(太字・強調・改行は筆者による)

平成28年度税制改正により,セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が創設されています.

定期健康診断や予防接種などの一定の取組みを行っている者が自己または自己と生計を一にする配偶者等のために特定一般医薬品等購入費を支払った場合,その額が12,000円を超えるときは,その超える部分の金額を総所得金額等から控除することができます.

 

セルフメディケーション税制は新しい制度です.

その概要は以下の通り.

・特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入が対象
・健康の保持増進及び疾病の予防への一定の取組みの証が必要
・適用されるのは平成29年1月1日から平成33年12月31日まで

 

 スイッチOTC薬のOTCとは「Over The Counter」のこと.

カウンター越しにアドバイスを受けた上で購入できる薬一般用医薬品等(OTC医薬品)の活用術|お薬を知ろう|日本調剤.つまり,「処方箋が必要な薬から市販薬(OTC薬)にスイッチしたもの」,ということ.

とはいえ,どの市販薬がスイッチOTC薬でセルフメディケーション税制の対象になっているのか,にわかにはわかりません.

セルフメディケーション税制対象の市販薬等の見分け方

どの市販薬等がセルフメディケーション税制の対象なのかは,このマークを見ればわかります(マーク画像はセルフメディケーション税制 | タケダ健康サイトより).

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でもこれ,表示がものすごく小さいんですよね・・・

 

画像のエアーサロンパスDXの「下のDXのDの左上」にマークがあります.

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ただし,このマークの表示には法的義務が無いためか表示されていない対象製品もあるとのことセルフメディケーション税制 | タケダ健康サイト

 

レシートを保存しておこう

「じゃあ,どの製品がセルフメディケーション税制対応なのかわからないじゃないか」,そう思われてもしかたありません.

あらかじめAmazon等でどの製品がセルフメディケーション税制対応なのか確かめておくのも良いかもしれません.

Amazonのセルフメディケーション税制対象商品ページへのリンク

 

また,薬局で対象製品を購入すればレシートにきちんと表示されているので一目瞭然です.

レシートには「118エアーサロンパスDX1 ★」とあります.

この★印がセルフメディケーション対象製品を示しています.

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ちなみにレシートですが,以下の5項目が明記されていることが必須です.

①商品名
②金額
③当該商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨の明示
④販売店名
⑤購入日

 

ちなみにAmazonの領収書は購入者が自分でプリントアウトするケースが多いと思われます.でも,それではセルフメディケーション税制での還付対象にはなりません.

もしAmazonでセルフメディケーション税制対象製品を購入している場合,Amazonカスタマーサービスに問い合わせ,必要事項を記載してメールを送信すれば領収書を送ってもらえるようです.

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セルフメディケーション税制の手続きは?

今シーズンの申告なら,平成29年1月1日〜平成29年12月31日まで購入したセルフメディケーション税制対象商品の合計金額が12,000円以上なら還付対象となります.

すでに述べたようにこの税制の対象商品は購入時のレシートを見ればわかります.

もし,去年の分のレシートがないのであれば,今年購入した分のレシートをきちんと保管し,支出額をExcelにでもまとめておきましょう.合計金額が12,000円を超えていた場合,来年の還付対象になります.

それともう1つ大切なことがあります.

セルフメディケーション税制の概要をもう一度見てみましょう.

・特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入が対象
・健康の保持増進及び疾病の予防への一定の取組みの証が必要
・適用されるのは平成29年1月1日から平成33年12月31日まで[2]国税庁HP

健康の保持増進及び疾病の予防への一定の取組みの証

 「健康の保持増進及び疾病の予防への一定の取組みの証が必要」とありますね.

この取組みは大まかに次のようなものです(必ずNo.1133 健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行っている場合|所得税|国税庁を参照してください)

・健康増進事業として行われる健康診査や人間ドック
・インフルエンザの予防接種
・会社の健康診断
・メタボ検診
・市町村によるがん検診

例えばインフルエンザ予防接種の領収書・予防接種済証や職場で受けた定期健康診断の結果通知表などです.セルフメディケーション税制の明細書で必ずご確認ください.明細書のダウンロードはこちらです. 

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref2.pdf


そして,これらの取組みの証明となる書類が必要です(必ずNo.1134 取組を行ったことを明らかにする書類の具体例|所得税|国税庁を参照してください)

セルフメディケーション税制対象製品購入のレシート・領収書

次に必要なのが,セルフメディケーション税制対象製品を購入した際のレシート・領収書です.

これは申告時に添付・提示する必要はありません.ただし,確定申告期限等から5年間保管しなければなりません.

医療費控除の明細書

医療費控除の明細書を国税庁HPからダウンロードします.

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref2.pdf

この明細書に,薬局等の支払先,購入した医薬品,支払金額等を記載します.

合計金額が12,000円未満の場合,還付申告対象とはなりません.ご注意ください.

なお,セルフメディケーション税制で申告できる金額の上限は88,000円です.また,セルフメディケーション税制はこれまでの医療費控除との併用不可となっています.くれぐれもご注意ください.

まとめ

セルフメディケーション税制で必要な事項をまとめます.

 

①健康の保持増進及び疾病の予防への一定の取組みを受けていること
②それを証明する書類があること
③セルフメディケーション税制対象製品購入のレシート・領収書があること
④その金額が12,000円を超えていること(上限は88,000円まで)

 

以上,①〜④が揃っていて医療費控除の対象にならない方は,「医療費控除の明細書」を国税庁HPからダウンロードして必要事項を記入し,確定申告(還付申告)時に明細書を添付することをオススメします.

ちなみにセルフメディケーション税制対象製品を20,000円購入した場合,控除額は20,000円ー12,000円=8,000円になります.

この場合,課税所得が400万円なら所得税1,600円,個人住民税800円の減税になるとのことです(セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について |厚生労働省より).

 


確定申告(還付申告)の手間に見合う減税効果があるかどうかは人それぞれです.

でも,制度を知らずに黙っていれば税金を搾取されるままになってしまいます.


それで良しとするかどうかも人それぞれ.

還付申告には他にもいくつかあります.今年の申告はできなくても,まず知ることから始めてはいかがでしょうか?

ではまた!