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【芸能・社会】大杉漣さん急死、66歳心不全 ドラマ収録後腹痛訴え病院へ2018年2月22日 紙面から 映画「ソナチネ」や「HANA-BI」などに出演し、ドラマやバラエティー番組でも親しまれた俳優の大杉漣(おおすぎ・れん)さんが21日午前3時53分、急性心不全のため死去した。66歳だった。名脇役として知られた。テレビ東京によると、大杉さんは20日、放送中の連続ドラマ「バイプレイヤーズ」の撮影を終え、ホテルに戻った後に不調を訴えたという。北野武監督の映画などで存在感を発揮した。 所属事務所の公式サイトによると、葬儀は本人、家族の意向により親族のみで執り行うという。 テレビ東京によると大杉さんは20日、放送中の同局系連続ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(水曜午後9時54分)の撮影を午後9時ごろに終え、ホテルで共演者らと食事をした。普段と変わらない様子だったが、ホテルの自室に戻った後、腹痛を訴え、共演の松重豊(55)に付き添われタクシーで近くの病院に向かったという。 テレビ東京は21日、大杉さんが出演していた同日分(第3話)の「バイプレイヤーズ」は、遺族・関係者の意向を受けて、予定通り放送した。番組最後に、大杉さん死去を伝え「心よりご冥福をお祈りいたします」とのテロップを流した。番組は3月7日放送分まで続くが、今後については「現在検討中」とした。 同番組のサイトでは、共演者の遠藤憲一(56)、田口トモロヲ(60)、松重、光石研(56)が連名でお悔やみの言葉を掲載。突然の訃報に驚きつつ「『バイプレイヤーズ』という実名をさらした上でのドラマで、そのリーダーであり、精神的な支柱でもあった大杉さんが突然いなくなるという喪失感は計り知れません」と悔やみ切れない様子。「しかし最後の日まで、役者として現場に立ち、みんなを笑わせ続けていました。永遠に我々の目標であり、憧れでもある漣さんを、一同、心から誇りに思います」とし、最後に「漣さん、ありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。 ◆収録済み「ゴチ」放送大杉さんは昨年1月から日本テレビ系「ぐるぐるナインティナイン」の「ゴチになります!」に出演していた。今月12日に行われた22日放送回の収録に参加しており、同局は予定通り放送する方針。同局は「ご家族、所属事務所にご了承していただき放送します」としている。 ◆相棒、ゲゲゲなど好演長い下積み時代を経て、北野武監督作品でブレイクした大杉さんは、多彩な役柄を演じてきた。テレビ朝日系「相棒」へのゲスト出演、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」、テレビ東京系「湯けむりスナイパーお正月SP」、NHK「坂の上の雲」など各局から引っ張りだこだった。 2001年以降ほぼ毎年のように多種多様な企業からCMキャラクターに起用され、昨年12月からスズキ「スペーシア」のCMがオンエアされていた。同社提供の番組「極上空間」(BS朝日)のサイトには、今月10日分に出演した大杉さんと本上まなみの写真がアップされていた。 ◆ビートたけしも吃驚タレントの東国原英夫(60)が21日、自身のツイッターで、大杉さんの訃報を受け、大杉さんと縁の深いビートたけし(北野武監督)の様子を伝えた。 東国原は初めに「大杉漣さん急死の報が飛び込んで来た。本当に吃驚(きっきょう)である」と記した。テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」の収録に、たけしとともに臨んでいたようで「ちょうど、TVタックルの収録が終わったばかりで、師匠も全ての動きが止まっていた。詳細はまだ分からないが、ご冥福をお祈り申し上げたいと思う」とつづった。 ◆2カ月前に電話、驚き<映画監督崔洋一さんの話> がむしゃらな男だったが、どこか柔らかさを感じさせた。映画「マークスの山」で血まみれのテロリスト役を演じていただいた時、出演場面は1、2こまだったが、壮絶な仕事をやり抜いた。2カ月ほど前、電話がかかってきたが、いつもの通りだったので、びっくりしている。彼が存命しているならば、虚無とアナーキーさを併せ持つような役を再び演じてほしかった。 ◆やさしい気遣い感謝<NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」で夫婦役を演じた森昌子(59)の話> 余りのショックに適切な言葉が見つかりません。私が不安な顔をしていると、「もう一度リハーサルしようか?」と気遣ってくださり、大好きな夫でした。ただただ、ご冥福をお祈りします。 ◆思い出のサッカー話<俳優の六平直政(63)の話> 漣さん、お互いアングラ役者時代に一緒にバイトをやり、漣さんが大好きだったサッカーの話や北野監督の話で楽しい時間をいただき、ありがとうございました。名優大杉漣がこんなに若くして亡くなっては皆が困ってしまいます。寂しいです。 ◆売れない時代のつらさ誰よりも2月5日にテレビ東京で開かれた「バイプレイヤーズ」の制作発表の席で、大杉さんよりも若い遠藤憲一や松重豊ら共演者に囲まれていた。誰よりもはつらつとしていて穏やかに笑みをたたえながら後輩たちの話を聞く姿に、「この人は長生きして、笠智衆さんのような名優になるのかもしれない」という思いがふと脳裏をよぎったほど、この日の大杉さんは元気だった。 名脇役の面々が本人役で出演する同ドラマは昨年1月クールが話題を呼び、パート2は大杉さんの発案、奔走で実現したといっても過言ではない。大杉さんはこの日の会見でも終始ご機嫌で「こんなに早くできるとは…。うれしく思っています。僕ら5人はLINEでつながっているんですよ」と声を弾ませていた。 作品には大杉さんのアイデアが数多く反映されている。誰よりも売れない時代のつらさを知っているだけに、脇役にスポットライトが当てられた同作への思い入れはとても深かったのではないだろうか。大杉さんが中心になって遠藤らと常に連絡を取り合い、撮影後は割り勘で飲みに行く話を、大杉さんは本当に楽しそうに語っていた。 (中村千鶴子) <大杉漣(おおすぎ・れん=本名孝=たかし)> 1951(昭和26)年9月27日生まれ、徳島県小松島市出身。70年代にアングラ演劇にあこがれ、太田省吾の劇団研修生に。22歳の時、別役実作「門」で初舞台。80年に新東宝のピンク映画「緊縛いけにえ」で映画俳優デビュー。日活ロマンポルノなどにも出演した。 83年「連続暴姦」(滝田洋二郎監督)、84年「変態家族兄貴の嫁さん」(周防正行監督)での演技が評価される。その後、舞台で活動。89年以降はVシネマなどに出演。オーディションを受けた北野武監督の「ソナチネ」(93年)出演をきっかけに、演技派としての評価を高め、以後、北野作品には欠かせない俳優としてキャリアを重ねた。「HANA-BI」(北野武監督)、「アベックモンマリ」(大谷健太郎監督)、「犬、走る DOG RACE」(崔洋一監督)でブルーリボン助演男優賞など数々の賞に輝いた。高校時代サッカー部だったこともあり、大のサッカーファンで知られた。自身のチームでは背番号10をつけていた。また、猫好きでも有名。
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