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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年2月20日、スパコン開発ベンチャーPEZY Computingの代表取締役がNEDOから助成金を不正受給したとして詐欺罪で起訴されたことを受けて、PEZY側に助成した5事業のうち2事業の交付決定の一部を取り消し、該当する助成金の返還を受けたと発表した。NEDOは同日付で加算金を含め約9億4000万円の返還を受けた。

 NEDOが返還を受けたのは「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発/バンプレス3次元積層技術を用いた省電力メニーコアプロセッサの開発」「ベンチャー企業への実用化助成事業/超広帯域Ultra WIDE-IO3次元積層メモリデバイスの実用化開発」の2事業の助成金の一部である。PEZY側が不正受給したと認めた約6億5000万円と、加算金約2億9000万円を請求し、返還を受けた。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の発表文書
(出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構)
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 NEDOは「PEZY側から不正受給した範囲に関する書面の提出があり、ひとまず受け入れた。NEDOとしては不正受給の範囲について事実関係の確認が終わっていない。今後も調査を続け、新たな不正受給が明らかになればさらに返還を求める」(広報部)と説明する。

 2事業の助成総額は合計約11億3000万円。NEDOは未返還分についても不正がなかったかどうか調査を続ける。さらに、この2事業以外の3事業でも合計約23億9000万円を助成している。「これらの3事業についても調査し、不正が見つかれば返還を請求する」(広報部)としている。