◇大阪地裁判決
日本郵便の契約社員8人が正社員と手当などに格差があるのは違法だとして計約3100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は21日、家族を養う扶養手当など一部の格差を違法と判断し、計約300万円の支払いを日本郵便に命じた。弁護団によると、正社員と非正規社員の格差を巡り、扶養手当の不支給を違法とした判決は初めて。
日本郵便は職員約40万人の半数が非正規社員。格差解消を目指す働き方改革関連法案の議論にも影響を与える可能性がある。
労働契約法が禁じる「不合理な待遇格差」に当たるかどうかが争点。契約社員3人が起こした同種訴訟で、昨年9月の東京地裁判決は、住居手当と年末年始勤務手当について正社員の6〜8割の賠償を命令。大阪地裁判決は新たに扶養手当も認め、3手当とも正社員と同額を支払うよう賠償の対象を広げた。
8人は大阪、兵庫、広島の郵便局で郵便配達などを担当する有期雇用の契約社員。手当や休暇など10項目で格差解消を求めた。
内藤裁判長は判決で扶養手当について、「職務の内容の違いで必要性が大きく左右されず、正社員と同様の扶養家族に対する負担が生じており、支給しないのは不合理」と指摘。年末年始手当は「年賀状の配達など繁忙業務に従事するのは契約社員も同じ」、住居手当は「転居を伴う異動のない正社員にも出ている」として、それぞれ不支給を違法と判断した。
一方、8人は正社員と同様に夏期休暇などを取得できる地位の確認も求めたが、判決は格差の違法性を判断せずに退けた。
原告側の森博行弁護士は「東京地裁判決より格差是正に向けて前進した判決だ」と評価。日本郵便は「判決内容を確認して今後の対応を決めたい」とコメントした。【原田啓之】