東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

自民改憲本部「教育」条文案を了承 「合区」解消に次ぎ2例目

 自民党の憲法改正推進本部は二十一日午前の全体会合で、教育の充実強化に関する改憲条文案を協議した。条文案は、教育を受ける権利を定めた二六条に、教育環境の整備に関する国の努力義務を規定する三項を新たに追加。公金支出の在り方を定めた八九条の文言を変更し、私学助成の違憲性を排除することが主な内容。会合では、文言などの調整を細田博之本部長に一任し、条文案を大筋で了承した。

 自民が昨年の衆院選公約に盛り込んだ改憲四項目のうち、条文案の了承は参院選の「合区」解消に次いで二例目。今後は、九条への自衛隊明記と緊急事態条項について意見集約を図る。

 条文案では、新設する二六条三項で、教育について「国民の人格の完成や幸福の追求に欠くことのできないもの」と定義。国の努力義務については「国の未来を切り拓(ひら)く上で、極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない」と定める。

 さらに、二六条一項に、「経済的理由によって教育上差別されない」とする文言を加える。

 八九条では、私学への財政支援の合憲性を確保する目的で、「公の支配に属しない」との文言を「公の監督が及ばない」に改める。

 教育の無償化規定については、昨年十二月の論点整理で明記を見送ったため、今回の条文案にも記載されていない。「経済的理由」の文言の追加で、高等教育を含む教育無償化を改憲で実現するよう求める日本維新の会に配慮した。 (中根政人)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】