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2018年2月21日水曜日

Niantic に入社しました!

先日、「2018年の新たな門出について」というブログ記事で Google を退職したことについて報告しましたが、本日から Niantic にジョインすることになりました!



Niantic とは:

Ingress や Pokémon GO 等の AR モバイルゲームを作っている会社。ハリーポッターを題材にした "Harry Potter: Wizards Unite" のリリースも控えています。

Pokémon GO トレーラー



Ingress トレーラー




私は APAC のコミュニティマネージャを担当させて頂きます。Ingress エージェント、 Pokémon GO トレーナー、そしてこれから始まるハリー・ポッターの世界に参加してくださるみなさんと一緒に3つの世界を盛り上げていけたらと考えております。どうぞよろしくお願いします!

なぜ Niantic?

私は初期からの Ingress agent で (founder badge も持ってます♪) 当時から Ingress は色々な意味で面白いと思っており、2013年3月(ちょうど5年前!)にサンフランシスコの Alchemy で開催された cross faction meetup に参加したり、2013年6月に日本初の cross faction meetup を両陣営のエージェントの皆さんと一緒に企画させて頂いたり、2014年に石巻で開催された anomaly を 20% プロジェクトとして手伝うため(当時 Niantic は Google の一部署でした)サンフランシスコから駆けつけたりしました。Pokémon GO もフィールドテストから参加させて頂き、初期の頃にブログにまとめたりしていました。

その面白さの根底にあるのはやはり「物理的に人が動く」ということです。

Niantic は、ゲーム自体も面白くて、私は Ingress はレベル 16(一番上のレベル)、Pokémon GO はレベル 37(一番上はレベル40)。。。と結構やっている方だと思います。そんな中で、もっとも面白いと思うことは物理的に人が動く」ということ、その結果「人々がスクリーンの中ではなく現実の世界をもっともっと見るようになる」ということ、「人々が現実の人とコミュニケーションを取るようになる」ということ、そして「そこで見えた現実世界。。。自分の街や訪問した場所をよくしていきたいと考えて行動するようになる」こと。

初期の頃の Ingress はかなりコロコロとルールを変えたりパラメータを変えたりしていて、文字通りの朝令暮改もありました(笑)その時が一番わかりやすかったのですが、Ingress のルールが変わるとみんなの動き方が変わるんです。それってものすごいことだと思ったんですよね。

人の行動を変えるのってものすごく難しい。だけど、Ingress を通じてみんなの行動に様々な変化が見えてくる。

右に行く予定だった人が左に行ったり。
あまり家から出なかった人が外出するようになったり。
Ingress をきっかけに行ったことがない国や街に行ってみる人がいたり。

そしてそれは Pokémon GO によって更に加速されていく。

引きこもりだった友人の友人の子供が Pokémon GO をきっかけに外に出始めて、友達もできて笑顔が戻ってきたり。
自動車事故に巻き込まれた同僚が大怪我をしたのですが、Pokémon GO をやるために外出することで精神を安定させ、歩くことがリハビリになって治っていったり。

そうやって外に出ることで、周りが見えてくる。自分が旅好きだということもありますが、やっぱり現地へ行き、現物を触り、現地の人と話さないとわからないことはたくさんあると思っています。実際に歩いた場所の素晴らしさも、問題も。そして見えてきた問題を解決したいという気持ちも湧いてくる。それを促進する力が Niantic のプロダクトにはあるのではないかと考えています。

2015 年に Google の civic innovation チームにいたときに、どうやったら市民がもっと自分たちの街に興味をもち、自分たちの住む街をよくするために行動するようになるかをみんなで考えました。役所に文句を垂れて任せるのではなく、自分達の街を自分達の手でよくしていこうじゃないかと。

しかし、定量調査や定性調査を重ねて分析している中で、多くのアメリカ人が自分達の住む街をよくしたいという気持ちはあるが、自らは動こうとしない「興味を持った傍観者 - interested bystander -」 だということがわかりました。報告書はこちら

Google Politics and Elections Blog: Understanding America's "Interested Bystander:" A Complicated Relationship with Civic Duty

そういうのを全部ぶっ飛ばして市民がみんなで「自分ごと」として動いた瞬間というのはあるのですが、トランプ大統領の諸々の政策に反対する抗議デモとか、SOPA/PIPA の時とかだったりするわけです。

それに対して、Ingress agent の皆さんが「どうせ Ingress やってて地元を歩くんだから、地域の見守りパトロールもやろうよ」「献血ルームをポータルとして登録し、そこを回って陣地を広げたり、グループの献血者数を競ったりする Red Faction イベントを企画してみようよ」とクリエイティブに考えて、どんどん地元や社会のために行動しているのを見ていると、「単なるゲーム」ではない可能性を感じます。

Ingress 速報:
大阪市天王寺区、区内全ての26公園にIngressパトロールを導入

毎日新聞:献血イベント ゴールは「献血の心」 ポケGOの“兄弟”ゲームで 施設を目的地に 若者の参加へ一役 /京都


なお、RedFaction in 関東甲信越 2017winter~2018spring は第1回が1月14日に終了し、第2回が2018年3月24日(土)~4月8日(日)に開催されるようですね!

そして Niantic 自体も Social Impact や community engagement を強めていこうという考えをもっているように見受けられます。


また、Niantic は石巻や鳥取など、色々な自治体ともコラボレーションしていて、その結果たくさんの人が物理的に旅をして、フレッシュな目で「今まで気づかなかった日本のよいところ」を発見しに行っている。

ケータイWatch: 「ラプラス祭りに10万人」「送客実績は5億人」「Pokémon GOはギガが減らない」――ナイアンティック河合氏が語る“人を動かすゲームの力”

ファミ通 App : 【ポケモンGO】鳥取イベント3日間で8万9000人のトレーナーが集結!経済効果は約18億円に

入社前、勝手にそういうことを考えて Niantic いいなあと思っていたわけですが、最近の John Hanke のインタビューを読んでいるとあながち間違ってない気がします :D


ナイアンティックが掲げている使命は、「より多くの人が外出してつながり、新しい発見をして、世界の美しさに気付いてもらう」ということです。この使命に向かって活動していけば、より良い社会づくりに貢献できると信じています。 我々は「イノベーションを起こしたい」ということよりも、「良いプロダクトを作りたい」とか「ポジティブなインパクトを社会に与えたい」ということに専念しています。こうした姿勢でプロダクトを作り続けている結果として、革新性のある会社だと評価されているのかもしれません。
とにかく一番大切なことは、人々が幸せになることです。我々は少しでも、その役に立つことをするということに尽きます。 ナイアンティックが手掛けるゲームで遊んでもらうことによって、外出して体を動かす。ユーザー同士が現実世界でつながる。こうした体験をしてもらうことで、ユーザーの人生を豊かにしたい。こう考えて、ポケモンGOやイングレスを開発しました。周囲を見渡すと、人生を楽しんでいる人というのは、人との出会いを大切にし、直接コミュニケーションしているケースが多いと思っているからです。デジタルデバイスを使ったゲームの多くは、ユーザーが体を動かすというよりも、スクリーンの前で受動的に楽しむものでしょう。このような娯楽だけにふけっていると、人間というのは幸せを感じるよりも、不安や怒りといった負の感情が強くなってしまうような気がします。

みんなで幸せになろうよ。(c) 後藤隊長

思えば 2015 年に Google Social Impact team がなくなり社内転職活動を始めたとき、「これは面白くなりそうだ」と思った Google のプロジェクトが 3 つあって、それが Project Soli, Project Jacquard, そしてまだ Ingress と Field Trips しかなかった Niantic でした。当時川島さんと John に相談に行ったのを覚えています。

2年半たって、結果的に 3 つ全てに 関わることができたということはこの上なく幸せなことです。ただ、 Niantic が Google/Alphabet から出ていってしまっていたので、ジョインするには Google を辞めざるを得ない(´・ω・`)そういうわけで、先週の金曜日に Google を退職し、本日からはスタートアップである Niantic で働き始めました。(Niantic は Google でインキュベートされましたが、今は Alphabet companyですらありません)

4 年半も日本を離れていたので完全に浦島太郎ですが、来週から東京に戻ってがんばりますのでよろしくお願いします!

今週は Niantic のサンフランシスコオフィスでの勤務。オフィスがおしゃれです!
写真はエントランスにいる潜水服です :)



人員絶賛募集中だそうです!

Niantic は全世界のオフィスで人員絶賛募集中だそうです。詳しくは下記から:


Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。