株を初めて数ヶ月。出せる限度の100万円で少しずつ失敗しながら学ぶ神木。ファンダメンタル重視のスタイルが合うと思ってやりはじめたが疑問ばかり。そんなモヤモヤをありのままに書き出してみる。
ファンダメンタルを重視する個人投資家。その姿が一番自分に合うと思って株を始めた初心者神木は「企業の成長をどの利益で評価するか」という点について少し考えてみた。
通常はEPS、つまり最終の株主に属する当期利益が前年からどれくらい伸びているか、これからどれくらい伸びそうかとみていると神木は理解している。PERとEPSで今の株価が形成されているというのが基本の考え方にあるからだ。
しかし一株当たりの利益より上位の概念としてある利益についてどう考えるかということを考えてみたい。
最後の当期利益は大切だが
神木は企業分析を仕事でも行うことがたびたびある。競合分析やM&Aの検討など、経営企画部門の戦略をサポートする業務が結構な割合であるからだ。
かといって財務部門のように専門的な分析までを行うノウハウはなく、どちらかというと戦略と財務分析を30%ずつの力で行って、40%でそこから仮説を作って提言するということを仕事にしている。
また、自社の海外進出や拠点拡張のために必要な投資を審議する検討会にも参加しているため投資回収の検証を行っている。
何年で設備投資した金額を回収できるのかを考えるうえでも最終利益は大切であり、株式とは違うが、企業は最後はやはり最終利益に行き着くことは肌で感じている。
その神木が考えるに、企業の成長はEPSの成長で最終的には見るべきだが、それだけでは測れないため、どれだけ他の成長力も株式投資の先輩の皆様が加味して考えているのか気になっている。
最終利益にたどりつくまで
おおよそざっくりではあるが、最終利益に数字としてたどり着くまでは以下のような点はまず考える必要があると思っている。売上と3つの利益を通常の企業分析では行うおとが多いが、おそらく株式投資でも同じだろうと神木は考えている。
売上
売上については伸びることがまず重要である。赤字拠点の改善などを会社で行う場合でも常に言っているのは「売上はすべての利益の根源である」ということだ。
ただ、時々あまり深く考えていない人も多く「とにかく売上増加がすべて」「売上至上主義」という人もまだまだ多い。たしかに売上がないと何事も始まらないので間違いではないが、売上だけでは考えが足りないというのものだ。
予算達成を売上で判断されるからという会社の事情も絡んでいるためそれを言っている本人が考えが足らないということもでもない。
当然、利益を上げるための売上なので伸びていないと困るということだ。
会社によっては売上が伸びていないで利益が伸びている会社もある。
コストダウンが効いているとか、原料が安くなっているなどの理由である場合が多いが、悪いことではないが「売上が伸びていない中での利益上昇」は一過性である場合も多いので本当に成長をしているのか疑ってみることが仕事では多い。
株式投資の世界に言い換えればEPSだけを見ていて一喜一憂していてはいけないということなのかもしれないと神木はなんとなく感じている。
売上総利益
売上原価を差し引いた利益である。神木がつとめているメーカーでは売上原価、つまり簡単にいうと原料費と工場の加工費を足したもので、「販売に渡す前の価格」ということも言える。
原料費の上下や加工費のアップダウンはここで影響するので、そういったものが理由でこの利益が下がっていれば中長期的に一株当たりの利益が下がるのか、一過性なのかがわかると考える。
上記は神木の仕事の範囲での企業分析においていえることだが、おそらく株式市場の世界でいえば、そういった影響がずっと続くのかどうかで一株当たりの利益が伸びにくいのかどうかという観点になるだろう。
営業利益(EBIT)、EBITDA
販売と管理費、俗にいう営業はスタッフ部門の費用、顧客に製品を届けるまでの費用を差し引いた利益である。
EBITDAとは簡略的に考えれば営業利益に減価償却費を足したものと考えてよいと思うが、普通は企業の部門予算や事業部の予算も売上と営業利益でつけている会社が大半化と思われる。
株式市場の世界でいえば、営業利益はその会社が本業で生み出す利益なので、売り上げ総利益はあまり関係なく、工場だろうが原料費だろうが本社費だろうがとにかく営業利益の伸びというのは個人投資家の方も意識されているのではないだろうか。
営業利益が大幅に下落する要因として減価償却費がかさむ場合がある。
これはキャッシュアウトはしないが営業利益で焼却をすることからPL上の利益が下がってしまう現象である。償却できなくなればそれこそ現存になるが、大幅な設備投資を行った場合、営業利益は圧迫される方向に進む。これは企業買収をした際もそうだ。のれんの償却をするからだ。
経常利益、当期利益
営業利益以下の部分は突発的な事象によって左右されるものが多い。
特損や税金など様々な要素のものがここで反映されて、最終的に一株当たりの利益に落とし込まれる。
正直神木の会社ではほとんどここは見ていない。会社としては見るべきだろうが、どうしても重視しているのは売上と営業利益である。それ以下は仕方がないものとしてとらえているという点は投資家に申し訳ないとこである。古臭い会社ということでご容赦いただきたい。
一方で株式投資家からすると非常に重要な要素と考えられる。PERやEPSで割安かどうかを判断しているので、この利益がおちればPERが急上昇して割高になるし、投資方針に大きなインパクトを与えている。
以上のことを神木は考えてみた。神木はEPSで将来のPERを計算して割安度合を何度か考えてみたが、売上や営業利益の伸びも考えるべきと思ったからだ。
株式投資については初心者である神木としては、企業の成長トレンドは営業利益と売上で見つつ、EPSが着実に伸びているか、一時的にEPSが落ちてもそれはイレギュラー要因として無視できるか、営業利益が伸びていればヨシとするかなど、柔軟に見る必要があるなと感じた。