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【アサヒビール工場跡地開発計画関連】
(1-1)【「アサヒビール工場跡地を購入し、市立病院、体育館、西宮消防署を移転、くわえて防災公園を整備する」計画を撤回】
当初の予定の土地購入・施設整備については、平成26年度に議会と議論を重ね、計画変更の了承を得ました。
その中で、当初より訴えていた「西宮市の医療課題解決のための県・市統合病院の実現」の候補用地として、当初計画にあった土地よりひとまわり小さい土地を市の外郭団体である西宮市土地開発公社に取得させました(統合病院の候補用地であり、現時点では事業主体も明確でないため、市に代わって公有地の先行取得を行う土地開発公社による取得が適当と判断したものです)。
この契約条項においては、統合病院建設用地にならない場合の前所有者による買戻し特約条項があります。つまり、統合病院の用地にならない場合には、前所有者は売買代金を返還して土地を買い戻すことになります。
また、市の購入した土地を含む全体のまちづくりについては、初期段階から土地所有者とともに「まちづくりガイドライン」を策定し、27年11月には地区計画を定めるなど、周辺環境に大きく影響する開発(教育環境に影響を与える巨大マンション群や危険物を扱う工場等)を排除するよう規制誘導しています。
(1-2)【体育館を現地、西宮消防署は隣接の市営住宅の場所で建て替え】
新中央体育館及び新陸上競技場については、現在の河原町の総合運動公園で再整備を行うこととし、平成27年度に中央運動公園全体の再整備に係る基本構想を策定しました。
28年度には事業手法を決定し、30年度には事業者募集ができるよう、基本計画の策定を進めます。
西宮消防署については、隣接の市営住宅の場所で建て替えることとして、28年度に測量を実施し、29年度には基本計画の策定に着手します。
【医療・福祉】
(2-1)【市立病院についてはありかたから考え直し、県立西宮病院と統合整備する】
就任当初より、市立病院単独の縮小・建替の方針をあらためて県立西宮病院との統合に向けた政策推進をすべく、庁内外・議会と議論を続けてきました。今後の西宮市の地域医療を考えれば、民間病院と同規模の公立病院の存在意義は薄まり、高度な医療を展開する拠点病院を実現する必要があるためです。
初年度は、県に対して、統合を推進したいという意向を表明し、議論を求めました。当初、県は県立西宮病院について議論をする予定はありませんでしたが、県市合同で西宮市域の医療の課題や両病院の原状と課題について意見交換する場を設けることで一致しました。
平成27年度には、県との意見交換会で共有化した課題の解決に向け、連携の推進や再編などの取組の可能性を検討していくことで報告書を取りまとめました。
28年度には、外部の有識者にも加わっていただき、県市共同で「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院のあり方検討委員会」を設置しました。1年間かけて、両病院の今後のあり方について統合・再編も含め検討することになりました。
検討いただいた結果、29年2月13日に開催された最後の委員会において「両病院を統合し、新用地に新病院を整備することが最も望ましい」との方向性が示されました。
今後は委員会から正式な報告書をいただいたうえで、県と統合に向けた具体的な協議を行ってまいります。
(2-2)【市役所周辺の土地を提供して統合病院を整備する場所に充てる】
当初は、現在の県立西宮病院の隣地に市が病院施設を整備したうえで統合することで、最小限のコストで統合病院が実現するというプランを想定していました。
しかし、就任後の専門的な検証により、現有病院に「増築」する方式は、機能的な病院を整備するという観点から有効な手法とは言えず、大型の病院をいちから整備するほうが有効であるとの結論を得ました。
そのうえで、整備する場所は確定しておりませんでしたが、議会とも議論をした結果、当初想定していた県立西宮病院周辺以外に、先に述べたとおり、アサヒビール工場の跡地のうち、当初想定していた土地面積より少ない2.6haを、「統合病院整備候補地」として、市の外郭団体である西宮市土地開発公社が取得しました。
病院統合に向けた取組が順調に進んでいることから、病院統合による新病院の早期実現を図るためには、現在更地であるアサヒビール工場跡地は有力な候補地と考えます。
(2-3)【市を地域ブロックに分けて、医療や介護のネットワークを構築し、在宅療養体制を整備する】
平成27年3月に策定した「西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画(27年度~29年度)」に基づき、市内を5つの医療介護連携圏域に分け、各々に在宅療養相談支援センターの設置を進めています。
27年度に2圏域、28年度にも2圏域に設置しました。29年度には残る1圏域で設置し、
全市で体制を整備する予定になっております。
また、28年度から、市域を超えた二次医療圏域での医療・介護の体制整備として、県と連携し、退院時の病院医療・在宅介護の標準的な引継ぎ手順である「退院調整ルール」の策定に向けた新たな取り組みを進めております。
(2-4)【介護従事者の待遇改善を行い、人材を集める工夫をする】
介護従事者の処遇改善については、国において平成24年度に実施された介護サービスの報酬改定において、福祉・介護職員の賃金改善を目的とした処遇改善加算制度が創設されました。また、27年度の報酬改定では同制度の更なる拡充が実施され、介護職員の待遇改善に向けた取組みが着実に進んでいます。一方で、将来的に不足することが懸念されている介護人材については、その裾野を拡大する取組みが求められています。
本市では、29年度から実施する「介護予防・日常生活支援総合事業」において、ヘルパー等の有資格者以外の新たな担い手を養成し、「家事援助限定型訪問サービス」を開始することにより、介護人材の裾野の拡大に努めることとしております。
(2-5)【地域のボランティアのみならず、事業者などと地域包括支援センターとの連携によって見守りの体制を推進】
民生委員、社会福祉協議会、地域住民やボランティアなどの協力により、地域での見守り活動を推進してきましたが、平成24年度からは、協力事業者による高齢者見守り事業を実施し、現在40の事業所に登録等していただいています。地域包括支援センターにはほぼ毎月協力事業者からの報告があり、高齢者の見守りにつながっています。
市長就任以降では、登録事業者数をそれまでの8件から大幅に増やしました。読売新聞読売センターなどの宅配業、セブンイレブンジャパンや淡路信用金庫西宮支店などの店舗のほか、兵庫県柔道整復師会、西宮市老人クラブ連合会など多岐に渡り、32事業者に登録等していただきました。
今後は、さらに店舗等に加え、公共交通機関などにも積極的に登録を呼びかけるとともに、職員には認知症サポーターの養成講座を受講してもらうなど、認知症に対しての理解も深めていきたいと考えています。
また、認知症等により行方不明になるおそれのある高齢者等の情報を事前に登録し、万が一、行方不明になった場合に、捜索協力者へ電子メールで情報提供することにより、いち早く保護・発見につなげる「認知症SOSメール配信事業」を29年2月より開始しています。
(2-6)【将来的な24時間小児救急体制の整備に先んじて、深夜帯の小児救急診療を整備】
これまでの応急診療所での診療体制は、限られた時間内での対応であったため、体調が急変しやすい乳幼児に対応する診療時間の延長が課題となっていました。
深夜帯の小児救急診療体制をこれまで以上に整備するためには医師等の医療従事者の確保が不可欠ですが、一方では医療従事者に過度の負担を強いることになります。そのため、西宮市単独で整備するのではなく、広域での連携を強化することとしました。平成27年4月から、伊丹市内にある阪神北広域こども急病センターと連携を行い、深夜帯の小児救急診療の体制を整備しました。
また、27年7月から、健康に対する市民の不安を和らげるとともに救急医療の適正利用を図るため、24時間無料電話医療相談(ハローにしのみや)を開設し、乳幼児から高齢者までの全ての年代を対象に、24時間いつでも、どこからでも医療相談を受け付けています。
(2-7)【北部地域の医療課題を解決するために、県に対し医療圏域の見直しを求め、塩瀬・山口地区を阪神北圏域に移管する】
県との話し合いもふまえて、塩瀬・山口地区については、既存の医療圏域を超えたより広域での連携を強化する方向で課題解決を図ることにしています。平成28年3月には、基礎自治体での策定がめずらしい「西宮市保健医療計画」を策定しました。その中で「北部地域の医療課題の解決」については特別に章を設けて明確に市の課題として取組方針を定めています。
具体的な取組みとして、小児救急についてはすでに27年度より、阪神北広域こども急病センターとの連携を開始し、本市の応急診療所では対応できなかった深夜帯での受診が可能となりました。
また、北部地域には産科・婦人科がないことから、本市が実施している女性のためのがん検診(クーポン券事業を含む)について、神戸市の一部や宝塚市の医療機関でも受診ができるようにするなど、医療・検診体制の強化を図っています。
さらに、北部地域の医療課題には具体的にどのようなものがあるかをより詳しく把握するため、ニーズや医療資源の分布などについての研究を進めています。
研究を進める中で明らかになった課題のうち、優先順位や実現可能性の高いものについては、29年度から関係機関と協議・調整を進めてまいります。
(2-8)【精神障害保健福祉手帳所持者へのサービスの拡充】
平成26年7月より、障害者医療における対象を精神障害保健福祉手帳2級所持者の外来へ拡充し、精神疾患を除く医療費自己負担額の一部助成を実施しています。
28年度には、自転車駐車場の使用料減免の対象に精神障害者保健福祉手帳所持者を、福祉タクシー派遣事業の対象に精神障害者保健福祉手帳1級所持者を、それぞれ新たに加えました。
さらに29年度からは、水道料金及び下水道使用料の一部減免の対象に、精神障害者保健福祉手帳1級所持者を加えることとし、市民サービスの拡充を図っています。
(2-9)【市営住宅を高齢者・障害者等に重点を置いた福祉施策に役割転換し、住宅量を圧縮】
平成24年に策定した「西宮市営住宅整備・管理計画(計画期間:~平成33年度)」に基づく、現在進捗中の阪急神戸線以南地域市営住宅建替事業に続き、さらに踏み込んだ戸数削減に向けて、阪急神戸線以北地域を主とし、42年までを計画期間とする「第2次西宮市営住宅建替計画」を28年に策定しました。
この計画を着実に推進するため、一般公募数を絞るとともに、空室の有効活用を図るための期限付使用許可制度などの検討に取り組みます。
【教育・子育て】
(3-1)【校地を取得して学校の施設不足を解消・大社小学校について用地を取得して学校規模を拡張し校区変更を撤回】
教室や運動場などの施設不足を解消するために、周囲の土地の取得について、その土地を取得した場合に得られる教育環境改善と取得と整備にかかる経費を考えて検討しています。校区変更は、これまでの経緯や地域コミュニティへの影響を考えれば、最終手段としたいと思っています。
瓦木中学校についても、まずは周囲の土地の取得について検討しました。しかし、土地の制限等によって、期待した土地が入手できなかったため、残念ながら校地拡大については断念し、校区変更により教育環境の改善を図ることとしました。
また、大社小学校を含む他の複数の学校についても、有効活用の見込める隣接地は、既に土地利用が決まっている、現に土地を利用しているため処分の予定がないなどの理由により、校地取得の具体的な協議には至りませんでした。
(3-2)【生徒指導課題の増大に伴い専門家等による組織を設置する】
平成25年に教育委員会内に設置したプロジェクトチーム「学校問題解決支援チーム」をさらに人的・機能的に充実させてきました。チームは、生徒指導経験が豊かな元校長、スクールソーシャルワーカー、スクールサポーター、教育相談員と指導主事によって組織しており、学校が抱える生徒指導上の課題に対して、学校とともに解決をめざして対応しています。
また、法的な根拠に基づく判断による適切な対応のための指導助言を行うため、教育問題に精通した弁護士とも、相談業務について契約を結んでいます。
(3-3)【学校の情況を把握して課題対応をおこなう職員を配置】
学校からの支援要請を待つのではなく、教育委員会から積極的に学校に出向いて情況把握に努めるようにしております。
さらに生徒指導や学習指導等の教育上の課題解決を目的とする市費臨時的任用教員を配置するための検討を始めます。
(3-4)【「保育」ではない学びの機会を提供するため校庭開放をおこなう】
学校施設等を活用して子供たちの安全で自由な遊び場や学びの場を提供し、子供たちの逞しい成長につなげる事を目的とした「子供の居場所づくり事業」を平成27年度から開始しており、28年度は5校で校庭開放と併せて学校施設の屋内も活用した事業を実施しています。
(3-4)【育成センター・児童館・放課後子ども教室・校庭開放などの事業を統合、民間事業者が受託してコーディネーターを中心に地域ボランティアと連携を図って運営】
各放課後事業の調整や連携を強化するため、教育委員会に放課後事業課を新設し、こども支援局との併任としています。
今後も、それぞれの事業の果たすべき役割を担いつつ、全ての児童の安全・安心な居場所の充実を図るために、横断的な視点で各事業のあり方を考え、一体的な放課後施策の検討を進めていきます。
なお、「子供の居場所づくり事業」では、上記5校のほか、学校施設の屋内のみを活用した事業を実施している2校でもコーディネーターが中心となって地域ボランティアと連携した運営を行っています。さらに7校では公民館の活用や学校・地域等と連携するなど実施内容を多様化させた取組みを進めており、地域ボランティアの協力を得ながら校区の状況に応じた拡充を図っております。また、各放課後事業間の効果的な連携や充実を図る上で、実施主体の研究も進めていきます。
(3-5)【大学やトップアスリートと協力して体育指導者の指導技術を向上させる・トップアスリートを組織して学校や部活やSC21に派遣】
トップアスリートと市が連携してスポーツを通じたまちづくりを行うため、本市とつながりのあるアスリートや関係団体・大学等からなる異競技連携組織「アスレチック・リエゾン西宮」を平成26年9月に発足しました。代表はオリンピアンの朝原宣治さんにお願いしています。
「アスレチック・リエゾン西宮」には、後述の西宮ストークスの他、サッカーのヴィッセル神戸や女子バレーボールのJTマーヴェラス、多くのオリンピアンなども参加いただき、その協働により、指導者講習や多種目体験イベントなどを開催、さらに拡大する予定です。
その一員として、プロバスケットボールチーム「西宮ストークス」の西宮誘致を成功させ、地域に根ざしたプロチームとして市民に愛されるだけではなく、市との協働事業の推進にも期待が高まります。
また、市の外郭団体「西宮市スポーツセンター」の理事長に、元日本代表女子バレーボール監督でありアスリートネットワーク理事長の柳本晶一氏を招聘し、アスリートの視点による市民スポーツの推進を目指しています。
(3-6)【芸術家を市内学校の授業や放課後事業に派遣】
平成27年度から、市内小中学校に音楽やダンスのアーティストを派遣するとともに、小学生を西宮市大谷記念美術館にバスで送迎し、作家や美術館学芸員のレクチャを受けるなど、本物の芸術文化に触れる機会を提供しています。28年度以降は、実施校数をさらに増やし、内容の充実を図っていきます。
また、放課後事業への芸術家の派遣についても、地域のニーズを踏まえて検討してまいります。
(3-7)【子供にどんな環境が必要なのかについてのビジョンづくりをおこなう】
地方教育行政法の改正に伴い、自治体の首長に、総合教育会議の設置及び教育大綱の策定が義務付けられました。多くの自治体が既存の計画を大綱に代える動きの中、本市ではゼロベースから取り組み、教育・子供に関わる人へのヒアリングを幅広く実施するとともに、過去の教育に関する理念の再確認も行い、「子供に期待する姿」「その実現のために大人に期待する姿」を中心とした教育大綱を取りまとめました。
これについて総合教育会議で議論を重ね、パブリックコメント等により多くの方々の意見をお聞きして、平成28年11月に完成いたしました。
今後は、教育大綱の周知に努めるとともに、これを礎として教育・子供施策の推進に取り組みます。
(3-8)【実質的待機児童解消のため、認可外保育施設に対して補助金を支出する】
待機児童が特に多い低年齢児(0歳児~2歳児)を対象とする地域型保育施設の整備が進んだ反面、認可保育所の3歳児の受入枠の確保が追いつかず、地域型保育施設を卒園後、引き続き認可保育所に入所することができないという問題が発生しています。この問題を解消するため、平成29年度から、地域型保育施設を卒園後待機となり、やむを得ず認可外保育施設を利用する保護者に対しての利用料補助制度を実施します。
なお、待機児童の解消については、国家戦略特区の認定を受けての都市公園内における保育所開設や国有地の取得を含む市有地の更なる活用、パーク・アンド・ライド方式の保育所開設といった新たな手法等を導入することで、28~30年度の3か年で1,500人の受入れ枠拡大を推進しています。
さらに、民有地の活用を促すための誘導策として、あらたな認可保育所等の整備のために賃貸された土地・建物に係る固定資産税等の課税免除や、保育所等運営事業者に対する土地賃借料の補助の時限的な実施に向けて、準備を進めているところです。
(3-9)【子供の多い地区の公立幼稚園は民間移管して認定こども園にする】
公立幼稚園については、平成30年度までは「西宮市立幼稚園のあり方について」に基づき、適正配置(縮小)を進めています。それ以降の市立幼稚園のあり方については、保育所待機児童数の多い地区の課題解消や、北部地区の子育て施設の課題などを勘案してあり方を検討していきます。
(3-10)【保育所保育料の値下げ】
平成27年度から他都市と比較し特に高い水準であった「所得の高い階層の3歳未満児の保育料」の引き下げを行いました。近隣市の水準では概ね均衡はとれましたが、全国的にみると依然高めの水準にあります。財政状況を踏まえ、引き続き検討いたします。
(3-11)【特別な支援を必要とする子供の保育のため、じゅうぶんな人員配置と環境整備に対する補助金を支出することで、希望する園に入園できる体制を整備】
障害などにより、児童に対する保育士の加配が必要とされた民間保育所に対して補助を行っています。平成27年度からは、よりきめ細かい支援を行うため、加配基準を原則として、児童3人に保育士1人の配置から、児童2人に保育士1人の配置とするように改めました。
(3-12)【作業療法士、言語聴覚士、理学療法士の人員を確保し、切れ目のない継続的な療育を可能にする】
発達等に課題のある子供への切れ目のない支援を目指して、わかば園とスクーリングサポートセンターを移転、再編し、平成27年9月に、こども未来センターを開設しました。
開設以降、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理療法士などの専門職を中心に職員を20名以上増員し、教育・福祉・医療の連携をより強固なものとし、子供や保護者に寄り添った支援に努めてきたところです。今後とも体制の強化、充実に取り組んでいきます。
(3-13)【1歳半検診のときに臨床心理士などのサポートとわかば園との連携で発達障害の早期発見を可能にする】
こども未来センターでは開設以降、臨床心理士等のアウトリーチにより学校園などで見過ごされやすい発達上に課題のある子供の確認や情報共有及びその子供の支援方法について助言してきました。
また、早期から保護者が子供の発達に興味を持つきっかけをつくるとともに、必要に応じてセンターと適切につながることができるよう、平成28年4月から「かおテレビ(社会性発達評価装置)」を導入しました。現在、大学との連携のもと、塩瀬・山口地域の乳幼児健康診査でモデル実施するとともに、センターの臨床心理士等専門職員をオペレーターとして養成しています。今後、その他の地域においても実施を計画するほか関係機関とも連携を深め、発達等に課題のある子供の早期発見、早期支援に取り組んでいきます。
(3-14)【障害の程度や保護者の希望に応じて、通級指導や個別サポートの拡大によって、通常学級での指導を支援】
現在、市内の小中学校では、通常の学級に在籍している難聴やLD・ADHDなどの子供に対して、障害の状態に応じた個別指導を行う「通級による指導」を行っています。その指導を行うために県教育委員会から6名の担当教員が配置されていますが、ニーズのある児童生徒を支援するには不足しており、県や国に増員の要望を続けています。通常の学級に在籍している支援の必要な児童生徒についても、個別の教育支援計画の作成を推進し、個別のサポートができるよう進めています。
こども未来センターでは、ソーシャルスキル(対人行動技術)やコーピングスキル(ストレス対応技術)などの獲得を目指した「のびのび教室」を実施し、対象児童を支援しています。また、「教職員スキルアップ研修」を実施し、校内支援体制の推進・充実のための中核となる教員の養成に取り組んでいます。
(3-15)【給食献立のチェック方法における対応を統一し、エピペンの使用法などについて正しい情報を現場に伝える。入学前の学校と保護者の相談を早期化し、じゅうぶんな対応がとれるようにする】
学校給食におけるアレルギー対応については、各学校の状況を踏まえ、全校で確実に安全が確保できる範囲で統一する方向で進めています。
平成28年に複数の小中学校で実施した学校給食献立作成・アレルゲン管理システムの試験運用を踏まえ、29年度2学期から全校での運用を開始します。
エピペン使用を含む食物アレルギー緊急時対応については、年度当初に学校保健研修会を行っています。入学前の児童については、就学時健康診断で食物アレルギーについて問診し、当該児童の保護者には入学説明会で学校生活管理指導表を配付し、早期に学校と相談を始めることができるようにしています。
(3-16)【私立の幼稚園保護者負担額の平均と公立のそれが同額になるよう、就園奨励助成金を増額するとともに、所得制限を撤廃する】
子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、市立幼稚園保育料が応能負担に移行しました。また、就園奨励助成金の増額や所得制限の撤廃などにより、概ね保護者負担の公私間格差は解消しています。
(3-17)【在宅で子育てをする親のための遊び場・相談所として「子育て広場」の整備を進める】
学文地区では平成27年10月より甲子園二葉幼稚園で週3日、夙川地区では28年1月より甲山福祉センターで週3日の子育てひろばを開設しました。また、28年4月には高木北小学校内で週5日の子育てひろばを開設しています。
このほか今津地区では、29年3月に休園となる今津幼稚園を活用し、子育てひろばを開設します。今後もひろばの少ない地域への整備に取り組んでいきます。
(3-18)【乳幼児等医療費助成の所得制限を撤廃】
平成27年7月より乳幼児等医療における義務教育就学前児童について所得制限を撤廃し、医療費自己負担額の一部助成を実施しました。
(3-19)【現在県が持っている教員人事権を市に移管するための法的・財政的課題について研究する】
人事権移譲に伴う財源の確保やその他の課題等について、県下の3中核市で情報を共有するなど、人事権移譲にかかる諸課題について研究を行っています。
【顧客視点のサービス】
(4-1)【市のホームページを抜本的な見直し・市の広報の総点検】
市の各事業・施策を有意義なものにするには、クオリティの高い効果的な広報により、的確に市民に認知されることが不可欠であるため、これまでの広報の取組みを総点検し、抜本的な見直しを進めています。市政ニュースでは、平成27年4月にリニューアルを行い、レイアウトや記事編集の見直しを図りました。表・裏表紙については、全号私が自ら編集ディレクションをおこなっております。さらには、アウトライン西宮や市民べんり帖などの既存媒体から、新規発行する媒体に至るまで、重要な広報物については、私が自ら編集ディレクションをおこない、その広報物の対象者や目的などに合致した内容やデザインになるようきめ細やかな制作をおこなっております。
市HPでは、市民目線でのわかりやすく、検索しやすい内容とするため、29年度にリニューアルを実施する予定で、現在は庁内作業部会を設置して、課題の洗出しや情報検索機能の向上について検討を進めています。その他にも、FacebookやYouTubeなどのツールも活用し、多様な情報発信に取り組んでいます。
また、28年度から広報課の体制強化を図り、各部署が取り組む広報についても積極的にマネジメントすることで、戦略的・効果的な情報発信を進めています。
(4-2)【公民館・市民館などの市民集会施設の管理を一元化し、利用予約などを簡単にする。施設の集約などの適正整備を進める】
公民館、市民館、支所、児童館など、不特定多数の地域住民が利用する施設については、今後の地域に必要な施設とは何かという観点から、抜本的な見直しをすすめるため、整備や再配置を含めた有効活用計画の策定に向け、関係部局による協議を進めています。
(4-3)【スポーツ施設の管理を教育委員会から移管し、利便性を向上】
スポーツ行政の所管については、平成26年度より教育委員会から市長事務部局に移管しました。このように、市長事務部局がスポーツ行政を所管することにより、スポーツ施設における興行試合の開催誘致など、スポーツ観戦を楽しむ機会の充実を図っていきます。
また、有料運動施設の管理については、これまで施設ごとに、スポーツ部門または公園部門のいずれかが行っていましたが、これらの施設の管理を27年4月から、スポーツ部門が一元的に行うこととし、利用者に分かりやすいよう改めました。
(4-4)【防犯灯の維持管理を地元自治会との連携でおこなう直営にする】
平成28年度に市内全体で約21,000基の防犯灯について、市の直営とし、ESCO事業により、防犯灯のLED化を図りました。
今後、29年4月からは地元自治会・防犯協会等地域の声を聞きながら、市直営での防犯灯設置・維持管理を行ってまいります。
(4-5)【投票率を向上させるため、商業施設や駅などへの期日前投票所の設置拡大をすすめる】
市内大型商業施設内に期日前投票所を設置するべく交渉を進めた結果、平成27年2月18日に「ららぽーと甲子園」を所有管理する三井不動産㈱他と協定を締結し、同年4月の統一地方選挙から、市内8か所目の期日前投票所として開設しました。
(4-6)【図書館運営に指定管理者制度を導入することにより、事業の品質を高め、開館時間の一層の延長を実現】
平成27年4月に策定した「西宮市立図書館基本的運営方針」及び「西宮市立図書館事業計画」に基づき、直営体制で図書館サービスの充実向上に取り組んでいます。
開館時間については、事業計画に基づき27年4月から見直し、中央・鳴尾・北部図書館の開館時刻を30分繰り上げ、9時30分から開館しています。さらに、例年7月~9月に実施していた中央・鳴尾図書館の夏季開館時間延長を、4月~9月に拡大しました。
また、28年度に更新した図書システムにより、新たに書影情報や新着図書情報提供サービスなど機能を充実させ、読書活動の推進に努めています。
【防災・安全・都市政策】
(5-1)【津波から市内沿岸部を守るため、防潮堤の整備と武庫川の堤防強化をおこなう】
南海トラフ巨大地震により発生するとされている津波対策については、平成27年6月に兵庫県が「津波防災インフラ整備計画」を策定しました。この計画では、25年からの10年間で、防潮堤の沈下対策や防潮水門の下流への移設などの対策工事を概ね完了させるとしており、これらの対策が完了すれば、津波の越流区域が80%以上も縮小され、津波による被害が大幅に軽減されることとなりました。
また、武庫川の堤防についても、県の検討により、巨大地震による堤防の沈下を考慮しても、津波が堤防を越流することはないことがわかりました。
津波被害の軽減は、市の防災上の最優先課題として、県に対して対策の早期実施を求めてきましたが、「津波防災インフラ整備計画」のうち、特に緊急かつ重要な事業は30年度までの5年間で実施されることや、武庫川の河川整備計画により順次武庫川の堤防の強化工事が実施されることなどから、県に対して事業の早期完成を引き続き強く要請してまいります。また、これとあわせて防災意識の啓発や避難支援などのソフト施策を充実してまいります。
(5-2)【雨水浸水対策経費を大幅に増額し対策を強化】
雨水浸水対策は平成26年度予算で約5.0億円を計上していましたが、27年度以降は毎年増額を行い、29年度の事業費では対26年度比で2.3倍の約11.6億円に増額し、対策を強化してまいります。
また、新たに建物内部への浸水被害を軽減するために、玄関などに止水板を設置する際の助成制度を28年5月からスタートさせました。
さらに、市政報告・広聴会などを通じて、管渠や貯留施設の整備による浸水対策の取り組み状況の説明やHPによる雨水対策マップの公開などの啓発活動も実施しています。
(5-3)【無秩序なマンション開発などから住宅環境を守るための「まちづくり基本条例」を制定】
文教住宅都市宣言の精神に沿って、無秩序なマンション開発等を抑制し、本市の特徴的な住環境を保全することは重要と考えています。しかし、マンションという特定の住宅型式を対象として、現行の法令の範囲を超えた規制を全市的に適用することは、財産権侵害等の可能性もあるため、法的に困難と考えています。
そのため、まちづくり基本条例については、文教住宅都市西宮にふさわしいまちづくりをすすめるとの基本理念のもと、既存の土地利用等のまちづくりに関する条例の体系化を基本に、条例制定の可能性を検討しています。
また、条例制定の意義を高めるため、大規模土地利用転換の事前届出制度の導入を検討しましたが、他都市の事例でも実効性のある制度がなく、事前届出制度の導入は困難と考えられるため、次善策として、まちづくり協定制度等の活用について研究を始めています。
(5-4)【整備の見込みの立っていない都市計画道路について計画廃止も含めて、今後の整備方針を見直す】
都市計画道路については、総延長約201kmのうち約47kmが未整備であり、そのうち整備の見込みが立っていない約43kmの路線を対象に見直しを行いました。平成26年2月から28年3月まで、審議会での協議・審議、市民からの意見募集、説明会の開催などにより、各路線の必要性等について検討を行い、見直し手続きを進めた結果、約17kmの未整備区間が廃止となりました。見直しの結果、存続となった未整備区間については、今後、道路整備プログラムの見直し等の中で、整備の優先順位等を検討していきます。
(5-5)【カラー舗装による歩行者空間の確保、側溝の蓋掛け・暗渠化による歩行者空間の拡幅、車道停止線部への段差設置などによる自動車のスピード抑制をおこない、学童や歩行者の安全確保策をすすめる】
歩行者の安全確保については、特に通学路の安全対策として路肩のカラー舗装化を進めてきました。警察や学校、地域住民などと協議を重ねるとともに、事業量を拡充して工事を実施し、延長116.7kmの路肩カラー舗装化工事を平成28年度までに完了しました。
これ以外にも、道路の二次改築や歩道の新設・改良などにより、歩行者の通行空間の改善に努めており、今後も水路への蓋掛けや歩道の段差解消などにより、歩行者の安全対策を進めていきます。
(5-6)【消防職員を増員して消防力・防災力を向上】
現在の消防体制は、消防需要に十分見合ったものとは言えず、組織力の強化が必要です。
このため、平成28年度に西宮市職員定数条例を改正し、消防職員定数を426人から96人増の522人としました。
この定数に向け、29年度の採用試験から段階的な増員を行います。
消防体制の強化により、市民の安全・安心を向上させたいと考えています。
(5-7)【老朽化対策・耐震対応を計画的に進め、持続可能な施設整備を可能にするために、一元的な政策推進をする体制を整備し、整備費用を平準化するために基金を創設】
平成27年4月に「施設マネジメント部」を設置し、施設再配置等を含む一元的な施設マネジメントを推進しています。また、施設の保全には、今後さらに多額の経費が必要と見込まれるため、26年9月に「西宮市公共施設保全積立基金」を創設し、積立をしております。
(5-8)【市内大学の市外流出を防ぐため、特別用途地区の制定などの機動的な都市政策により施設整備をしやすくする】
本年3月に策定した「西宮版総合戦略」において、基本目標の一つとして「大学との連携強化」を掲げ、目標達成に向けた取組みとして、個性豊かな大学等の集積を発展させ、大学のまちとしての西宮の魅力を高めるため、大学等の施設更新にあわせた機動的な都市計画制度等の運用を行うこととしています。
この総合戦略に掲げる取組みの実現に向けて、大学関係者等と意見交換を図り、地区計画、特別用途地区等の都市計画制度の活用について検討していきます。
(5-9)【さくらやまなみバスの収支・運営方法・運営事業者を再点検し、持続可能な運営方法を検討】
さくらやまなみバス事業については、当初、阪急バスと締結した7年間のバス事業に関する覚書が平成28年3月で満了となりました。これを受け26~27年度に、第三者機関(公認会計士)の視点から、事業効率の点検や他事業者へのサウンディング調査等を行い、運行事業者の変更可能性も含めて検討しました。
その結果、標準的な経費との比較、安全かつ安定的な運行の確保、事業のスケールメリット、営業所・バス基地・バス路線・バス停等の既存経営資源の活用などの観点から、阪急バスによる運行継続が最も持続可能性が高いと判断しました。
これを踏まえ、市として、28年4月以降のバス事業に関する覚書を、改めて阪急バスと締結しました。
(5-10)【生瀬地区へのコミュニティバス導入について、市主導での実現を目指す】
コミュニティ交通は持続可能性が最も重要と考えており、この考えのもと市として、生瀬地区の地域関係者や公共交通の専門家等と意見交換を重ねてきました。
その結果、地域の実情を最も把握している地域住民等が、構想・計画段階から主体的に参画し、運行開始後も事業の点検・改善等に関わり続けるとともに、市として地域住民等では対応が難しい部分を適切に支援することが、持続可能性が高い事業に繋がるとの認識を得ました。このことを実践されている生瀬地区では、十分な議論・検討を経て平成27年10月に本格運行に至り、その後、利用者の反応も上々であり、利用状況も順調に推移しています。
(5-11)【市主体のプロジェクトチームを立ち上げ、再開発手法も視野に入れた卸売市場再整備を検討】
再開発手法を基本として卸売市場の再生整備を含めたJR西宮駅南西地区の整備に向けた検討を行っています。
平成27年度に「卸売市場対策課」を新たに設置し、市場事業者及び関係権利者等との合意形成を図りながら、用地測量等による土地の確認・整理及び事業計画案の策定作業を進めています。
(5-12)【苦楽園大丸土地地区の私道部分を市の管理に移管するために、諸課題を解決】
現状のままでの市道への移管は困難なことから、移管する場合の必要事項などを再整理して、平成26年11月に地元住民にその内容を提示しました。その後、一定の条件のもとで私道の表面管理を市が実施する案なども含めて、地元住民との協議を重ねています。
今後は、地元が実施する現況調査の結果を踏まえて、引き続き私道の管理についての課題解決を図っていきます。
(5-13)【堀切町市営住宅跡地の公園化】
香櫨園地区の住民と協議を重ね、堀切町市営住宅跡地のうち民家への乗り入れ通路として必要な部分を除き、約1,100㎡を全面的に公園とすることとしました。
整備工事は平成27年度に実施し、去る28年3月末に「堀切さくら公園」としてオープンしました。
【文化】
(6-1)【政策推進体制を整えた上で市内在住の文化人にアプローチし、西宮に必要な文化施策のあり方について検討】
平成28年度から、「西宮市文化振興ビジョン」の見直しに着手し、本市の文化振興施策の基本理念を再検討して、具体的な文化振興施策の実行指針及び事業計画を策定します。
文教住宅都市という都市目標の再定義と現時点的解釈をおこない、これから10年の西宮市にとっての文化振興のありかたを根本的に見直します。
策定に当たっては、市内在住及び市ゆかりの文化人の意見等を取り入れながら、文化まちづくり推進委員会において必要な審議を行い、計画に反映していく予定です。
(6-2)【勤労会館を若手芸術家が練習・創作をし、市民への公開講座をおこなう拠点にする】
勤労青少年ホームでは、器楽室、体育室を活用した青少年の音楽、ダンス活動が盛んに行われています。芸術文化面での新たな取組みとして、若手芸術家の創作活動の場として公開アトリエを開設し、青少年に本物の芸術文化と身近に触れる機会を提供していく予定です。
(6-3)【寄付・寄贈されたままの芸術作品・資料などの展示・活用を見直す】
西宮市大谷記念美術館の館蔵品等をインターネットで公開できるシステムを導入するとともに、市のデジタルアーカイブシステムの検討を進めています。
あわせて、西宮ゆかりの作家やその作品等を紹介する「西宮美術回廊」及び「西宮文学回廊」など従来のシステムを充実してまいります。
(6-4)【歴史資料の収集・保管・デジタル化を進め、公開する】
平成28年度から議会議事録や市町村合併文書等の旧町村文書の電子化に取り組んでいます。また、歴史資料オープンアーカイブを構築し、29年度からインターネットを通じて市民に公開する予定です。
【行政改革】
(7-1)【合理的な判断によって、文教住宅都市西宮が目指す方向性や、力を入れるべき政策分野を明確化】
新年度予算の審議に先んじて市長が発表する経営方針=行政方針は「施政方針」と名称を変えて、都市経営のコンセプトを明確に打ち出すようにしました。また、それに合わせて、これまで教育委員会は別に「教育委員会行政方針」を発表していましたが、市長の「施政方針」に統合しました。総花的なものから、西宮の目指すべき方向性や重点施策が明確になったものになっています。
昭和38年に定められた誇り高い「文教住宅都市」というコンセプトに現時点的解釈を与えて再定義することを、全庁すべての事業推進について指示しています。活力に溢れる現時点の西宮の情況に安住することなく、「子供の育ちによいまち=子供が成長して子育て世帯として帰ってくるまち」「物質的な豊かさや利便性のみならず、質の高いサードプレイス(自分らしく楽しめる場所)が近いところに手軽に楽しめる、ライフスタイルを発信できるまち」という都市経営のコンセプトを定め、あらゆる政策の推進の哲学として再定義していっています。
(7-2)【技能労務職の給与を適正化、採用を中止し、民間移管・民営化を進める】
技能労務職員が従事している業務については、庁内で今後の人員や業務体制について所管部局と整理を昨年度から行い、今後の体制については委託化や直営体制を堅持するかの議論を行い、方針については庁内での一定の結論は出ていますが、業務の委託化を進める場合には、職員関係団体との交渉を経なければなりません。
本年度の職員関係団体との交渉では、一般廃棄物の収集業務について、その規模が大きいことから先行して協議を行った結果、災害や受託業者の倒産、不測の事態への臨機な対応や、また、適正で安定したサービス提供をするため、民間事業者に対するチェックや指導を行う立場としてのノウハウの蓄積等、いわゆる内製化の観点から、一定の割合を直営として残し、それ以外については、順次委託を進めていくことといたしました。これにより直営と民営の比率は、収集人口ベースで現行の35:65から、新たな委託を行う平成31年度には26:74に移行する予定です。
なお、直営部分を維持するため、一定数の職員を確保してまいります。
次に、市の様々な事業での公用車の利用件数が多く、また災害時の緊急対応や感染症患者搬送時のための公用車の運転業務や、感染症患者発生時の消毒作業や、鳥獣の保護及び適正化や特定外来生物の駆除に関する業務等については、直営により実施します。
なお、市立小・中学校や保育所における給食調理業務、養護老人ホームにおける支援業務や墓地・葬祭業務などその他の業務については、今後の関係職員団体との交渉などを踏まえ、導き出されるべき部分について、29年度中に明らかにします。
また、給与については25年度に行政職給料表から分離した技能労務職給料表を適用しており、現在は経過措置期間中であります。来年度から給料引き下げがはじまり、31年度より新しい給料表に完全移行する予定であり、今後の給与のあり方については、この経過措置期間終了時に地方公務員法に規定されている情勢適応の原則を踏まえながら検討してまいります。
(7-3)【実績や勤務態度を考慮した給与制度を実現するほか、能力主義・成果主義を取り入れる】
平成27年度からは、管理職手当を定額化しました。「年齢によって管理職手当が変わる=若い管理職の手当は低い」という情況が解消されたため、「”若い課長”と”それ以下の職位にある年齢の高い職員”の年収逆転」が解消されました。
また、28年度には、行政職給料表の再構築について労使交渉をいたしました。これは、メリハリのある給料表とすることで、「”若い係長”と”年齢の高い非管理職”」の処遇に明確な差を設け、若手職員のモチベーションを高めるためにおこなうもので、粘り強い交渉を行った結果、29年度から導入することとしました。
また、28年度から能力と業績の両面で評価する新たな人事評価制度を導入しております。その人事評価を早期に待遇に反映すべく担当部門と議論を進めています。
(7-4)【財政健全化のため、事業の取捨選択と人件費圧縮の具体的な計画を策定する】
事業の取捨選択については、7-1に記したとおり、都市経営のコンセプトを明確化したうえで必然性のある事業を推進していくことにしております。また、人件費圧縮については、7-2に記した改革をはじめ各事業単位の効率的な執行体制の見直しを行うことや、平成27年度実施した給与の総合的な見直し及び7-3に記した給料表の再構築といった給与制度の見直しに併せて、適正な給与水準にすることにより検討・推進しておりますが、一方で、年々多様化し増大する市民ニーズへの対応や山積する行政課題の解決のための人員確保の必要が生じるなど、結果的には人件費総額の圧縮には繋がっておりません。
このため、引き続き、上記の取組みを強化しながら行政経費の圧縮に努めます。
(7-5)【収入未済金を解消するため、滞納整理業務の効率化と徴収部門への人員拡充をおこなう】
各所管課での滞納整理が進捗し、平成25年度決算で124億円あった一般会計・特別会計の収入未済額は27年度決算で97億円となりました。28年度決算ではさらに減少する見込みです。
また、滞納整理業務効率化に向けて、29年度では、税の納付勧奨を行うコールセンターを設置するほか、税と国保料の滞納管理システムの統合に向けて開発に着手します。標準的な債権管理モデルの作成については、引き続き検討を進めます。
市営住宅の使用料につきましても、訴訟基準の滞納期間を短くすることにより、早期に催告を行い、納付解決しやすい環境を整えました。30年度からは指定管理事業者による全市一括管理に移行することで、事務のさらなる効率化を図ってまいります。
(7-6)【外郭団体を市の支援がなくても自立経営できる体制に改革する。西宮都市管理への貸付を再検証し、場合によっては、法人の破産手続きや特別清算などにより資産の換価処分による貸付金の回収をおこなう】
都市整備公社の見直しについては、平成28年度に今後の事業の方向性等を取りまとめました。これにより、公社の担う業務は、西宮浜産業交流会館管理事業及び墓地・葬祭事業等が中心となる大幅に縮小されたものとなり、その人員体制もこれに合わせた小さなものになります。
他の外郭団体についての整理はまだおこなっておりません。
(7-7)【外郭団体が選定されがちな指定管理者の選定方法を民間事業者からも選定される制度に改める】
留守家庭児童育成センターや市営住宅など、公募により指定管理者を選定する施設を増やしています。また、今年度より株式会社が指定管理者となっております。
(7-8)【教育委員会をはじめ、各種審議会・検討委員会のはたらきを検証し、政策推進に活用】
それぞれの委員の選定等についても詳細に検討する一方、自ら実際の審議会等に参加し、委員の提案を直接聞いたり、積極的な議論をおこなったりしております。
(7-9)【職員の不祥事に対する処分ガイドラインを見直し、免職処分も含めた厳正な措置を実施】
西宮市の懲戒処分の指針を整理したところ、すでに国の標準例よりもかなり厳しいものになっていることがあきらかになりました。以後も厳正な運用をおこなってまいります。
(7-10)【無意味で頻繁な異動を減らす】
日常的な打ち合わせや政策議論を、ほぼすべての課長以上の職員とおこなっているため、課長以上の職員の能力や適性は、概ねを私自ら把握しています。
そのうえで人事異動・昇進や組織設計のときに担当課と十分に協議をして、私の意見を十分反映させており、そのことによって、庁内の幹部以上職員の適材適所を図っております。
また、若手職員については、係長に昇進するまでにどのような職場経験によってどのようなキャリアデザインをおこなっていくかについて現在指針を整理中です。
(7-11)【職員の採用方法を抜本的に改め、人物重視・能力重視の採用をおこなう。法律等の専門能力を持った人材を採用する】
西宮市役所の採用すべき人材の人材要件を明確化し、それにともなう採用手法の抜本的改革をおこないました。
人材要件の提示と母集団形成のために業務説明会(就職希望の学生向けの説明会)を開催しました。また、採用すべき人材の重要条件がコミュニケーション能力であることを明確化したことから、一次試験に面接を必須化して受験生全員を面接し、二次面接では私も面接官として面接をおこなっています。また、母集団を「公務員試験の準備をしている人材」から拡大するためにSPI試験を導入しました。さらには、神戸市や兵庫県などとの併願による内定辞退を減らすために試験日程の変更などをおこないました。それらについて積極的に広報をするなどもしております。
毎年、採用手法については詳細な検証をおこない、常にさらによい採用手法の導入に向けて検討してまいります。
なお、現在の庁内の情況を考えると、直ちに法律の専門能力を持った人材の特別な採用については、その必然性はないと判断しています。
(7-12)【効果の低い・必要性の薄くなった補助金の縮小・廃止を進めることで、新規補助金や既存補助金の効果拡大のための財源を確保】
サンセット方式以外の補助金の多くについては、平成28年度に実施効果等の検証作業を行いました。