ファッションメディア「IQON」を運営するVASILY(東京都品川区)が2月20日、官報に掲載した第9期決算公告(2017年8月31日現在)によれば、純損失は300万円の赤字、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は14億3100万円の赤字だった。
VASILYは08年設立。10年に公開したIQONは、利用者がファッションアイテムを自由に組み合わせてコーディネートを作成できるサービス。200以上のECサイトと連携し、月間利用者数は約200万人。
資金調達面では、11年に伊藤忠テクノロジーベンチャーズとGMO VenturePartnersから1.4億円、13年に既存株主とグロービス・キャピタル・パートナーズから3億円、14年にKDDIから12億円と、累計17億円程度を調達していたが、17年10月に「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが全株式を取得、完全子会社化した。買収額は20億円。
今回の決算公告によれば、純損失は300万円程度。女優の木村文乃さんを起用したCMを展開するなどしていた、前々期の純損失8億2400万円と比較すると、ほぼ収支トントンレベルにまで赤字幅を圧縮しました。
しかし利益剰余金の累積赤字額は14億3100万円まで積み上がっており、累積調達額17億円(種類株含む)に対して買収額が20億円だったことを考えると、スタートトゥデイによる完全子会社化は“救済”の意味合いも強かったといえそうです。
VASILYは、深層学習(ディープラーニング)による画像解析技術を活用し、インスタグラマーの着こなしを解析、似ているアイテムを買えるサービス「SNAP by IQON」を提供しています。採寸ボディースーツ「ZOZOSUIT」など、ファッションのIT化を進めるスタートトゥデイの傘下で、VASILYが再び存在感を発揮できるか、興味深いところです。
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《著者紹介》
平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。
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