気がついたら、ね
夢が叶っていたよ。
忘れた頃に叶ってた。
カフェの様な日常
これが私の夢だった。
好きな時に出かけて
好きな時にカフェに入る。
ふらり、と。
その時の気分で
飲みたい物と食べたい物を選ぶ。
ホッとする時間を
自由に買える、彷徨える、幸せ。
ふらり、と。
コーヒーと
焼けるスコーンの香り
好きなことだけ考えて
夢見心地で、ふわふわと彷徨いたかった。
彷徨う、って
行く当てが無いことみたいだけど
そうじゃなくて。
余計なモノが何も無くて
とてもとても軽いから
心地良いあちらこちらに
感じるままに流れられる
そんな自由のこと。
高次元の魂みたいなこと。
帰る家もカフェの様で
あって欲しかった。
あのお店の様な落ち着く世界
玄関を開けた側から
広がって欲しかった。
それは
好きなことしか無い世界。
そんな毎日を送るには
裕福でなければならないと思った。
暮らしがイヤになったあの頃。
全てをリセットして
ここから立ち去ろうとした。
もう、何にも要らない。
新しい世界が
例え北極の様な所でも
今をかなぐり捨てて
まっさらになりたかった。
私はあらゆるモノを捨てた。
出張リサイクル業者には
引っ越しですか？と聞かれた。
家は余白だらけになった。
私の心にもぽっかりと穴が開いた。
ある日
部屋へ差し込む光が
変わった事に気づいた。
温かかった。
ただ、ただ、温かかった。
こんな日差しが
毎日届いていたはずなのに
私は何を見ていたのだろう。
どこの寒さへ
向かおうとしたのだろう。
それからは
毎日が少しずつ好転して行った。
空っぽになった
空間のあちらこちらから
幸せのスチームが
流れているみたいに感じた。
混沌は整うほどに、
救われた。
暮らしから、
ココに居ても良いよと包まれた。
安心、安息、安全は
私の世界に
ちゃんと在るとことを知った。
ただのインスタントコーヒーは
特別になり
残されたモノに支えられ
欲しくて欲しくて仕方がなかった
好きなしか無い世界になっていた。
カフェの様な日常
私があれ程
求めてやまなかった何かは
こんなに身近にあった。
そして
そんな世界で
何かを書きたい。
その夢もまた
気が付いたら叶っていた。
私がさらけ出したモノに
沢山の人が共鳴してくれて
その辛さや優しさを含めた全てが
とても私の胸に沁みた夜。
ありがとう、しかなかった。
大切なコトは
いつもココから湧き上がる。
ホームは心、心は私。
愛おしい日常。
いつも、ココに全てが在る。
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