お怪我をされた方に対する補償である「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」ですが、実はさまざまなポイントで違いがあります。両者の特徴を理解し、自分に合った最適な選択をしましょう。
記名被保険者およびそのご家族※1が、ご契約の車または他の車(自家用5車種※2に限ります)に搭乗中や歩行中などの自動車事故で死傷した場合に、保険金をお支払いする補償です。ご家族以外の方は、ご契約の車に搭乗中の場合のみ保険金をお支払いします。
事故の際の過失割合に関わらず、人身傷害保険の基準で計算した保険金をお支払いすることができます※3。
たとえば、人身傷害保険に加入するAさんが、交差点の右折時にほかの車との衝突事故を起こしてしまい、過失割合は、前方不注意によりAさんが70%、相手方が30%になったとします。しかし、人身傷害保険は過失の割合に関わらずお支払いできますので、ケガの治療費・休業損害・精神的損害に相当する損害額をそのまま受け取ることができます。
※1 ご家族とは、記名被保険者またはその配偶者およびそれぞれの同居のご親族(別居の未婚の子を含む)をいいます。
※2 自家用5車種・・・自家用小型乗用車・自家用普通乗用車・自家用軽四輪乗用車、自家用小型貨物車・自家用軽四輪貨物車をいいます。
※3 被保険者の重大な過失・酒気帯び運転・犯罪行為・自然災害などの自動車事故は、補償対象外となるケースがございますので、あらかじめご確認ください。
ご契約の車に搭乗中の全員を対象に、自動車事故で受傷した部位や内容に応じて、あらかじめ決められた金額が支払われる保険です。過失割合の影響で支払われる保険金額が変動することはありません。
人身傷害保険と同様、被保険者の重大な過失・酒気帯び運転・自然災害などにおける自動車事故は補償対象外となるケースがあります。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険のいずれも、交通事故によってお客様や同乗者が死傷をした場合に補償する保険です。両方付帯していれば、万が一の際には、片方だけの補償ではなく双方から保険金が支払われます。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いのひとつに、保険金の支払い時期が挙げられます。それぞれの保険金が支払われるタイミングについて確認しておきましょう。
自動車事故で死傷してしまった際に、示談交渉を待たずに総損害額が支払われます。
※総損害額は約款に定める損害額算定基準に従って当社が認定するために、示談や調停などによる認定額と差異が生じる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
医師の診断による入院および通院の合計日数が、5日以上を経過した時点で定額の損害額が支払われます(事故発生日を含めた180日以内に限ります)。こちらは治療などにおける、一時金のような意味合いもあります。
以上を比較すると、人身傷害保険は総損害額を確定するまでに多少の日数を必要としますが、搭乗者傷害保険は医師の診断に基づいた入院および通院の日数が5日以上経過した時点でお支払いすることが可能であり、後者のほうがお支払いのタイミングはスピーディだと言えます。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険のもうひとつの違いは、支払われる金額です。契約内容によっても金額に差異が生じますので、それぞれの仕組みを見てみましょう。
保険金額は3,000万円~1億円、もしくは無制限でご契約が可能です。
約款に定める損害額算定基準に従い、総損害額が支払われます。重度後遺障害が生じ、介護が必要な状況だと判断された場合は、保険金額の2倍を限度に損害額が支払われます(無制限は対象外)。またこれらの損害額には、通院費や休業損害、葬祭費用などの費用も含まれます。
あらかじめ決められている部位や症状に応じて、定額の金額が支払われます。たとえば、頸部の骨折または脱臼の場合は60万円、頭部の神経・筋または腱の損傷・断裂の場合は110万円です。同一事故により複数部位に症状が現れた場合は、症状のなかでもっとも高い金額をもとにして支払われます。
また人身傷害保険の補償対象となる通院費や休業損害、葬祭費用などに関しては、こちらの保険では加味されません。
そのほか、事故当日から180日以内に後遺障害が生じた場合、後遺障害等級に応じ保険金額の4%~100%のお支払いなど、死亡および後遺障害における保険金は医療保険金とは別枠で支払われます。
人身傷害保険には、ご契約の車に搭乗中の事故を補償する「車内の補償」と、他の車に搭乗中や歩行中の自動車事故を補償する「車外の補償」があります。記名被保険者およびそのご家族が、人身傷害保険を付帯した他の保険契約などをすでにご契約の場合「車外の補償」が重複することがあります。この場合、一方のご契約に「人身傷害搭乗中のみ補償特約」を付帯することで、「車外の補償」の重複を避けることができます。
「人身傷害(搭乗中のみ補償)特約」とは、人身傷害保険の補償をご契約の車に搭乗中の方のみに限定する特約です。
この特約を付帯すると補償の範囲が狭くなる分、人身傷害保険の保険料は安くなりますので、運転者の条件や使用状況によっては保険料を節約できる場合があります。ご自身が加入されている他の自動車保険の人身傷害保険や、同居のご家族の人身傷害保険のご契約がある場合は、見直しをされることをおすすめします。
ただし、もう一方のご契約を解約された場合など、いずれの契約にも「車外の補償」がなくなってしまいますのでご注意ください。
人身傷害保険、搭乗者傷害保険と違った補償内容となるのが、車両保険と対物賠償保険、対人賠償保険です。車両保険は自動車事故の際にご自身の車に損害が発生した場合の車の補償です。対物賠償保険、対人賠償保険は自動車事故の際に他人を死傷させてしまったり、他人の車や物などを壊してしまったりした場合の補償です。つまり、自分自身の損害をカバーする保険ではありません。
チューリッヒは、お客様ご自身のお身体の損害を補償する「人身傷害保険」と「搭乗者保険」が基本補償となっていますので、万が一の際でも安心です。まずはお見積もりで費用と補償内容をご確認ください。
※ご契約の保険始期日や契約条件によっては、お客様のご希望に沿う補償内容をご提案できない場合がございます。
DM170309-2(2)
※1 当社商品・補償内容などが前契約保険会社と異なるケースも含まれますが、当社商品、保険料にご理解いただいたうえでご契約いただいた7,412人のアンケート集計結果です。比較対象は加入中の保険会社から提示された継続保険料と当社契約保険料の差額で、お客様の申告によるものです。(アンケート集計期間:2017年1月-2017年9月)