スマホ位置情報で労災申請 死亡店長の在店時間算出

九州・沖縄
社会
2018/2/15 9:30
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 大手居酒屋チェーンの福岡市の店舗で昨年6月、男性店長(当時53)が死亡したのは長時間労働が原因として、スマートフォンの位置情報の記録を基に遺族が労災申請したことが15日までに分かった。代理人弁護士は位置情報で店にいた時間を算出したとし「客観性のある証拠で、過労問題に立たされている人にとって自衛策となる」と話している。

 運営会社は「申請手続きや労働基準監督署の調査には協力する」とした上で「会社が把握する時間外労働時間は労災認定基準に達しておらず、位置情報による在店時間には非労働時間が含まれている」としている。

 遺族代理人の松丸正弁護士によると、男性は昨年4月に他県の系列店からこの店舗に異動。6月22日、開店前の準備作業中に死亡した。死因は致死性不整脈だった。

 スマホの記録からは、死亡するまでの少なくとも半年間は長時間店にいることが常態化。松丸弁護士は「職場にいれば何らかの業務を免れられず、勤務時間とみなせる」と指摘。時間外労働が過労死ラインとされる月80時間を上回る100時間前後に上る可能性があるとしている。

 遺族は昨年12月、福岡中央労基署(福岡市)に労災申請した。〔共同〕

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