孤独な人に「耐え続けろ」というのは残酷だ

死亡リスクは「毎日タバコ15本」に匹敵する

「孤独」は、まさに「万病のもと」だ(写真:よっしー / PIXTA)

拙著『世界一孤独な日本のオジサン』の出版に合わせ、日本の中高年男性の孤独についての記事を何回か書いてきた。

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お寄せいただいたご意見や周囲の男性たちの反応はおおむね、①「自分は孤独ではない」②「将来の孤独をとても心配している」③「余計なお世話だ」「ほっといてくれ」「孤独の何が悪い」の3つのパターンに分かれる。つまり、「自分は今、孤独である」と吐露する男性はあまりいない。

中高年で、「孤独ではない」と堂々と言い切るのは、フリーランス、起業家などの非サラリーマン、お金持ち、転職経験者、趣味などを通じて仲間がいる人が多い。一方で、「とても心配している」と声をそろえるのは、都市に住む大企業、中小企業のサラリーマンだ。そして、「孤独は楽しむもの」「独りのほうが楽」「どうせ死ぬときは独り」と言うのが3つ目のタイプで、「孤独」を肯定的にとらえる声が少なくない。

「最も優れた人々は孤立を選ぶ」とはいうが…

高名な哲学者ショーペンハウアーは「最も優れた人々は孤立を選ぶ」と論じた。実際に、「非常にインテリな人は一人のほうが幸福である」という研究もある。しかし、そういった少数の人を除き、多くの人にとって「孤独」は「毒」であり、人々の生きる力を奪うものという考え方が海外では一般的だ。

「孤独」とはそもそも、「頼りになる人や心の通じ合う人がなく、ひとりぼっちで、さびしいこと(さま)」を指す。「孤」は「みなしご」を意味し、誰にも頼れず、精神的に「孤立」し、主観的に苦痛を覚える状態のことだ。一方で、日本では、「独りで独自」の時間を過ごし、楽しむことをも「孤独」ととらえている節がある。

英語では、ポジティブな意味合いの「Solitude」(個人が能動的・自発的に一人を楽しむこと)と、ネガティブな「Loneliness」(自らの意思に反して、疎外感や孤立感を味わうこと)とに分かれているが、日本語では、「個独」という「良いこどく」と、「孤独」という「悪いこどく」がひとくくりになり、結果として、「孤独」が美化されているきらいがあるように感じる。

フィギュアスケートの羽生結弦選手も「孤独」との戦いの末に勝ち取った金メダルと形容されたが、時として自分を追い込み、壮絶な苦しみを乗り越えることによって、頂点に到達することができたということだろう。ただ、彼とて、ずっと「孤独」であったわけではない。多くの人が彼を支え、この偉業は成し遂げられた。

「孤独」は時として、人を高みに導くが、怖れるべくは、常態化した「孤独」だ。

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  • NO NAME6efb0c002c36
    孤独でしかもニコチン・アルコール依存症でそのうえ健康まったく無視の食生活を送っている老人たちが今日も元気にパチンコ屋に並んでますが?
    up21
    down9
    2018/2/20 11:06
  • NO NAME13b827cf091f
    誰もいない海では寂しさを感じない
    でも都会の人混み、孤独にとらわれないかい?
    up14
    down10
    2018/2/20 11:07
  • Jacob4cd2689c2e83
    このように孤独を異常に恐れる日本人こそが病的だ。海外では個人は自立しており、孤立を恐れない。だからこそ異質な他人と返って有効な関係が築ける。日本人は他人に依存しすぎているのだ。依存しているからこそしがらみから逃れられず、ストレスになる。このため、健全な社会を構築できない。こいつは同調圧力に屈するダメ人間を増やしたいだけだ。参考にすれば馬鹿を見るだけである。
    up0
    down0
    2018/2/20 13:45
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