試験の点数を上げたければ、勉強する前に音楽を聴くべき理由

集中

資格試験や学校の試験等、人生において試験というものは身近に存在しています。皆様も、どうせやるからには少しでも良い点数を取りたいと思うのが心情ではないでしょうか?

この記事では音楽をどのように活用すれば効率的に勉強ができるのかということをご紹介させて頂きます。皆様もご経験があるかもしれませんが音楽を聞きながら勉強を行うという行為、実は勉強の効率を驚くほど下げてしまいます。この記事でよりよい音楽の活用方法を知って頂ければ幸いです。

 

1. 喫茶店での仕事・勉強は集中できる?雑音と集中力の関係

カフェ

カフェでの仕事や勉強が捗るという人と、雑音が気になって集中できないという人がいるかと思います。この章では、雑音の有無が勉強や仕事の集中力に影響を及ぼすのかを記載します。

 

1-1. 静かな場所or騒がしい場所、勉強場所として最適なのは?

話し声程度の雑音がする場所と、雑音の無い静かな場所で単語を暗記した場合にどちらの方が効率よく暗記ができるかという検証実験が行われました。結果は静かな場所が暗記には適しているというデータとなりましたが、これは周囲の雑音が集中を乱すことが大きな要因であるとのことです。

一方で、雑音が集中力を高めたという検証結果データも存在します。ストックホルム大学のRobert “Patrick” Söderlund氏が行った研究では、集中力が乏しい学生に「ホワイトノイズ」という雑音を聞かせると学習効果が上がったというデータが出ております。しかし、これは雑音がホワイトノイズだった場合の検証結果ですので、喫茶店等で聞こえる人の声や騒音とは異なります。

編集部が調べた所、現段階の研究ではホワイトノイズの効果は認められてはいるものの、その他の雑音が集中力に良い結果をもたらすというデータはありません。やはり集中するには静かな場所が良いようです。

※ホワイトノイズを分かりやすく例えると、深夜のTV等で観られる砂嵐の音です。

引用:Youtube 【集中脳波】 集中できるホワイトノイズ 2時間 【勉強用】 Noise 2 Hours  

 

1-2. 人の声は集中力を散漫にさせる

話す

また、別の実験においてヘッドフォンでニュース放送を聞かせながら漢字の暗記をする実験結果において、ニュース放送を聞いている場合の方が暗記テストの点数が下がったという実験結果が出ています。これは言語情報に意識が傾き、集中力を乱したことの結果であると言えます。言語情報という観点を捉えると、音声が入った音楽も集中力を妨げる要因になると言えるのではないでしょうか。

ホワイトノイズ以外の雑音は集中力を乱すということから、喫茶店等の騒がしい場所では勉強の効率が下がる可能性が高いです。また、言語情報も集中力を妨げる要因となることは言えるので、歌を聞きながら勉強する習慣のある人は、音楽を聞くことを止めた方が良いです。

この章で取り上げた音は「言語」と「雑音」でしたが、次の章ではBGM等の音の効果に関して記載をします。

 

2. 音楽は知的作業に悪影響を及ぼす

悪影響

雑音や言語情報は集中力を奪うことを1章で記載させて頂きました。では、クラシック等の音楽なら良いのか?と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。結論を先に述べますが、音を聞きながら知的作業を行っても良い効果は得られません。この章では色々な論文から導き出されている実験結果をご紹介させて頂きます。

 

2-1. 音楽別の認知テストによる検証

悪影響の大きい順番

音楽の種類

1

テンポが速い曲

2

テンポがゆっくりの曲

3

環境音

4

無音

引用:バックグラウンドミュージック効果とノイズに関する論文  
GIANNA CASSIDY AND RAYMOND A.R. MACDONALD(著)

上記筆者の論文によると、4種類に音楽を分類し、被験者にその音楽を聞かせながら認知テスト(言葉の即時記銘、計算、数字の逆唱、言葉の遅延再生等)を行った結果、上記の表に記載された順で点数が悪いという数値がでました。

音楽のテンポが速い曲ほど、脳に掛かる負担が増えるため、そちらに意識を取られやすくなるという傾向があるようです。

また、環境音(川のせせらぎ、鳥のさえずり等の自然にある音)と無音を比較すると無音の方が認知テストの点数が良かった結果から、音ができるだけ無い空間の方が集中することがテスト結果より検証されています。

 

2-2. 自分の好きな音楽なら結果は変わるのか?

好き

NICK PERHAM and JOANNE VIZARDの論文において、音楽の種類を「自分が好きな音楽」、「自分が嫌いな音楽」、「無音」として、それぞれのグループごとに振り分けた認知テストを行っております。

結果は「無音」のグループが最も点数が高いという結果が出ております。自分が好きな音楽であろうと嫌いな音楽であろうと、音楽を聞くということは考えるということを阻害し、集中力を欠くことに繋がることが実験により証明されています。

 

2-3. 人の脳は音楽の負荷を処理できない!?「無関連音効果」

脳

無関連音効果とは、作業に関係の無い音があることで静かな環境の時よりも作業効率が悪化するという現象です。無関連音効果は同時に2つの情報を処理しようとするために起こるのですが、「暗記等のタスク」と「音」の2つの情報を処理することが難しいことから効率の悪化を招きます。分かりやすい例ですと、音楽を聞きながら読書をすると歌詞と本の文章がぶつかり合ってしまうので思うように頭に読んでいる本の内容が入ってこないといった経験がある方は多いと思います。

 

3. 勉強・仕事に音楽を効果的に取り入れる方法

音楽

これまで、勉強や仕事に集中して取り組むためには、できるだけ雑音が無い環境が良いというご紹介をさせて頂きました。一方で音楽には単純作業を行う場合に効果があるという一面もあります。この章では、どのようにすれば音楽を勉強や仕事に効率的に活かせるのかということをご紹介させて頂きます。

 

3-1. 単調な作業を行う場合、音楽は効果UPに繋がる。

 

過去150件以上の音楽と作業効率に関する研究からの共通ポイント

1. BGMは読解力を低下させる。

2. BGMは記憶力を低下させる。

3. BGMは運動能力を向上させる。

4. テンポの速い音楽は、手元の作業スピードを向上させる。

5. BGMは気分を高め、単純作業に役立つ。

引用:Is it good to listen to music at work?

上記の表にある12に関しては、1章~2章で記載をしてきました。35に関しては、皆さんも日常の経験の中で思い当たる節はあるのではないでしょうか?

音楽と作業効率に関しての研究は150件以上も行われており、研究内容・結果に関しては意見の割れることもあるようです。そのような状況下において、上記の5項目は共通ポイントとして、各研究結果から導き出されているものなので信憑性は高いと思われます。

単純作業をする際には、テンポが速い曲を聞きながら行うことをお勧めします。

 

3-2. 編集部お勧めの音楽活用方法

 

音楽が人間のホルモンに与える影響

名称

効果

コルチコイド

ストレス時に分泌されるホルモン。音楽で反応が抑制される。

プロラクチン

ストレス時に分泌されるホルモン。音楽で反応が抑制される。

エンドルフィン

痛みの調節や気分、精神の緊張を解く作用を持つホルモン。音楽でエンドルフィンが増加する。

引用:「音楽の謀略」 福井 一(著)

上記の参考文献によると、多種の研究結果から音楽を聞くことで、ストレスに関係したホルモン類が抑制されるという事実が紹介されています。ですので、音楽にはストレスを軽減させる働きがあること、鎮痛や興奮作用のあるエンドルフィンも増加することから音楽を聞くと気持ちが高揚するということが言えます。皆さんも、疲れた時やストレスを感じた時に音楽を聞いたご経験があるかと思います。人間は進化の過程の中で、経験的かつ無意識に音楽を利用してきました。

ご紹介させて頂きました音楽とホルモンの関係性を捉えた形で、編集部がお勧めする勉強・仕事への取組み方法は次のような形です。 

①勉強・仕事を始める前に自分の好きな音楽を聞く。

②無音状態で勉強・仕事に取り組む。(目安は6090分)

③音楽を聞きながら休憩する。(目安は15分程度)

以下、②~③の繰り返し 

勉強・仕事開始前に気分を高揚させて、作業中はしっかり集中を行い、休憩時に再度音楽で気分を高揚させるという方法が最も良い音楽の活用方法であると編集部は考えます。是非、一度お試しください!

※勉強・仕事に取り組む時間を6090分としたのは、人間が集中できる時間の平均値です。同様に休憩時間の15分は集中力を回復させるために大体必要な時間です。
引用:人間の集中力の限界
引用:集中力の回復に必要な休憩時間とは?

 

4. まとめ

勉強・仕事の作業効率を上げるには、音楽を聞きながら行うよりも開始前・休憩時間に音楽を聞く方が良いです。喫茶店で勉強や仕事をすると捗るという人もいらっしゃるかもしれませんが、より効果を得る為に集中することができる静かな場所を選んでみてはいかがでしょうか。

 

「参考文献」

1-1,1-2 「暗記学習効率に音環境が与える影響に関する研究」 小熊淳, 古賀誉章, 佐野奈緒子, 辻村壮平, & 秋田剛(著)

1-3 「無意味及び有意味騒音が知的作業時の妨害感に及ぼす影響」 辻村壮平(著)

2-1 「バックグラウンドミュージック効果とノイズに関する論文」  GIANNA CASSIDY AND RAYMOND A.R. MACDONALD(著)

2-2 「Can preference for background music mediate the irrelevant sound effect?」 NICK PERHAM and JOANNE VIZARD(著)

2-3 「有意味な言語音は認知活動を最も妨害する聴覚刺激なのか?」 宮原道子(著) 

3-2 「音楽の謀略」 福井 一(著)

自宅で24時間演奏できる理想の練習環境「楽器可賃貸サウンドプルーフ®」の資料請求

資料に掲載されている東京23区内の防音賃貸マンションなら、以下の3つの願望を実現することができます。

大音量で思いっきり演奏できるので上達が早くなります。

・自宅が防音室だから好きな時に好きなだけ練習できます。

・信頼できる防音性能だから安心して仲間とアンサンブルができます。

第三者機関による遮音性能試験測定値を公表している信頼の防音賃貸マンションで、理想の練習環境を手に入れませんか?