スケートリンクに投げ込む花やぬいぐるみはなぜラッピングしないといけない? 日本スケート連盟にマナー聞いた
花びらや繊維が脱落してしまうと試合続行の妨げになってしまう可能性も。
アイススケートリンクに投げ込まれるお花やぬいぐるみ――オリンピックや国際大会の試合でよく見かける光景ですよね。しかしこの“投げ込み”について「ラッピングしていないものを投げ入れてはいけないのでは?」との声があがっています。日本スケート連盟に鑑賞マナーについて聞きました。
近年人気が高まっているフィギュアスケート。平昌オリンピックでも各国の選手たちの演技が世界中に感動を与えました。そんな選手たちの活躍とともに話題になるのがリンクに投げ込まれた数々のプレゼントです。2大会連続金メダルの快挙を成し遂げた羽生結弦選手の演技後には、これでもかというほどの量の「くまのプーさん」のぬいぐるみが投げ入れられ、大きくとりあげられました。
また過去にはお花、ぬいぐるみといった定番に加えて、カードゲームが趣味だという田中刑事選手に人気ゲーム「遊☆戯☆王」のカードボックスが贈られたということもあります。
こうしたプレゼントをよく見てみると、その多くに透明のビニールカバーが付けられているのが分かります。通称“ラッピング”と呼ばれるこのカバーは何の目的で取り付けられているのか、また“投げ込み”にはどんなマナーがあるのか、日本スケート連盟に聞いてみました。
日本スケート連盟に聞いた“投げ込み”のマナー
――スケートリンクに投げ込まれるものにはラッピングがされているものと、されていないものがあるようですが。
担当者:例えばお花の場合、花びらやオアシス(給水スポンジ)がリンクに落ちてしまうと、試合続行の妨げとなってしまいますので、脱落しないような形での投げ込みをお願いしています。ラッピングはそうしたことを防ぐための方法の一つです。
――皆さん、自分でラッピングを行っているのでしょうか。
担当者:さまざまです。国内のリンクでは、既にラッピングが施されたお花を現地で取り扱っている生花店もあります。手持ちでお花を持ってこられたお客さんがこうしたお店で事前に「ラッピングが十分か」を確認してもらうといったことも多いようです。
――ぬいぐるみの場合はいかがでしょうか。
担当者:ぬいぐるみも繊維や部品が脱落してしまうことにより、試合続行に遅れなどの支障が出る可能性があるので、基本的にはビニールで覆うなどしていただきたいです。
――会場によっては「1階席しか投げ込みが認められない」というような場所もあるようですね。
担当者:国内の試合会場では、上階のお客さんが投げ込んだものが下の階のお客さんに当たってケガをしてしまうというようなケースを防ぐ目的で、投げ込み許可の席と投げ込み不可の席を設けているところがあります。投げ込み不可の席の方には「プレゼント預かり所」をご利用いただければと思います。
――これは投げ込めませんというものはありますか。
担当者:普段から衛生上・安全上の問題でお断りしているのですが、飲食物はご遠慮いただいています。
――投げ込まれたお花やぬいぐるみはどうなるのでしょうか。
担当者:選手によってさまざまです。持ち帰る人もいますし、現地のフラワーガールやフラワーボーイなどのスタッフにプレゼントする人もいます。
担当者は「こうした回答はあくまでも一般論」としつつ、国内で大きな大会などが開かられる際には、日本スケート連盟の公式サイトに「投げ込みについてのお願い」といった注意喚起を掲載しているので、役立ててほしいとのことでした。
選手の素晴らしい演技をたたえるためのプレゼントが原因で試合がストップしてしまっては元も子もありません。もしプレゼントを投げ入れる機会がある場合には、事前にきちんとマナーを調べた上で準備すると良さそうです。
(Kikka)
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