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「資産バリュー株」で守り、大型株の短期売買で稼ぐ 腕利き投資家の18年投資戦略(上)

日経マネー

2018/2/19

写真はイメージ=PIXTA
日経マネー

 ようやく落ち着きそうな気配が見えてきたものの、まだ不安定で予断を許さない株式市場。しかし日経マネーが取材した腕利き投資家の中には、昨年暮れから今回の調整を予想し、下落時の対応を考えていた人もいた。彼の2018年の株式投資における攻め技、守り技について聞いてみよう。

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 「今の相場のクライマックスはまだ先だろう。18年の前半は押し目はあっても大きく崩れるとはみていない」

 17年11月末。喫茶店に姿を現した男はこう切り出した。仕事の傍ら、株式を中心に投資で築いた資産は約10億円。株水兵というハンドルネームを使って、ブログやツイッターで自身の投資手法や個別銘柄の考察などを発信してきた。

 「株式投資を始めた頃から1~2年単位で投資法をころころと変えてきた」。一時はバリュー(割安)株投資が主体だったが、「割安さばかりを追求していると、株価が高くなったら、それが心地悪くて売ってしまう。それで大幅な上昇による利益を取り損ねて、歯がゆい思いをすることが多かった」。

 そこでグロース(成長)株投資や、景気に業績や株価が左右されやすいシクリカル(循環)銘柄への投資などに手を広げてきた。17年は、バリュー株投資、中小型のグロース株投資、カタリスト(材料)株投資、大型株のスイングトレードなど複数の投資法を組み合わせて実践したという。

■強気でも守りを怠らない

 類いまれなオールラウンダーだけに、相場の先行きに対して強気でも、攻撃一辺倒にはならない。下げ相場に転じる可能性も頭の片隅に置き、しっかりと防御も固める。長期保有を前提として購入したグロース銘柄は持ち続けながら、別の2つの異なる投資法を手掛ける方針だ。

 一つは、流動性が高く、「売りたい時に買い手が付いてすぐに売れる」大型株の短期売買。上げ相場を追い風にこの投資で売却益を積み重ねていく作戦だ。

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