アイスホッケー女子は18日、5位から8位を決めるための順位決定予備戦が行われました。
日本代表「スマイルジャパン」は、予選リーグでは敗れた世界ランキング5位の強豪・スウェーデンに延長戦の末、2対1で競り勝ち、20日に行われる5位・6位決定戦に進みました。
決勝点となった床亜矢可選手(とこ・あやか)のロングシュートは妹の秦留可選手(はるか)とともに取り組んできた筋力トレーニングから生まれたものでした。
床選手 初の姉妹での五輪
床亜矢可選手は、北海道出身の23歳。スピード力を武器に相手の攻撃の芽を摘むディフェンダーです。
元日本代表選手の父親の影響で妹の秦留可選手と幼少から競技を始めました。
今回が2回目のオリンピック出場。姉妹がそろって出場するのは初めてです。
5戦全敗となった前回のソチ大会での自身のプレーを「ディフェンスだから守り守りと頭でっかちになっていた」と悔やんでいました。
ソチ大会の後「チームの課題である『得点力不足』を補いたい」と得意のスティックさばきを生かして攻撃力の強化を目指してきました。
ディフェンスのポジションからゴールを狙うには最大で17メートル近いシュートを打つ必要もあり、毎月の代表合宿では全体練習の後に居残りしてロングシュートの個人練習を重ねました。
さらに力を入れたのが上半身の筋力強化です。
力の強い外国勢を相手に氷の上で最大限の力を出すために、妹の床秦留可選手とともに、握力や大胸筋の力などを強化するトレーニングに取り組み姉妹で競い合うように毎月、数値を更新するなど「これまでにないほどに戦う準備をしてきた」と今大会に臨んでいました。
姉妹の努力が実った決勝点
18日の試合、1対1の同点で迎えた延長戦。
床亜矢可選手は、キャプテンの大澤ちほ選手のゴール裏からのパスをフリーで受けると、鍛え上げた上半身で力強くロングシュートを決めました。
今大会初得点が決勝点となり、チームも予選リーグで敗れたスウェーデンに雪辱を果たしました。
試合後、妹の床秦留可選手も「姉が決めて本当にすごくうれしかった」と笑顔で話し、姉の床亜矢可選手は「家族などの応援の後押しで最後は決めることが出来た」と 涙を見せながら笑顔で話していました。
予選リーグ最終戦でオリンピック初勝利をあげた「スマイルジャパン」。
20日は、5位・6位決定戦で、やはり予選リーグでは敗れた世界ランキング6位のスイスと対戦します。
西村佑佳子記者
ピョンチャン五輪現地取材班
アイスホッケー担当