オックスファム、ハイチ不祥事の報告書を公表 疑惑職員が証言者を「脅迫」
国際NGOオックスファムは18日、ハイチ被災地支援での性的不品行の疑いがかけられている3人の男性職員が、2011年の調査の際に証言者を身体的に脅していたと明らかにした。
オックスファムは同日、一部の職員による加害行為疑惑に関する2011年の内部調査の報告書を一部編集したものを公表した。
2011年の報告書は、オックスファムは「問題のある職員」が他の慈善団体に雇われることを防ぐために、「さらなる対応が必要」だとしている。
この警告にも関わらず、加害行為にかかわったとされる数人の男性はその後、他の慈善団体で働き始めた。
オックスファムでは、90カ国以上で1万人近くの職員が働いている。一部編集された報告書を公表したオックスファムは、下した決定について「可能な限り透明性を保ちたい」としている。
11ページに及ぶ文書の一部は、目撃者を脅したことを非難されている3人を含め、身元を隠すために黒く塗りつぶされている。
オックスファムは未編集の原本を19日にハイチ政府へ提出し、「過ち」を謝罪する。
オックスファムは職員の買春疑惑の捜査への対応で、国際的な批判の高まりに直面している。
「いじめと脅し」
2011年に7人のオックスファム職員がハイチにおける素行の結果として同団体を離職したと、報告書は述べている。
1人の職員は解雇され、3人はオックスファムの住宅内で買春をしたとして辞職した。未成年の買春があった可能性もある。
さらに2人がいじめと脅迫行為で解雇された。この内1人はポルノ映像のダウンロードも行っており、もう1人は職員を守れなかったとして解雇された。
報告書によると、ハイチでの活動の責任者だったローラン・ファン・ハウベルメイレン氏はオックスファムの調査チームに対し、現地で借りた住宅で「買春を認めた」という。
ファン・ハウベルメイレン氏は先週、売春婦に金を払ったことを否定していた。
報告書ではさらに、同氏が調査に全面的に協力したことから「段階的で尊厳が保たれた方法での退職」が用意され、辞任できたとしている。
目撃者を脅迫した疑いのある人物の一人かどうかは分かっていない。
報告書の中の「教訓」と題が付けられた部分では、不祥事を起こした職員がほかで地位を得るのを阻止するために、より厳しい対策が必要だと指摘している。
「問題行動のある職員についてほかの地域や支部、機関と情報を共有し、実績が劣っていたり問題があったりする職員の『再利用』を避けられるよう、よりよい仕組みが必要だ」
再び高い地位に
警告があったにも関わらず、不祥事に関わったとされる職員の何人かはその後、オックスファムを含むほかの慈善団体で働いた。
ファン・ハウベルメイレン氏は結局、子供の飢餓や栄養失調などの問題に取り組む仏非営利団体「アクション・アゲンスト・ハンガー」のバングラデシュでの責任者という、高い地位に再び就くことになった。
「アクション・アゲンスト・ハンガー」はファン・ハウベルメイレン氏に対し、複数回にわたる審査を行ったが、同氏の不適切で非倫理的な態度についてオックスファムからの情報提供はなかったとしている。
(英語記事 Oxfam Haiti scandal: Suspects 'physically threatened' witnesses)