もともと対人コミュニケーション能力が高くないしあがり症だからそこらへんが改善できたらいいかもしれないと思ってこの仕事を始めてみた。しかし実際大きく問題になったのは違う点だった。
簡潔にいうと客という存在をあまりに意識しすぎてパニックになりやすかった。釣り銭や商品で発生する様々なトラブル、レジ袋や割り箸に関する指定、その全てにおいて指定されたことを済ませるまたはトラブルを解決するまでの間、強烈に「客を待たせてはいけない」という意識が頭を占領する。そのため頭が真っ白になってしまう。やらなければならない動作手順のうち半分思い出せればいい方だ。いくらマニュアルを覚えていても、1年半働いていてもこれだ。
もう職場には増田さんはポンコツとして覚えられてしまった。それでもここを辞めても次で同じことをきっとやらかすのだろうなと思って辞めろと言われるまではやめないつもりだ。
でもこの後、就職したらこのままでは厳しい。この先まだまだある人生を、パニックと上手に付き合って生きていきたい。
大人の増田さんたちはこういう仕事でのパニック、どうしてるのだろうかと思って、吐き出した。