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LINE田端信太郎さんの転職論を聞いて仕事を辞めることにした話

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田端信太郎さんが、6年間勤めたLINEを退社するという話題が、Web上で話題になっている。


田端さんは、言うまでもなく、日本で最も有名なサラリーマンの1人。

彼のことを知らない人がこの記事を読んでいるとは考えにくいけれど、一応簡単に経歴をまとめたいと思う。

田端信太郎の経歴

  • 1975年 石川県生まれ
  • 慶応義塾大学経済学部経済学部卒業
  • 1999年 株式会社NTTデータ入社

NTTデータ勤務時代の上司の『大谷鬼十則』も有名だ。
以前Twitterで紹介されていた時は、僕も「なるほど」と思い、十則が書かれた画像をまだスマホに保存してある。

 

  • 2001年リクルート入社。『R25』を立ち上げ、広告営業の責任者も務める
  • 2005年Livedoor入社。ライブドア事件後も会社に残り、『BLOGOS』等のメディアを立ち上げる
  • 2010年コンテンツ・デジタル社入社。『VOGUE』等のWEBサイトやデジタルマガジンのマネタイズに関わる
  • 2012年NHN株式会社 上級執行役員就任。『LINE』『NAVERまとめ』『livedoorニュース』等のメディアのマネタイズを担当
  • 現在はLINE株式会社上級執行役員。コーポレートビジネス担当

田端さんが働いた会社名を知らない人などほとんどいないだろうし、彼が立ち上げたり、関わったサービス名をもし知らない人がいたら、相当情報感度が鈍い人だろう。

田端信太郎さんはWEB草創期から様々なメディアを立ち上げ、マネタイズへと導いてきた人で『メディア野郎』だ。

また、Twitterではよく炎上することでも有名だし、そのヘアスタイルから「働いたら負けかなと思っている」のニート青年と同一人物だと噂されたり、タカトシのタカではないかと囁かれたりすることもある。それに、Perfume(特にのっちが好き)という可愛らしい一面ももつ(ここは僕との共通点)。

要は田端信太郎という人物は、人一倍周囲をイジるが、周囲からイジられもする愛されキャラなのだ(会ったことないけど)。

 

かくいう僕も彼のツイートを毎日楽しみにしている1人だ。

可燃性の高いネタを投下し、まんまと食いついてきた庶民を駆逐していく。

そのある種ジャイアン的なプレイスタイルをいつも楽しませてもらっている。

WEBの世界がどういうものかという本質を理解し、それを巧みに利用しながら自分の存在価値を高めていくのが本当に上手な方だ。

 

さて、その田端さんがLINEを辞めて転職されるという。

そのニュースが界隈を賑わせている時にふと目にしたこの『電子雑誌の未来』の動画。

この中で語られている田端さんの転職論というか、社会や会社の中での自分の価値の見出し方についての話がとても面白かったので、文字起こしをしてみた。

田端信太郎の転職論

動画の中で田端さんはだいたいこんなことを言っている。

※内容は彼の言葉の完コピではなく、一部文章にした時にわかりやすいように修正しているので、その点はご了承いただきたい(この動画ではTwitterでは無双状態の田端さんがとても謙遜されて話をしているので、そのニュアンスはしっかりと残してみた(笑))。

僕はサラリーマンですけど、究極的には所属というか、貢献(が大切)。
所属というより、貢献ということが組織と個人の関係で考えたほうがいいのではないか。

所属している人全てが貢献しているわけではない。
実は所属していないけど貢献している人もいっぱいいる。
本質的に意味があるのは、所属しているかどうかよりも貢献してくれるかどうか
ロイヤリティとか忠誠心とか長期的にコミットすることも大事だし、無視するわけではないけど、所属しているかどうかが全てではない。
所属するということは長期的に貢献し続けるということの手段の1つでしかない。
究極的にはどこで働くかというのは、(おこがましい言い方だけど)自分の時間を投資するということ

株みたいなものだと思っていて、自分が時間をそこに投資することで、どれだけ値上がりするかとか、どのくらいインパクトがあるかということを考える。
自分がそこにいることが、必ずしも嫌なことではなく快適なことでも、周りから見てもいい人だよねということでも、株価で言うと高値安定している優良株みたいなものでわざわざ買ってずっと持っておいてもあまり意味がない。
自分がある場からある場に変わることで、自分自身の成長もそうだし、そこの場への貢献も含めて限られた時間の中で、(こんなことをパブリックに語るのも本当におこがましいけど)どれだけ世の中にインパクトを与えられるのかというグラフの傾きというか変化度が最大になるように考えた方がいい
終身雇用も悪くないし、長く勤めることが悪いわけではないけど、10年とか勤めている時の追加の10年目から11年目よりも、やっぱり新しい1年目の方が会社にとっても自分にとってもよりインパクトがあったりする。

この田端さんの転職論が僕にはとても刺さった。

彼の論点をまとめつつ、なぜ僕に刺さったのかを次に書いてみたいと思う。

田端信太郎の転職論が僕に刺さったわけ

田端さんの転職論をまとめるとだいたいこんな感じだ。

  • 組織と個人の関係は、所属しているかどうかということよりも貢献しているかどうか
  • 自分が企業に時間を投資することで、その企業の成長度(変化度)が最大になるかどうか

今まで転職や新規事業の立ち上げを繰り返したり、SNSでの炎上を通して自分の市場価値を高めてきた田端さんらしい考えだと思う。

そして、仕事というものを考える時に『貢献』が大切だという考えは実に本質的だと思う(田端さんの発言は、時にシンプルに本質をつきすぎていて炎上してしまうところがある)。

 

あと数年で40歳になる僕は、今まさにこれからの社会人生活を今の会社で過ごすか、転職にチャレンジするかどうかということで悩んでいた。

今の会社で10年ちょっと過ごしてきて、それなりに役職も上がってきた。

収入面でもある程度は納得のいく評価を受けている。

でも、ここ最近僕の中には「このままでいいのだろうか」という気持ちがずっと浮き沈みしていた。

ありがたいことに、今でも社内ではそれなりに重宝されているので、会社が潰れたりしない限り、このままある程度の評価を受け続けることもできるし、高い水準の給与と生活は維持できると思う。

でも、その一方で「このままでいいのだろうか」という気持ちがずっと消えなかった。

簡単に言えば、仕事がつまらなくなってきていたのだ。

僕は今まで会社が大きくなるための根幹作りを任されてきていた。

社内の基幹システム開発と導入のPMに始まり、営業スキームの構築、人事評価制度の整備、採用企画や広告戦略の立案など、刺激的な仕事をたくさん任されてきた。

会社を大きくするために、新しいこともたくさんしたし、今まで誰かがなんとなくやってきた仕事を明文化したり、仕組み化してきた。

がむしゃらにそれらの仕事と格闘してきた。

でも、そのがむしゃらに頑張ってきた頃と比べて、僕は最近自分の成長度合いが鈍っているのを感じていた。実際新しいことにチャレンジする機会も減っていた。

それなりに会社に貢献はしてきたし、現在進行形で貢献しているとは思うけれど、今後会社にも自分にも今まで以上に大きなインパクトを与えるような成長が見込めるかというと、それはノーだ。

田端さんの言葉を借りれば、今のままでは、あまり大きなグラフの変化度が期待できないんじゃないかと考えるようになっていた。

変わりつつある会社のビジョンが自分がやりたいことと徐々にずれてきていたということもあるけれど、最近はいまいち気持ちが乗らないまま、惰性で仕事をしていたようなところもあった。

 

それでも、すぐに転職に踏み切れなかったのは、家族のこととか収入のこととか、勤務地のこととか、いろんな身の回りの理由があったのだけれど、田端さんの「仕事は自分が周囲に与えるインパクトで考えるべき」という考えを聞いて、僕はなんだかスッキリしてしまった。

 

そして、僕は転職を決意した。

年齢的に考えても、これが最後の転職になるかもしれないけれど、自分が最大限に貢献できる場をもう一度ゼロベースで見つめ直してみようと思う。

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