001 最新話からの考察 102話① ロープ兵の正体

written: 19th Feb 2018
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みなさんこんにちは。
最初の記事ということで、まずは最新話における展開の考察から始めようと思います。

まずは現在の最新話である102話(別冊少年マガジン2018年3月号)までお読みの上でご覧ください。


物語は現在、エレンの奇襲からパラディ島(以下、壁内)とマーレとの間で戦争がはじまりましたが、目下読者として気になるところは壁内勢の作戦目的ではないでしょうか。
さまざまな勢力の思惑が絡み合い、非常に謎が多い展開となっている現状ですが、
考察していきたいと思います。

まずは作品中の事実を整理・確認しながら、各陣営の目的、思惑を探っていきたいと思います。

第1回は壁内、マーレはいったん置いておいて、いまだおぼろげにしか見えてこない第3勢力たちの一つ、通称「ロープ兵」の正体に迫ってみたいと思います。

ネタばれ注意です。よろしくお願いします。

 

[ロープ兵]

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99話と100話で登場し、ピークちゃん(以下、ピーク)とポルコを罠にかけたこの兵士、彼がどの陣営に属するかでさまざまな意味合いが変わってきてしまいます。

今の展開でのキーマンの1人と言ってよいかもしれません。

現在ネット上でさまざまな予想がされるも決定打が出ていない状況を見て、作者サイドもほくそ笑んでいそうです。
かなり巧妙な伏線とミスリードが張られているように思います。
私はこの答えのない問題に対し、一つの解答を導き出しました。
ある人物像を仮定してみると、すべての伏線ときれいに合致します。
もちろん推察でしかありませんので100%正解だとは申し上げませんが、だいたい合っていると確信しています。


物語中で明かされた時の驚きを大事にされる方は、ここで読むのをおやめになることをお勧めします。

知る覚悟ができている方は・・・どうぞお付き合いください。

 

 

では、

まずは作品中で分かっている事実関係をまとめます。
① マーレの兵服を着用しており、マガトの戦士招集命令に応じて戦士を呼びに行った
② 行動として、ジークだけ正門に誘導、その後ピークとポルコを落とし穴へ。そして全員放置。ライナーがいないことは全く気にしていなかった。
③ ピークは彼と会ったことがある気がしている。アゴヒゲが気になる。でも思い出せない。
④ 特徴として細身で身長がかなり高い男性。ポルコより頭ひとつ分くらい高く、「ノッポ」と表現されている。もみあげからつながるアゴヒゲ。髪は金髪と思われ、えりあしは短い。最初のコマのみですが、ヘルメットをかぶると前髪が目にかかるくらいある?


まず①の、マガトの命令により動いた、という点はしっかり抑えておいてください。
すなわちマガトが指示を出すまで、彼はマーレ軍の部隊内に他の兵士達と一緒にいた、
言い換えれば決してどこかに隠れて待機していたわけではない、ということです。
(まあ途中でスパイ映画ばりに入れ替わったという妄想もできなくはありませんが)

その後マガトは戦士たちが行方不明という報告を受けた時に驚き、(敵の作戦行動が)始まったか…と独り言をいいます。
独り言ですので、驚いたことが演技である可能性はなくなりました。
ということは、少なくともマガトの手のものではないということになります。
②のライナーの件を合わせて考えると、この時点でエレン側の人物である可能性が高くなりました。


それでは、③と④の特徴から考察をするために、まずはピークと会ったことがある人物を絞り込んでいきましょう。

ロープ兵をエレン側の人物と仮定すると、ピークが彼を見たのはシガンシナ戦中と思われます。
ぜひピークに注目して読み返してみてください。ピークの登場シーンは18巻74話から21巻83話までの間です。

ピークの行動を追ってみると・・・
シガンシナ北方を哨戒し(山あいを夜間行軍する)調査兵団を早期発見。括弧内はエルヴィンの推察より。
→獣や無垢巨人と一緒にウォールマリア内側に登場
→球となる岩石を拾い集めて完全試合をサポート
→ジークにマウントをとっているリヴァイを背後から急襲、ジークを救出し東側の巨人の群れに沿って離脱、ウォールマリア方向へ
→ウォールマリアを越えてエレンの近くに着地、エレンと対峙。リヴァイが追ってきた為、ベルトルさんをあきらめ離脱
→ハンジの背後から急襲、ライナーをくわえハンジと対峙。離脱してシガンシナ外壁上へ

ピークが接近した調査兵団の面々は以下の通りです。
時系列順に、リヴァイ、エレン、黒焦げアルミン、ハンジ、ジャン。コニーも一応可能性はありますね。

夜の偵察時に見た説がありますが、敵が光を灯して行軍して来るのを確認できたのに
わざわざ危険を冒して近づく意味はないため無視して良いと思います。

リヴァイ、ハンジ、ジャンはロープ兵の特徴とかけはなれているので除外、
アルミンも焦げていたので除外します。

そうなるとコニーなんですけど、顔の雰囲気、髪の色、髪のえりあし部分は問題なさそうです。前髪はないからヅラでしょうか。
アゴヒゲはありませんが、付け髭でしょうか。その場合、ピークが怪しんだのも付け髭を見抜いたから、とも読めなくはありません。
身長は確かに伸びてスラッとした体格に成長していますが、今のところ他の人との比較もしづらく何とも言えません。
ピークが屋根の上にいたコニーを見たかも不明瞭です。少なくともそういう描写はありませんでした。
かなり無理やりな感じではありますが、変装バリバリという条件付きなら一応可能性は無くはないかもしれません。

余談ですがあと一人の生き残りマン、フロックですが、えりあし以外はけっこう特徴と一致しています。
ただ、ピークが彼の顔を覚えているためには、超望遠の視力が必要になります。
もしそんな超設定がいまさら出てくるなら、もはやあの戦場にいた人は誰でもOKになりますね。

 

 

 

それでは結論にいきたいと思います。
心の準備はよろしいですか?
今ならまだ知らないでいることを選択することもできます。

 

 

 

 

では、

シガンシナ戦を注意深く読み返していただいた方はお気付きになったかと思いますが、
あの時ピークがちゃんと「顔を見た描写」がされている人物はエレンとハンジのみなのです。

 


ので、ピークが見覚えがあると言ったのはエレンのことです。

 


はぁ?と思われた方も、もう少しお付き合いください。
もちろん、エレンはあの時ライナーと地下にいましたので、物理的に不可能ですね。

 


ところで、こちらの比較画像をご覧ください。

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左がロープ兵(99話)、真ん中と右はエレン達が海へ行く途中の1コマ(22巻90話)です。
少し角度が異なりますが、瞳の虹彩以外は、顔の輪郭、目の形、鼻、口などかなり近似して描かれているように思います。

 

さてもう一つ比較画像を

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そうです。エレン(18巻71話)とクルーガー(22巻88話)の幼少期です。
めちゃくちゃ似ていますね。


ちょっと話が別件の考察にそれますが、おそらくクルーガーとエレンは近縁である可能性があります。
進撃の継承者だからという考えもできますが、同じ継承者であるグリシャは全然似てないんですね。作中ではジークにもそのことを発言させてます。
そしてエレンはご存知の通り、母親似です。すなわち、カルラの出自に謎ができた形になりました。

話を戻します。
もう言うまでも無いとは思いますが、クルーガーに家族がいればエレンと似ていてもおかしくないと考えられます。
歳を考えればクルーガーの孫、あるいはもし親族に生き残りがいたなら又甥などでもいいでしょう。


ではロープ兵を仮にクルーガーの孫(以下、孫)とした場合、どうなるかというと・・

・エレンの手紙の相手
宛先問題が解決します。孫宛(~~・クルーガー様)になっていれば、ファルコが疑問を差し挟む余地はなく、
さらにエレンが言っていた「家族宛ての手紙じゃなかったが・・・仲間には届いた」というセリフとも合致します。
もっと言えば、エレンがマーレに潜伏する際にクルーガーを名乗った理由にもなります。
ただ潜伏するだけなら、他の適当な名前か、覚えてない設定でもよかったわけですから。
(蛇足かもしれませんが、マーレの戸籍上でもエレン・クルーガーという名の人物は過去に実際に存在した”マーレ人”であり復権派を島流しにした時に行方不明となったマーレ兵士の一人であるはずです)

・孫は、爺クルーガーが持っていたマーレ国内の復権派ネットワークとの繋がりをもてる
当然、爺クルーガーはこちらの「継承」もしていたことでしょう。
孫はマーレ国内で生まれ、復権派医師の協力によって血液検査をパスし、マーレ人として兵士に志願することが可能、何の疑いを抱かれることもありません。
復権派に殺されたおじいさんの無念を晴らしたい」とか言えば、兵士を志願する理由付けまでできます。
やけにマーレ人とエルディア人の事情に精通したセリフ「エルディア人の無駄話に付き合う気はない」という上から目線の返しが咄嗟に出てくるのも、実際にマーレ人として生活しているからと考えられます。


そして立場上、会場の兵士の配置や、軍幹部を含めた観客の配置も知りえます。
あの壁内勢のスムースな初動は、彼からのリークによるものが大きいことが容易に想像できます。

・ヒゲの意味
ピークがヒゲについて言ってましたが、これはこのような解釈が可能です。

最初にジークだけ別所に誘導されたことで小さな疑念を抱きました。
そして兵士の顔はなにやら見覚えがある気がする。
ピークの記憶領域の深いところにはエレンの顔が残っていますが、
それは一度限りのほんの短い時間で、4年も前のことです。
さらに当時のエレンはヒゲをはやしてなかったため、
ピークの脳はその時の記憶と結びつけることができなかった。
私たちも違和感とは何かがあったり、何かがなかったりした時に感じやすいですよね。

 


さて、エレンが孫と繋がっている、ということは、エルディア復権派とつながっているということです。
そして彼らがあの連動した動きの中でジークだけを一人放り出した、ということは・・・もうおわかりですよね。

 

今回はここまでにしたいと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。