英語を語順のまま理解する


今回はTOEIC800点前後の学習者が900点以上のスコアを取得するための土台作りをします。

まず、TOEICを受験したことのある方にお聞きします。

過去に受けたTOEICで「読解問題が最後までたどり着かなかった」とか「リスニング音声が早すぎた」という感想をお持ちではないでしょうか?

900点に達していない方のほとんどがこの状態だと思います。

このトレーニングをする前の私のスコアは800点前半くらいでしたが、 いつも読解問題の残り10問くらいが塗り絵状態でした。

(調子が悪いときは15問くらい。。)

なぜか?

この根本的な原因は、英語を語順通り処理出来ていないところにあります。

つまり遅いのです。
読解問題において、英文を行ったり来たりしていては時間が倍以上かかります。

またリスニング問題においては、もっと致命的です。

一度しか音声が流れないので、覚えている単語から推測することで大意はなんとなく得ることができるものの、その精度は低く、問題に自分の予想した回答がなかったり、詳細を問う問題ではお手上げになることもしばしばではないかと思います。

 

shadowingで鍛える


そこで英語を語順通り理解する能力を養えるのが”shadowing(聞こえてくる音声をやや遅れて、できる限り正確に繰り返すこと)”というトレーニングです。

最近いくつかの参考書ではその重要性からすでに取り上げられており、実践したことがある方もいらっしゃるかもしれません。

(shadowingは完璧だという方は読み飛ばして頂いて結構。)

当初私自身、それまで学んだ英語の錆び落とし的に挑戦したのですが、自分のshadowing能力不足にがっくりしたのを記憶しております。

shadowingは、最初はただ流れてくる音を真似て発話するだけになるかもしれませんが、それで良いのです。

慣れてくると、自然と語の塊を意識し、聞こえてきた音声のセンテンスがその語順のまま頭の中にタイプされて並べられる様な感覚になり、その英文をそのまま読むことで英語が聞けるという状態になります。

(この辺りのメカニズムについては、私は専門家でもないので不正確な情報になるかもしれませんが、さらに上級になると、そのプロセスを意識しなくともナチュラルにそのまま理解するようになります。いわゆる英語脳とか英語回路とか言われるやつでしょうか。)

さて私がとりわけshadowingを勧める理由は、いつでもどこでもできて便利だからです。

わざわざテキストを開く必要がなく、学校や会社で英語学習の確保が難しい方であっても、携帯用音楽プレーヤーさえあれば、散歩中、運転中、また電車の中でも発話せず小さく唇だけ動かせば(マスクをするのも一案)、その効果は十分確認できるはずです。

shadowingは身軽で、学習が煩わしくならないのです。

また英語学習スタートの段階にこのshadowingができるようになることは非常に重要です。

今後全ての英語学習に適用出来る上、TOEICに限らずリスニングテスト中に集中力が切れそうになったときに効果を発揮するためです。

私自身、TOEICのリスニング問題の60問目や80問目くらいになると、そのパートの終わりまで遠いのと疲れとで、思考停止状態になることがよくありました。

これは非常にもったいなくて、その数問を落とすだけでなく、焦って次の問題も間違ってしまうという悪循環にはまり最悪です。

しかし、shadowingができるようになれば、集中力が切れてきたと感じ時に頭の中でshadowingを始めるのです。

これによって英文が頭の中に入ってきて、再び良い流れに乗ることができます。

 

shadowing力を鍛える問題集


次に記念すべき一冊目の問題集ですが、私のshadowingの能力を効率的に短期間で高めくれたのがこれです。

音読のslash readingから始まり、repeatingやoverlapping等のプロセスを踏み、shadowing力を向上させます。

さらに本書はTOEIC用の問題を使用しているため、TOEICの問題に慣れるという点においてもTOEIC900奪取のための良い問題集と言えます。

ただ英語の発話の経験が少ない学習者は最初この作業が億劫に感じるかもしれません。

しかし所謂純ジャパの方はまずこの壁を乗り越えなくてはならないのです。

帰国子女や長期留学者等の長い間英語浸けになった方でもない限り、この特訓なしに後の難関英語資格の取得は難しいと思います。

本物の英語力が進歩せず、スコアが頭打ちになるからです。

中には、TOEIC800点以上をすでにお持ちの方で、何度も試験を受験するうちに、そのコツや問題の形式に慣れ、最大瞬間風速によって900点を突破されることはあるかもしれません。

しかし我々の目標は、後の英検1級や国連英検特A級、TOEIC990取得でありますので、英語を語順通り理解する力をここでマスターしておくことが必要不可欠であります。

ちなみに私の場合、本書には「20日間」というタイトルがついていますが、内容が濃すぎて実際30日くらいかかりました。

提案されているスケジュール通りに進まなくても、気長に1つ1つこなしていきましょう。

ここでの地道なトレーニングが今後の英語学習の質を飛躍的に向上させる起爆剤になるはずです!

参考文献/引用元「新TOEICテスト900点突破20日間特訓プログラム」/ 著者: 小山克明 / 出版社: 株式会社アルク


カテゴリー: 1. TOEIC900

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