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<公認会計士>

徳弘有紀(とくひろゆき) 先輩

取材・文:松尾美里
掲載:『Z3』2016年夏号

【2018年2月1日】


 

徳弘有紀 先輩

 

経歴

東京都 田園調布雙葉中学校 卒業
東京都立青山高等学校 卒業
慶應義塾大学 商学部 卒業

現在のお仕事

大手監査法人で会計監査業務に携わっています。会計監査業務とは、簡単に言うと、企業が毎期の決算で作成する財務諸表に間違いがないかをチェックする仕事のこと。現在は、経験豊富な先輩方とともにチームを組んで、金融機関のお客様を担当しています。つねに新たな学びと刺激が得られる毎日です。

 

中学~大学受験まで

 

勉強も部活も行事も全力投球!

幼稚園から高校まで一貫教育の学校に通っていたのですが、中3のとき、新たな環境に身を置きたいと思い、憧れの都立高校を受験することに。勉強だけの高校生活は送りたくなかったので、部活や学校行事にも力を入れている高校を選びました。入試で小論文の独自問題が出題されたため、小論文の勉強ができる教材を探していて出合ったのがZ会通信教育の小論文講座です。論理的な文章の書き方や背景知識を体系的に学んだのは初めてで、目から(うろこ)の連続でしたね。
不合格でもこれまで通った一貫校には戻れないという決まりだったので、背水の陣で臨み、無事に合格することができました。入学後はバレーボール部に所属し、練習と並行して応援団で副団長を務めるなど、かなりハードな日々でしたが、「青春したな!」と思います(笑)。今思い返すと、この時期に勉強や部活・行事に全力投球した経験は、とても貴重でしたね。社会人として充実した日々を送るための基礎体力みたいなものになっている気がするんです。
大学受験の進路選択では、かなり迷いました。最初は国立大学の受験も視野に入れていました。ですが、推薦入試でも十分に選択肢があったので、慶應義塾大学に決めました。商学部を選んだのは、将来的に幅広い選択肢を得られそうだと思ったからです。
高校時代はZ会の教室にも通っており、高3の夏に合格した後も通い続けました。とくに英語は、語源や英語的な発想を学べるなどおもしろい授業ばかりで、「将来、必ずためになる」と思ったんです。

大学時代~社会人・大学院

 

公認会計士をめざして猛勉強、ダブルスクールで勝ち取った合格

大学1年生の終わり頃から公認会計士試験の勉強を始めました。先輩から「就職活動は面接の回数が多くて大変」と聞いて、「資格試験で合格して進路をつかむ方がフェアだし、私に合っている」と思ったのです。公認会計士は、医師、弁護士と並ぶ三大国家資格であり、合格率は例年7~10%という狭き門ですが、勉強時間と合格率が比例する試験でもあります。「1年半みっちり勉強すれば合格できるはず」と信じ、会計士を目指すことに決めました。
そう決心した後に待っていたのは、大学の授業後に資格の学校T(AC)に通うというダブルスクールの日々。毎日10時間勉強漬けでした。会計の理論を学ぶのは、知的好奇心が刺激されて非常に楽しいのですが、「会社法」の約900にものぼる条文を暗記するなど、忍耐力との勝負となるときもありました。しかし、ストイックに机に向かう日々を乗り切れたのは、「自分が決めた道だから」というプライドがあったからだと思いますし、中高時代に培った、目標達成に向けてあきらめない姿勢も役立ったのかなと思います。必死に挑戦して結果が出せたので、とてもうれしかったですね。

現在

 

お客様である企業から、業界の動向や世の中が見えるやりがい

公認会計士になって約2年が経ちました。普段の業務は、担当している金融機関の収益や損失がどのように発生しているのかを把握し、それらが正確に財務諸表(いわば会社の成績表のようなもの)に表れているかどうかをチェックする、というものです。その際、数学の問題を解くときに培った知識や論理的思考力が役立っていると思います。また、数字を見るだけでなく、現場の社員の方とのコミュニケーションを通して、その会社の方々がより効率的に業務を行えるようにアドバイスするのも、会計士の大事な役割です。的確なアドバイスができるよう、金融商品のしくみや会計処理方法など、つねに新たな知識を得ることが必要だと感じています。
この仕事の(だい)は、社会人経験が浅くても、担当している企業・業界の最新動向やビジネスモデルにふれられたり、会計の専門家としてその企業の取締役や管理職の方々とやり取りができたりすることです。そうした方々との信頼関係を築くために、下準備をきちんと行うことや、短期間で課題の本質を見抜くことを心がけています。海外の動向などを情報収集する際に英語の資料を読むことも多く、英語力がカギになると感じます。将来は海外出張や海外赴任の機会もあるので、より一層、語学力を磨いておこうと思います。
今はまだ先輩方から頼まれた業務をこなすことがほとんどですが、今後は自らお客様に対して新たな提案をしていき、金融業界以外の業界のお客様を担当するなど、いろいろな挑戦をしたいですね。
 

後輩のみんなへのメッセージ

大学時代はたっぷり時間があるので、研究はもちろん、サークルや留学、資格の勉強など、興味のあることに思い切って挑戦できるチャンスです。やりたいと思ったことは、どんどん試してほしいなと思います。また、学生時代にできた友人関係は一生の財産になります。友達と過ごす時間も大切にしてくださいね。

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