年収500万円でも新車は買えない!? 年収300万円では125ccバイクがギリギリ…

写真拡大

もはや給料が上がらないとヘソを曲げている時代ではなく、現年収の維持が精いっぱいな現状は今後も続くだろう。それでも家族を持ち、マイホームを買い、生まれた子供には人並みの教育を施したいものだ。そこで、年収ごとに男たちが実現可能な限界値を探ってみることにした。

◆年収300万円では車を維持するのすら困難

 男たるもの一生に一度ぐらい車を購入してみたいもの。だが、家族の同意を得たとしても、FPの横山光昭氏が算出した年収別の家計簿によると生活費1か月分の余剰金からは、それぞれ年収300万円→1万800円、年収500万円→3万2900円、年収700万円→5万4400円しか車代を捻出できない。そこで、大きな壁として立ちはだかるのが維持費だ。

「常陽銀行が算出した普通車の月額維持費(駐車場代、自動車税、保険料、ガソリン代込み)は3万2693円。軽自動車でも2万7273円かかります。これだけ考えても、月1万800円しか余剰金のない年収300万円の人は維持費すら払えませんので、車を持つことが難しい」(モータージャーナリスト・清水草一氏)

 とはいえ、駅近になかなか住むことができない年収300万円男には、家族のためにも足が必要だ。そこで、清水氏に何とか限界値を出してもらえるよう相談したところ「125ccバイクがベストかもしれない」との回答を得た。

◆2人乗り可能な125ccバイクを乗り回せ!

「原付第二種であれば、税金も年2400円と安く、月の維持費も約5000円。5年ローン(60回払い)で約23万円のホンダデュオ110を購入することができます。125ccなら法定速度も時速60kmですし、二段階右折をしなくていい。2人乗りもできて家族を乗せられるじゃないですか!」

 バイク2人乗りに年齢制限はないが、未就学児を乗せるのは危険なのであしからず。どうしても家族での移動が必要な場合はカーシェアリングで乗り切るしかない。一方、年収500万円男と700万円男の限界値はどうか。維持費を払うことは可能なようだが……。

「軽自動車といえども、昨今は安全装備が高度化していますし、車両本体価格が全般に値上がりしてます。そのため、年収500万円男の限界値では軽自動車の新車を買うことが難しい。5万kmほど走った6年落ちの軽自動車(30万円)を5年ローンで買うのが限界でしょう。しかし700万円の人であれば、維持費を引いた車両代として月2万2000円も払えるわけですから、新車を購入することは十分できます」

 同じく5年ローンで算出したところ、年収700万円男は132万円の車なら購入可能。ホンダのフィット(約129万円)など国産コンパクトカーの場合、ハイブリッドは到底無理だが、一番シンプルなグレードのガソリン車なら買うことができる。

「でも、コスパを考えると、軽自動車であるスズキのハスラーG(約127万円)あたりがベストな選択じゃないですかね。とはいえ、年収700万円もあって軽自動車しか買えないのは悲しい。腐ってもベンツのメルセデスAクラスまで背伸びしたいところですが、現行モデルだと若干予算オーバー。私なら中古のフォルクスワーゲンGOLF(3年落ちで約130万円)あたりを狙います。外車だし、年収700万円としてのプライドを保ち、見えも張れるはずです」

 現代社会において、車は必需品ながら贅沢品ということか。

<家族も使える自家用車の限界値>
・年収300万円限界値 125ccバイク
・年収500万円限界値 6年落ちの軽自動車
・年収700万円限界値 新車の軽自動車

【清水草一】
モータージャーナリスト。専門誌をはじめ、SPA!連載「SPA! AUTO CLUB」などでも執筆。著書に『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社刊)など多数

― 年収別 男の限界値 ―