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コウノトリ「みほとくん」戻る 越前市、パートナーは不明

雪の中でたたずむコウノトリの「みほとくん」=越前市菖蒲谷町で

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 昨春、野外繁殖では県内で五十一年ぶりの産卵が確認された国の特別天然記念物コウノトリのペアのうち雄の「みほとくん」が、四カ月ぶりに巣のある越前市白山地区周辺へ戻ってきた。住民らは繁殖に備えた「帰宅」と期待する一方、田んぼや魚道などが雪に覆われて餌を捕りにくい上、パートナーの「ゆきちゃん」の消息が分かっていないことを案じている。

 巣は、県が同市菖蒲谷町で飼育している雄のコウノトリ「ゆうきくん」のケージの上にある。ゆうきくんの世話をする「コウノトリ育む会」によると、みほとくんは昨年八月、ゆきちゃんと一緒に白山地区を飛び立った。二日ほどしてみほとくんだけ戻ったが、十月十七日に再び姿を消し、四国で確認されていた。

 今月十四日午前十時ごろ、飼育ケージを訪れた飼育員が、徳島県鳴門市で産まれたコウノトリら三羽と一緒にいるのを確認。十六日はケージ近くでみほとくんだけがたたずんでいた。

 餌場は一メートル近い雪に覆われ、餌を捕っている様子はないという。コウノトリと共生する環境づくりに励む住民団体「水辺と生き物を守る農家と市民の会」の恒本明勇(あきお)会長(70)は「これだけ大雪の冬は、コウノトリも経験したことがない。餌が捕れそうな場所は天王川の水が見えている部分くらいで、餌場は皆無と言っていい」と心配する。

 冬場は、水を張った田んぼや魚道が餌場になる。野外のコウノトリに餌を与えることはできないため、恒本さんは「どこかに行ってしまわないか心配。厳しい環境を乗り越えてほしい」と一日も早い雪解けを願う。

 昨年八月から行方が分かっていないゆきちゃんの安否も気遣い「繁殖期を前に、ゆきちゃんが巣にいるかもしれないと思って戻ってきたと思う。餌が採れない中で居続けるのも、ゆきちゃんの帰りを待ち続けているのだろう」と推測。昨年は実現しなかったひなの誕生にも期待を寄せながら、みほとくんを見守っている。

 (山内道朗)

 

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