午後のサスペンス 西村京太郎サスペンス[字] 2018.02.13

132月 - による admin - 0 - 未分類


(島崎)やっぱり騙したな!証拠はつかんだ。
カネ返せ〜!返せ〜!
(後藤)気がつかなきゃよかったものを…。
(悲鳴)〜
(亜木子)よし完成!はいお弁当!今日も一日仕事頑張ってね!はぁ〜。
愛妻弁当…出来は完璧なんだけどな〜。
あぁもうこんな時間!あっそうだ!〜
(井岡)はい日本中が主役!旅窓の光友出版でございます。
おはようございま〜す。
(一同)おはようございま〜す。
青木さん社長呼んでます。
は〜い。
フッ!フッ!
(ノック)はいどうぞ〜!おはようございま〜す。
おはよう。
フッ!フッ!あのね伊豆の旅館組合からぜひ次回の特集をうちで!って依頼してきたの。
フッ!温泉はもちろん…フッ!それだけじゃない伊豆の魅力を特集してほしいんだって。
伊豆か〜。
フッ!フッ!フッ!社長今度は何ですか?今度はねこれ。
フッ!腹筋割ろうと思ってね。
フッ!フッ!来週同窓会があるの。
フッ!同窓会でいつ腹筋見せるんですか?秘密。
フッ!取材する宿マッサージ美人女将な…。
これマストな。
浅井さんと2人で行くんですか?あたりめえだろお前。
美人女将をカメラにおさめんの誰がやるんだよお前。
あっこれいいな〜これこれこれ!美人姉妹の宿!これだ!あのね私たち美人姉妹を探してるんじゃないんですよ。
あれ?桂と楓。
まさか…!なんだよ知り合いか?桂と楓姉妹。
修禅寺物語ですよ!岡本綺堂の!これ。
ほら。
へっ?伊豆を舞台に愛に生き愛に死んでいく女の物語。
これが最高にいいんですよ。
よし見えた!おっ?フッ!特集決まった?フッ!はい!美人姉妹身も心もさらけだす。
違います。
歴史ロマンとそれにまつわる名物旅館の…。
あ〜かてぇんだよお前は。
だからお前には男が寄りつかなくてよ愛妻弁当の予行演習するはめになってんだよお前は。
はぁ〜?それとこれとは別でしょう!っていうかさ3回も結婚失敗してる人に言われたくないですね!お前にも言われたかねえやバカ野郎。
俺だって女は…予行演習やってんだ!さあさあちょっと2人とも落ち着いて!結婚なんてね…。
無意味よ。
どうしたんですか?さぁ2人ともうちのモットーは?はい!
(3人)日本中が主役です!ふるさと日本愛をもって盛り上げよう!よ〜っ!〜はぁ〜。
着いたね〜!トイレ行っていいかな?俺。
えっ?ちょっと新しいとこ来るとさしたくなるんだよね。
本当いつもそうですよね。
マーキングしてんの?なに?もう変な人。
痛っ!どこ見て歩いてんだオラ〜!前向いて歩いてたわよ!なにあの男…。
(上原)光友出版の青木さんと浅井さんですか?はい。
どうも。
下田旅館組合の上原です。
すみません青木です。
すみませんなんか送迎お願いしちゃって。
いや〜とんでもない。
もうこの町を宣伝していただくんですから。
では行きましょう。
はい。
そのまま清流荘さんに向かってもよろしいでしょうか?はい!どうぞこっちです。
これで美人姉妹にやっと会えるぞ!やっと会えるぞ!お仕事お仕事!〜さぁどうぞ着きました。
はいどうもどうも。
どうぞ。
お持ちします。
ありがとうございま〜す。
よいしょ…。
うわっ!わぁ〜!ロックンロール!ロックンロール?はい。
あららら…。
どうぞ。
(桂)いらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
当旅館女将の旭桂と申します。
オ〜!アメイジング。
なに言ってんですかもう。
こちらが妹の楓です。
よろしくお願いします。
私光友出版旅窓の青木と申します。
そしてこちらがカメラマンの…。
よ〜し少し襟元を…。
ちょっと失礼な!どこ撮ってんの!すみません。
腕はねいいんですけど…すみません。
もう!おい来てよかったな。
わかったからちょっとまじめにしてください。
では早速取材させてもらってもいいですか?はい。
では私はここで。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ごゆっくりどうぞ。
(桂)さぁどうぞ。
いや〜いい雰囲気。
すてきすぎますね。
ありがとうございます。
どうぞこちらへ。
はい。
お二人は旅館業は長いんですか?父が5年前に亡くなってそれから私が女将に。
楓は1年前から。
楓は東京でOLをしてたんですよ。
あっそうなんですか。
はい。
おっ!プールだ。
(桂)源泉を使った温水プールです。
あっいいねいいねいいね〜。
ちょっとジャンプジャンプジャンプ!そうそうそうそう!
(はしゃぎ声)そうだそうだ。
そうそうそうそう!浅井さんちょっと!女の子ばっかり撮ってんじゃないわよ!よろしければこちらへ。
またね〜!またねじゃないでしょ。
こちらがパームテラスです。
はい。
お〜すごいね。
ねぇ〜。
ここでエステが受けられます。
わぁ〜すてき!楓が担当します。
よろしかったら。
(2人)あっぜひぜひぜひ!浅井さんは…男の人はないんでしょう?あっ大丈夫ですよ。
あっそうなんですか?でもその前に下田の町を楓にご案内させましょうか?あっお願いします。
つまんねえの。
〜幕末この下田湾にペリー艦隊黒船7隻がやってきて開国を迫ったんです。
〜このペリーロードはペリー提督が日米下田条約を結ぶために歩いた道です。
すごいいいとこですね!ここは思い出の場所なんです。
思い出の場所?どんな思い出ですか?お前さ鈍感だな〜。
初めてチューしたとこだろバカ!お前にはねえ世界だよ。
うるさい!あっ今回ですね桂さんと楓さんを取材させていただきたくて来たんです。
私と姉を?はい。
修禅寺物語と清流荘さんを絡めてお話を伺いたいなって。
そうですか。
修禅寺物語については父が大好きで。
姉も私も昔から父に枕元で読み聞かされて育ちました。
でも修禅寺物語って子供にとっては結構ヘビーな内容ですよね。
物語の桂は好きな人の身代わりになって斬り殺されてしまうわけですし。
でも姉は修禅寺物語の桂と同じ名であることを誇りに思っているようです。
そうなんですか。
自分も大切な人のために激しく生きたいと。
あのさ桂さんには男いんのかな?ちょ何聞いてんのよ。
います。
いますよね。
あの楓ちゃんにはいるのかな?もう!いえ。
おギリOKだよギリOK。
浅井さんダメですよね?お前に聞いてねえよ。
ダメダメダメですよ。
あのどうだい俺あたりなんか楓ちゃん。
ん?私にはそんな資格ありませんから。
かわされた〜ダメ〜。
まだわかんねえだろ。
私がそして母が愛した皆さんのふるさと。
この下田から日本を変えようじゃありませんか!ありがとうございます!あの人が姉の恋人です。
へえ〜あんな若いのに衆議院の補欠選挙出るんだ。
てえしたもんだなおい。
立花さんは弁護士でホテルグランド立花のオーナーでもあるんです。
この町では知らない人はいません。
傾きかけたホテルを引き継ぎ立て直したのも立花さんです。
(立花)旭さん!どうも。
こちらは?東京からいらした雑誌社の方々です。
伊豆の特集を。
青木と浅井です。
立花佑介です。
しかし大活躍ですね。
アハいえいえ。
それは?あ…最近母が亡くなりまして。
今の私があるのは母のおかげです。
そして今はこうして町の皆さんが支えてくださっています。
謙虚…すてき〜。
いえいえ。
ぜひこの下田の魅力を伝えてくださいね。
はい!そうだ滝の湯。
あそこがお勧めですよ。
滝の湯?ええ。
今の頃だと…そうだな…。
夜の11時くらいにちょうど月が真上にのぼってきれいですよ。
ぜひ行ってみてください。
はい。
では失礼します。
さわやかで頭もいいし商才もある…完璧…。
あっこちゃんあっこちゃんあっこちゃん…。
あの方に惚れちゃダメですよ〜。
人のもんですからね〜。
わかってますよそんなの!行きましょう。
はい。
上原さん…。
はいOK。
OK。
よ〜し。
はいはいはい。
じゃあ今度は舌で取材をさせていただきます。
俺の分も取っとけよ。
お前。
いただきま〜す!やっぱり下田といえば金目鯛と黒むつですよね。
まずおダシをちょっと…。
おいしい〜!これダシは何ですか?辻本さん。
はい。
ゆず味噌を隠し味にしております。
ゆず味噌ですか。
辻本の料理の腕は伊豆一と評判なんですよ。
さっすが〜。
でも桂さんはほんといい人に恵まれてうらやましいです。
桂さんさあの立花さんみたいなねいい男どうやって落としたんだかこいつに教えてやってくださいよ。
やっぱり自分からアプローチされたんですか?ええ…まあ…。
やっぱり押しが大事なんですね。
近々結婚なさるんですか?ご想像にお任せします。
楓さん?すみません。
具合でも悪くなったのかしら…失礼します。
待ちなさい。
楓…今の態度は何?お客様の前でしょ!結婚するの?立花さんと…。
結婚してここから私を追い出すつもりなのね!何言ってるのそんなことするわけ…。
同じことでしょ!楓…。
私の分も幸せになってね…。
姉さん。
あった。
滝の湯。
こっちだ。
(桂)もう帰ってください!
(上原)ふざけるな!俺は絶対許さない…。
お前も立花もな!もう離してください。
桂…考え直してくれよ…。
ちょっと何やってるんですか!大丈夫ですか桂さん。
えぇ…見苦しいとこをお見せしてすみません…。
いったい何があったんですか?何でもないですから。
失礼します。
〜お〜湯煙!秘湯に続く道って感じだわ。
うわ〜すっごい!この迫力ったら…。
うわ〜ここも味あるな〜。
よし。
あお客さんいるのか…。
じゃあ撮れないな…。
では私も失礼して。
あ〜いい気持。
あこんばんは。
(ユカ)こんばんは。
ここいいとこですね。
こちらの方ですか?ええ。
あ〜極楽極楽。
お先に失礼します。
どうぞごゆっくり。
あ〜。
あ月だ。
きれ〜い。
あ〜お肌ツルツル。
自分史上最高。
〜桂さん?桂さん。
桂…。
(悲鳴)桂…?桂!桂!!あんた…!ちが…ちが…。
ここにあったんです。
こうやってあったんです。
(パトカーのサイレン)滝の湯から清流荘に戻る途中倒れている被害者を発見した。
はい。
なんで殺したの?はい?あんたがやったんだろ?違いますよ!あがくことなく全部しゃべったほうがいいよ。
なに言ってるんですか!私はね…。
ご苦労さまです。
ご苦労さまです三島警部。
三島…さん?状況を教えてもらえますか。
はい。
被害者は旭桂。
清流荘の女将です。
後頭部を殴られておりそれが死因かと。
凶器の石と…。
お〜い例のカッパ。
はい。
少し離れたところに犯人が着ていたと思われる返り血を浴びたカッパがあったそうです。
あぁ…いい匂い。
あっ糸くず発見!よき妻は常に夫の身だしなみに気をつけるべし。
この方は?青木亜木子です!容疑者です。
ちょっと!違いますよ。
凶器となった石を持って被害者のすぐそばに立ってたんですよ。
違う…だから拾ったって言ってるでしょあれは。
はぁ〜なに?なんでわざわざそんな血の付いた石を拾うんだよ。
なんでって…。
かわいい子犬が目の前に現れたら触ったりするでしょ?それと一緒ですよ。
犬か。
はぁ?お前は…血の付いた石はお前にとって犬なのか。
危険思想です。
たとえ話ですよもう。
ちょっと何メモってるんですか!やめてくださいよ!ちょっとメモらないで…!なんだ?そうだ。
これ滝の湯で拾ったんですよ。
おそらくこれを落とした人が桂さんを。
警部。
「あいつを殺してください」。
殺人依頼書!?お前殺し屋か!?はぁ!?もう…三島さん。
署で詳しくお話伺えませんか?こちらです。
旭桂さんに間違いありませんか?はい…。
おい行くぞ。
まず最初に伺います。
刑事さんは私が本当に桂さんを殺したとお考えなんですね?そうだ。
決め手は凶器の石に私の指紋しかついてなかったこと。
あぁ。
では別の質問をします。
返り血を浴びたカッパから私の指紋は出てきましたか?出てない。
それがどうした!っていうかなんで俺が取り調べ受けてるんだよ!カッパの指紋なんかお前が消したんだよ。
凶器の指紋は拭き取らなかったのに?間に合わなかったんだろ?もし私が犯人だったら最初から手袋をして凶器にも指紋がつかないようにしたでしょう。
犯人も同じことをしたと思います。
手袋をしてたから凶器からもカッパからも指紋は検出されなかった。
ぐっ…。
「ぐっ」て何ですかそれ。
確かにあなたの言うとおりです。
三島さん。
警部!じゃああの手紙はどうなるんですか!「あいつを殺してください」。
だからあれは拾ったんですよ。
何でも拾うのかお前は!何に怒ってるんですか。
あの手紙はおそらく滝の湯で会った右手にホクロのある女性が落としたものだと思います。
手紙に指紋はついてませんでした?ベットリついてたよ!お前のがな!他には?手紙にはついてませんでした。
ただし封筒から別の指紋が検出されました。
お前に殺人を依頼した共犯者のな!だったらその共犯者を早く捕まえてくださいよ!長い間お引き止めして申し訳ありませんでした。
今日のところはこれで。
警部!もっと詰めれば吐きますよ!甘すぎる。
お腹空いたでしょう。
すみません。
カツ丼とか出せればいいんですけど。
代わりにこれでもどうぞ。
甘い!県警のボンボンエリートが現場知らねえくせに口出ししやがって。
俺はお前がやったと思ってるからな。
何だよ。
三島さんってボンボンなんだ。
え?そう聞いたけど…。
育ちもいいんだぁ…。
何の話だよ。
あどこ行くんですか浅井さん!おう大変なんだよ!あれ…お前釈放されたの?もちろんですよ。
証拠不十分を主張して出てきました。
そりゃあよかった。
どんだけ心配したかお前。
で俺のカメラは?そっちですか。
そっちだよ。
お前これは俺の宝物なんだからさ。
おいおいおい…おいおい。
お前さお前さほんとにやってないのかよ?ちょっと浅井さんまで疑ってるんですか!?あの大村ってバカなデカと一緒じゃないですか。
こうなったらね私は自分で容疑を晴らしますから。
どうするんだよ?よき妻は夫が仕事の間2時間サスペンスを見て時間を有意義に過ごすべし。
おかげで捜査のしかた頭に入ってるんですよね!
(立花)すみません。
あのときは気が動転しててっきりあなたが犯人だと。
いえ…。
あの…その代わりと言っちゃあなんなんですが昨日の晩のこと教えてもらってもいいですか。
え?これ私の容疑を晴らすためなんです。
そういうことでしたら…。
どうぞおかけください。
ゆうべはドライブに行こうと桂とここの駐車場で待ち合わせをしていたんですがお互い疲れていたので滝の湯に入ろうということになったんです。
滝の湯へはホテルの中庭から行けるので私がいったんタオルなどを取りにホテルへ戻る間に彼女は先に行ってると言いました。
そのとき少し寒いと言ったので私のベンチコートを着せたんです。
ホテルの前で別れて私は中へ。
そのとき何気なく中庭から林道へおりていく桂を見たんです。
そのあとをカッパのようなものを着た人物が桂のあとを追うように行くのを見たんです。
あそこが林道への入り口です。
私はちょうどこの辺りで見ました。
気にはなったんですがタオルを用意するのに少し手間取ってしまってそれで遅れてあとを追いました。
そこで血まみれの石を持ったこいつを見たと?ええ。
あのこんなこと聞いちゃ失礼かもしれませんが桂さんが襲われた理由何か心当たりは?あるわけないでしょう。
桂はすばらしい人でした。
すみません。
立花が見たそのカッパの野郎っつうのはさお前が滝の湯で会った右手にホクロのある女だってことなわけ?断定はできませんがその可能性はありますね。
う〜ん桂に恨みのある女性ってことなわけだ。
「あいつを殺してください」。
もしかしてあの女性は殺人を依頼されただけで恨みを持ってたのは…。
俺は絶対許さない。
お前も立花もなまさか。
(読経)若いのに気の毒だわ。
お父さんが亡くなってから姉妹2人で必死に旅館支えてできた人だったのに。
残された妹さんのほうもかわいそうよね。
それがそうでもないみたいよ。
清流荘辞めた神田さんに前聞いたんだけどさあの姉妹相当仲悪かったらしいわ。
そうなの?なんか姉さんが妹の彼氏とっちゃったんだって。
ほらあの立花さんがそうよ。
後ろのおばさんたちに詳しく話聞いといてください。
え?どうも。
ちょっと待ってください。
なんですか?こっち来てください。
上原さん事件のあった夜桂さんともめてましたよね?許さないって。
あれいったいどういう意味なんですか?あんたには関係ないだろ。
もしかしてあなたが桂さんを?そんなわけないだろ!俺たちは愛し合ってた。
それなのに半年前突然別れをきり出されてそのあとすぐあいつは立花と。
金持ちに乗り換えやがった。
事件のあった夜どこにいました?だから…あんたには関係ない。
ちょっと待ってください。
イタッ。
どこ見て歩いてんだオラ!あの男。
三島さん。
警部あれは。
ああ。
でもどうして後藤がここに?後藤?追ってくれ。
それにしても真剣な表情もすてきすぎる。
おい。
ちょっともう心臓に悪いんですよその顔。
なんだコラ。
オバケじゃねえんだぞてめえコラ。
怖い。
おいそれよりもよ噂にあがってた元仲居のおばちゃんの店よわかったぞ。
ほんとですか。
あの子確か。
そうよね。
亡くなった島崎さんとこの。
すみません。
どうもどうも。
(清美)半年くらい前までは清流荘さんにいたんだけど。
まぁいろいろとあの姉妹も複雑でね。
複雑?2人ちゃんと血のつながった姉妹じゃないのよ。
え?妹の楓さんのほうは昔旅館に勤めてた仲居とご主人の間にできた子でね。
楓あんたがやったんでしょう。
違う。
私じゃない。
ウソつきなさい!
(清美)そりゃかわいそうだったわよ。
自分の子じゃない夫の浮気相手の子だから亡くなった前の女将さん楓さんのほうをイジメてね。
そんなんだから楓さんあんまり笑わない子に育っちゃってね。
卑屈になっちまったってことかね。
その上社交的な桂さんといつも比べられてそりゃいやだったと思うわ。
だから楓さん東京の大学選んだのも桂さんと離れたかったからじゃないかな。
昔から2人は仲よくなかったんですかね?仲むつまじいって感じじゃなかったわね。
そうそう半年くらい前かしらよくケンカしてたのよ。
ケンカ?姉さん私の気持考えたことある?ないでしょ!どれだけ私をみじめな気持にさせたら気が済むの?楓違うの。
何が違うのよ!それって立花さんと桂さんがつきあいだしたのが原因なんですかね?たぶんね。
その前に楓さんと立花さんはつきあってたわけだから。
う〜ん。
一人の男を巡る姉妹の骨肉の争い特集記事この方がいいな。
違うね?違います。
戻ってらしたんですね。
ええあの男を追ってね。
じゃあこの町に?あいつが。
4年前父はあの男に殺された。
必ず復讐する。
お嬢さん…俺がやります。
〜よき妻とは常にプロポーションを保つべし。
そのために朝の光を浴びて1日5キロのウォーキング。
うん!食べてたら意味ないか。
あっおいしい。
何だこれおふくろまんじゅうって。
中はつぶあんで…。
あぁダメだ。
事件のことが気になって仕事に集中できないわ。
桂さんを殺したのはいったい誰?あの手紙の右手ホクロの女性?もしくはストーカーの上原?あるいは楓さん…。
楓さん!おはようございます。
え?社長!〜大丈夫ですか?幸い動脈はそれてます。
何があったんですか?車から降りたら突然…。
誰かが来る声がして。
それを聞いたら逃げていきました。
犯人の顔は見ましたか?いえ…目出し帽をかぶっていたので。
じゃあひとまず病院へ。
ごめんなさい。
あっいたっ!イテ〜ッ。
あぁ〜!何でもかんでも拾うんじゃないよ。
すみません。
逆にたいしたもんだよ。
凶器まで拾ってくれちゃってさ。
麻薬犬みたいなそういう仕事でも始めたら?今度も凶器にベタベタベタベタ指紋つけやがって。
警部これ何か罪になりませんかね?なりませんね。
まじめ!まじめに答えられた。
何かあったんですか?立花さんが襲われました。
え!?もしかして…。
何だ?犯人の狙いは最初から立花さんだったんじゃ。
は!?何を言ってるんだお前は。
私もそう思います。
えっ!ベンチコート。
えぇ。
何ですか?それは。
旭桂さんが殺されたとき立花さんのベンチコートを着ていました。
だから何なんですかそれ。
寒かったんでしょうフードまでかぶって。
お前が続くな。
被害者は背後から殴られていた。
現場は深夜。
湯煙の中視界は悪かったはず。
犯人は立花さんのベンチコートを頼りに近づき殴った。
でも殺されたのは立花さんではなく…。
(2人)桂さんだった。
なに!?桂さんは立花さんの身代わりになって殺された。
修禅寺物語。
何だそれ?岡本綺堂の戯曲です。
仮面職人の娘桂は将軍頼家と激しい恋に落ち最後は頼家そっくりの仮面をかぶり身代わりとなって殺されてしまう。
だとすると立花さんを襲ったのはいったい誰?警部もしかして…。
行こう。
〜警部あれは…。
あぁ。
でもどうして後藤がここに?ちょっと待ってください。
後藤って人が犯人なんですか?どうしてそれを?立花さんを襲ったのは後藤なんですか?青木さんこれ以上お教えするわけにはいきません。
あなたにどんな危険がふりかかるかもわからない。
東京へお帰りください。

そんな。
そうだ素人が首つっこむんじゃねえ。
待ってください!私許せないんです。
豊かな自然いい人おふくろまんじゅう…。
三島さんこの町はすてきなもので溢れてます。
そんな町を血で染め汚した犯人が許せないんです。
私の故郷はダムに沈んでなくなりました。
自然がいっぱいでいつも私を癒やしてくれた。
なくなって気づいたんです。
故郷は大事な大事な場所なんです。
下田が悲惨な殺人事件があった場所だと記憶されないように私自身この事件を追いたいんです。
亜木ちゃん大丈夫?どうなの状況は。
そのことなんですけどもう少しここにいさせてください。
そう言うと思った。
え?今朝衆議院議員候補の立花って人が襲われたんでしょ。
その人弁護士としても有名だったみたいね。
ちょっと調べたの。
何かわかったんですか?井岡ちゃんに代わるね。
もしもし?その立花って人4年前新聞に出てますね。
詐欺事件の被害者を集めて集団訴訟を起こしたって。
そのとき有罪になった男が後藤雅史って男です。
後藤?井岡さんそのことについてもう少し詳しく教えてください。
〜立花さんを襲ったのは後藤という男だと思います。
後藤?立花さんが刑務所へ送った男です。
ホテルにはフィットネスクラブやプールはもちろんゴルフ場も併設される予定です。
会員権は300万から1,500万まで…4年前後藤はエルグランド・リゾートホテルの会員権を言葉巧みに大勢の人に売りさばいた。
その後ホテルの建設が立ち消えになったとして後藤はそのまま会社をたたみ逃げた。
建設予定が立ち消えになった際には投資額は一切保証しないと最初から契約書には書いてあった。
そのため購入者は泣き寝入りするしかなかった。
ところが…そこへ立花さんが立ち上がった。
ふ〜んなるほどね。
立花さんは事件を徹底的に調査し最初からホテルの建設予定がなかったことを突き止め被害者を率い後藤に対して集団訴訟を起こした。
その結果警察が動くことになり後藤は詐欺罪で逮捕された。
それを恨んで出所後立花を襲いにきたってことか。
おそらく。
あれ?浅井さん朝食の写真撮りました?撮ったよ。
おそらく撮った…。
撮ってないでしょ。
撮ったって。
今撮ってるもん。
(バイブ音)はい。
俺をナメるなよ…立花!どこまででも追いかけてやるからな。
滝の湯の林道で桂さんが何者かによって殺害された。
更にその2日後立花さんが襲われた。
状況からすると桂さんは立花さんと間違えて殺された…。
だとすると立花さんを襲う動機のある人は桂さんを立花さんに奪われたストーカーの上原?あるいは立花さんに刑務所送りにされた後藤雅史。
えぇ。
後藤は4年前詐欺事件で…。
三島さん!?どうも。
事件の整理をするときにはよく来るんですよ。
あぁ…。
ここいいお湯ですもんね。
えぇ。
ていうか混浴だったんだ。
いや違いますよ。
え?ここ男湯です。
えっ!?あの…いつ言おうかと思ったんですが。
あぁすみません。
考え事してボーっとしてしまって。
確認しなかったんですね。
すみません。
(2人)あっ!そっか…。
確認ですよ!きゃ〜っ!確認。
犯人は立花さんを殺したかった。
だったらどうして確認もせずに後ろから殴ったんだ?そうですよね。
本当に殺したければ確認しますよね?えぇ。
だとすると犯人の本当の狙いは桂さんだったのかも。
失礼します。
ごゆっくり。
ごゆっくりって…ここ男風呂ですよ。
あ〜ドキドキした。
もっとお肌磨かないとね〜。
楓さんエステお願いしま〜す。
すみませんそちらでお待ちください。
すみません。
気持よさそう。
(楓)強さ大丈夫ですか?
(ユカ)大丈夫です。
気持いい。
こんばんは〜あの〜すみません。
こちらにはよく来られるんですか?まぁ…。
おとといの晩滝の湯であなたをお見かけしました。
タオルを落とされてましたよね?あぁあの時の…。
あの時白い封筒を落としませんでした?中に手紙の入った…あなたのですよね?いえ…知りませんが。
あの…もういいですか?あっすみません。
楓さん!はい。
さっきエステ受けてた人って誰ですか?教えてください。
島崎ユカさんですけど…。
その方とお知り合いですか?はい。
小中と同じクラスで…。
ユカさんの家は下田で長年旅館を営んでいましたが4年前に潰れてしまって。
そのあとすぐお父さんが亡くなられて彼女はお母さんと一緒にこの町を出て行ってしまったんです。
旅館はなぜ潰れたんですか?借金があったとかで。
ユカさんはどうしてこの町に?旅行か何かで?ふるさとが懐かしくなったって言ってました。
〜またあんたか。
はい。
だから俺は事件とは関係ないって言ってるだろ。
あんたさ最初に会ったときとキャラがずいぶん違うじゃねえかよ。
ストーカーキャラがバレてよぉ開き直ったかこの野郎。
関係ないなら帰ってくださいよ。
島崎旅館さんについて伺いたくて来ました。
島崎?4年前旅館が潰れてご主人さんが亡くなったとお聞きしましたが。
そうですよ。
島崎さんに借金が?みたいですね。
旅館を大きくしようとしてホテルの会員権詐欺の被害にあって。
それで自殺したんですよ。
会員権詐欺?えぇ。
それって後藤って人が犯人の?そうです。
でもねそのことに関しては私より詳しい人が清流荘にいるんでその人に聞いてください。
え?楓さん。
はい。
辻本さんは?港のほうへ買い物へ行くと言ってましたが。
港?港だって。
ふ〜ん。
〜残念だったな。
ここは潮が満ちるのが早ぇぞ!待て!
(叫び声)
(叫び声)辻本さん!どうしたんですか!?すみません!亜木子!足が…こっち!こっち!ダメだチクショウ!ちょっと待ってろ。
ちょっと待て。
おいどけ!どけどけ!大丈夫か!?大丈夫ですか?ありがとうございます。
いったい何があったんですか?辻本さん清流荘さんに勤める前島崎旅館にいましたよね?えぇ。
でも島崎旅館は潰れてしまった。
そうです。
原因は詐欺の被害にあったご主人の自殺。
自殺なんかじゃない。
え?社長は前科のある自分を拾って面倒を見てくれました。
板前修業が嫌になって逃げそうになったときも絶対に見放さず…。
そんな社長がみんなを見捨てて自殺なんかするはずがない。
社長は後藤に殺されたんだ。
後藤?どういう意味だ?あの日社長は俺に言った。
後藤に会ってくると。
そのこと警察に話しましたか?言ったよ。
でも俺の言うことなんか…。
もしかしてそのことをユカさんも…。
知りません。
ユカさんは関係ありません。
もしほんとに後藤がユカさんのお父さんを殺したとしたらユカさんがこの町に来たのはお父さんの復讐?じゃあ桂を狙ったのがユカじゃないとしたらよ結局誰なんだよ。
ストーカーの上原なのかそれともやっぱり後藤なのか?元仲居の神田さんの話によると昔から桂さんと楓さんは仲がよくなかった。
ちょちょ…ちょっと待て。
じゃあお前はよ楓ちゃんがさ桂を殺したっていうのか?そう言いたいのかお前は!あくまで可能性です。
こら。
桂さんが立花さんを奪ったとしたら…。
結婚するの?立花さんと。
結婚してここから私を追い出すつもりなのね楓さん的には複雑な気持でしょう。
まぁそりゃあいい気持はしねえわな。
桂が楓さんから私を奪った?そんな違いますよ。
でもどうなんです?ぶっちゃけ…ぶっちゃけ。
私が楓さんとつきあっていたのは1年以上も前です。
まだお互い東京にいた頃に。
そのとき突然別れきり出されて…。
それから半年くらいして私が下田に戻りそこから桂とつきあい始めたんです。
桂さんは以前楓さんと立花さんがおつきあいをされてたことは?もちろん私から桂にはちゃんと話しました。
隠す意味なんてないし第一卑怯でしょ?あの…どうしてこういうこと聞くんですか?まさか楓さんを疑ってるんですか?いえ…。
まぁそうだなぁあの立花がまさか桂と楓をだぶってつきあってるわけねえよなぁ。
でも楓さんと立花さんがつきあってるのを知ったうえで桂さんは立花さんにアプローチしたわけでしょう?そうなるとやっぱり楓さん的には桂さんに対してもそれに応じた立花さんに対しても複雑な感情は抱いてるんじゃないかしら。
待て待て…お前まさかさ立花を襲ったのは楓さんだって言いたいわけ?え?実は立花さんが襲われた朝…。
楓さん。
あ…おはようございます方向的には立花さんのホテルのほうから楓さんが出てきたの。
マジで!?あんな時間にあんな場所で何してるんだろうと思って。
ここで楓さんと鉢合わせたんです。
え?楓さんは向こうから。
けどよお前立花のとこ行くにはこっちのほうが近道だろ。
こっちに何があるんだろう。
おいおい…おい。
お参り?
(清美)間野神社?そこは水子供養の場所で知られてるって宮司さんにうかがいました。
あぁそうね。
その間野神社に1年ほど前から楓さんが足しげく通ってるらしいんです。
何か心当たりが?そういえば…。
(清美)私は経理もしてたから年末旅館職員の医療費控除の書類を整理してたときに…。
西野産科クリニック?楓さん妊娠したのかと思ってびっくりしたからはっきり覚えてるのよ。
でもまさか…。
こんにちは!酒屋です!はい!ちょっとごめんなさいね。
もしかして楓さんは立花さんの子供を妊娠してたんじゃないかしら。
え!?立花そんなことひとことも言ってなかったけどなぁ。
それを話す前に流産してしまったのかもしれない。
ちょっと私東京戻ってきます。
ええっ!?〜お前…。
社長!旭楓さんです。
1年ほど前こちらに来ましたよね?
(西野)患者さんのことについてお教えするのはちょっと…。
守秘義務はごもっともです。
でもどうしても教えていただきたいんです。
無理ですね。
実は先日この方のお姉さんが何者かに殺されてしまったんです。
え?妹さんの過去が今回の事件に関わりがあるかもしれないんです。
お願いします。
しかし…。
堕胎手術が行える期間は妊娠22週未満のはずよねぇ?私の知り合いに社会部の記者がいてね教えてくれたの。
あなたが裏でいつもやっていることは不幸な出産を防ぐための正義?それともただのカネ稼ぎ?協力してくれたら記事にはしないように言ってあげる。
ただし金輪際違法なことはやめるということが条件でね。
切迫…流産でした。
ねぇ私…私の赤ちゃん…
(西野)深夜救急で運ばれたときにはもう…。
流産の原因は何だったんですか?暴行です。
でも彼女は被害届を出しませんでした。
大切な人に自分が汚れてしまったことは知られたくないと…。
っていうことは暴行には性的なものも含まれてたということですか?えぇ。
そんな…。
それから半年くらい経ってからです。
彼女のお姉さんがクリニックに訪ねてらして。
桂さんが?この方ですよね?同じように妹さんのことを聞かれてました。
桂さんも楓さんのことを調べてた。
どうして?
(サイレン)ご苦労さまです。
鋭利な刃物でひと突きですね。
(大村)警部!ガイシャのものですかね?それとも犯人が落としてったものか…。
えっ?桂さんは西野産科クリニックを訪れてました。
あなたの身に何が起こったか調べるために。
そしてそこで何かをつかんだ。
だから桂さんは殺された。
お願いです楓さんを襲ったのはいったい誰なんですか!?教えてください。
そんな事実はありません。
楓さん…。
(サイレン)三島さん。
(三島)後藤雅史が何者かに殺害されました。
これあんたのだな?どこにそれが?後藤の殺害現場に落ちてました。
どうしてあなたの持ち物が現場に落ちてたんですか?そのお守りは人にあげたものです。
そんなデタラメ通じると思うか!誰に?島崎ユカさんです。
あの島崎旅館の娘か?はい。
そのお守りはお父さんが亡くなって大変だったときにユカさんにあげたものです。
島崎ユカの父親は後藤の殺害現場で自殺してます。
行こう。

(ノック)お嬢さん…。
三島さん!またお前か!こちらの部屋ですか?はいこちらのお部屋です。
お嬢さんじゃない!俺が後藤を殺したんだ!わかりましたお話はあとで伺いますから。
開けてください。
はい。
辻本さん…。
私たちも中に。
遺書!?勝手に入んじゃねえよ!
(ユカ)「後藤雅史を殺したのは私です。
4年前父が後藤に騙され自殺しました。
それから数日後父の手紙が見つかりました。
そこには「自分は後藤と話をつけてくる。
何かあれば後藤が俺を殺したと思え」と書いてありました。
私は後藤の出所を待ち復讐するため後藤のあとを追い下田にやって来ました。
そこで後藤が旭桂さん立花さんを襲うのを目撃しました。
そして私がその後藤を殺しました」。
「もう思い残すことはありません」。
あっあっ!〜ユカさん!睡眠薬を飲みあの上から身を投げたようです。
自殺?こら!探偵ごっこはおしまいだ。
出てけ!やっぱりおかしいと思います。
納得いきません!何がだ?素人は立ち去れ!あの手紙です。
(大村)あ!?そもそも封筒にはユカさんの指紋がついてたのに手紙にはついてなかったんですよね?ええ。
私ユカさんは手紙は読んでないと思います。
はぁ?ユカさんに手紙のことを尋ねた時…。
白い封筒落としませんでした?いえ知りませんがユカさんは手紙の存在すら知らないようでした。
だったら誰があの手紙を置いたんですか?ユカさんに容疑を向けさせようとした真犯人です!他に犯人がいるってのかよ!?そんなわけねえだろ!実は私も同じ考えです。
えぇ!?ユカさんの部屋から見つかった遺書そこからユカさんの指紋は発見されませんでした。
手紙と同じ状況。
遺書は偽造されたもの。
これ見てくださいユカさんのポケットに入ってました。
おそらく事件のもうひとつの手がかりです。
何の紙かしら?まだわかりませんこれから詳しく調べます。
43?ちょっとちょいちょい…。
これコート紙だなこれ。
コート紙?うん写真とかさ雑誌の印刷かなんかに使うやつだよたまにな。
防水加工してるやつだよこれ。
なんでこんなもんがポケットに入ってたんだろう?〜後藤が殺されユカも殺されて犯人は同一人物…あぁわかんねえ!わかんねえなわかんねえときは原点回帰しよ。
そうですよね。
桂さんが最初に殺された…。
関係者で残ってるのは楓さんと上原さん。
あれ?どうした?あれ!?だから何だよ?あれれれ!おいおいおいおい…壊れちゃったのかな?おい!こんなことってありえるの!?何が!?浅井さんもしかして…。
え?お願いがあります。
あ〜もう!ったくもうまったく人使い荒いんだ!あぁチクショウ!すみません楓さん見かけませんでしたか?いや…エステルームじゃ?いなかったんです。
ありがとうございます。
大村さん!ああ!何ですか?それ。
これ旭桂の遺品。
事件に関係ないやつ返しにきた。
妹さんにそう言っといて。
はい…じゃ俺捜査あるから。
役に立たないくせに。
〜あっこ!あっこ!あっこ!町じゅう全部探したぞ。
ありがとうございます。
お前の言ったとおりだ。
三島に連絡してな協力してもらってる。
お前のほうは?それが…楓さんが見つからなくて。
え?どこ行ったんだ?もしかして…。
ここは思い出の場所なんです急ぎましょう!えっえ?ま…また急ぐの?どうしたの?こんなところに呼び出して。
私は姉さんがあなたとつきあったことが許せなかった。
こんな仕打ちはないと思った!待ってくれ。
あれはキミのほうから一方的に別れをきり出したんじゃないか。
別れるしかなかった!あんなことがあって…。
でも姉さんは知ってた。
1年前私の身に起こったことを。
(悲鳴)何の話をしてるんだ?1年前何があった?姉さんから何も聞いてないの?姉さんはどうしてあなたと結婚しようとしてたの?楓…。
姉さんから言い寄ったの?それともあなたから?楓さん!待って!離れて。
立花さんから離れて。
楓さん立花さんが桂さんを殺した犯人よ。
待ってください。
何の話ですか?最初から気づくべきでした。
あなたのウソに。
ウソ?桂さんが殺された状況を聞いたときあなたは…。
立花:ホテルの前で別れて私は中へ。
そのとき何気なく中庭から林道へおりていく桂を見たんです。
そのあとカッパのようなものを着た人物が桂のあとを追うように行くのを見たんですそうです。
私ははっきりと見たんです。
犯人を。
昨日の夜あなたのホテルに行って確かめてきました。
事件の夜と同じ11時ごろ中庭は明かりも少なく暗かった。
一方ホテルのロビーにはこうこうと明かりが。
あなたが見たという位置から外を見るとガラスは光を反射して鏡になってしまい外は見えませんでした。
つまりあなたは犯人を見るはずがありません!そんなことで私が犯人だっていうんですか?動機は?どうして私が桂を殺さなきゃなんないんです?桂さんの遺品の中からこれを見つけました。
この中に桂さんが突き止めた事実がおさめられています。
1年前楓さんを襲ったのは出所したばかりの後藤であること。
そしてその後藤とあなたが裏でつながってたこと。
この写真もこの中におさめられていました。
あなたは楓さんが妊娠したことを知って楓さんが邪魔になり後藤に襲わせた。
そうですよね?本当なの?ねぇねぇ本当なの!デタラメだ!いや!僕を信じてくれ!僕は何も知らない!楓さん。
あなたは4年前から後藤と組み詐欺で儲けたお金で傾いたホテルを立て直した。
そして後藤を…出所後は面倒を見るからと言い含め刑務所へ送った。
そしてあなたは町のヒーローとなった。
それがすべては政界進出のために。
しかし半年前お金をせびりにきた後藤とあなたが密会しているのを桂さんは偶然見てしまいあなたたちの関係に気づいた。
だからあなたは桂さんを殺した。
ところが同時に後藤を追ってきた島崎ユカさんの存在を知る。
そしてあなたは邪魔者は同時に殺すという恐ろしい計画を考えついた。
あなたはまずユカさんにおそらく後藤の情報をやるなどと言い呼び出し封筒に指紋をつけさせた。
そしてあの夜ユカさんが滝の湯に来ることを知っていたあなたはユカさんの指紋がついた封筒の中に例の「あいつを殺してください」の手紙を入れ滝の湯に置き私に発見させた。
ユカさんを印象づけるために。
そのあと桂さんと待ち合わせをしたあなたは林道で桂さんを殺害。
そして私が桂さんの遺体を発見するのを待ちあとから現れた。
その後本当は自分が襲われるはずだったことを示すため自作自演をした。
更にあなたは際限なくお金を要求してくる後藤が邪魔になり殺した。
お前!そのときユカさんから盗んでおいたお守りを現場に残した。
そして最後の仕上げはユカさんの殺害です。
あなたはユカさんを自宅に呼び出し睡眠薬で昏倒させ…。
車で運び崖から捨てた。
そして最後にホテルに遺書を残し今回の事件をユカさんの自殺で閉じようとした。
想像力がたくましすぎます。
すべてはあなたの想像と状況証拠でしかない。
証拠があればいいんですね?おい!おい!足のマメ潰してまで探してきたぞ〜。
おいこれ何だかわかるか?ユカのポケットに入ってたもんだよ。
お前の大事な選挙ポスターの一部だよ。
町に貼られたポスターは40枚。
で破られた43番。
オラ!てめえの家からよ。
ほら見ろこれ。
どうだこれさすが町のヒーローだ。
不透明さをなくすために几帳面にポスターにナンバリングつけたんだねぇ。
しかしそれがかえってあだになったんだぞ。
これは正真正銘お前の家にあった選挙ポスターだよ!もうろうとする意識のなかユカさんはきっとあなたが犯人だということを伝えたかったんだと思うわ。
そんなのでっち上げだ!あなたの家のプリンターを調べさせてもらいました。
例の「あいつを殺してください」の手紙。
そしてユカさんの遺書。
どちらもあなたの家のプリンターで印刷されたものだ。
〜何が悪いんだ。
え?俺が後藤を利用したのは私腹を肥やすためじゃない。
全部クソみたいな父親の借金を返済するためだ。
母さんが必死につくり上げ繁栄しようとした家を守るためにやったんだ。
愛する母さんの意志をまっとうしようとした。
それのどこが悪い!?家を守り繁栄させるためだ!繁栄させるため?守るため?そうだ。
そうだ本当だったらここから立花家は大きく羽ばたいていくはずだった。
日本中に名を知られる名家として。
ふざけないで!何が家を守るよ。
あなたは自分の独りよがりな欲でみんなの故郷を血で染めあなたはあなたが愛したお母さんの故郷を汚したのよ!安心してください。
今回の事件で少なくともあなたの名前は日本中に知れ渡ることになりますから。
行きましょう。
楓さん。
姉は私のために…。
そう立花さんに近づいたの。
彼の罪を暴くために。
それが唯一楓さんを救える方法だと思ったから。
データカードがこの鶴の羽の中に入ってました。
これ…。
私が幼い頃姉のために折ったものです。
(楓)幼い頃近所の子供たちにいじめられて…。
もう逃げられないぞ。
生意気なんだよ!ちょっとやめなさい!
(楓)そこへ姉が助けにきてくれて。
楓大丈夫?この!お姉ちゃん大丈夫?痛い…。
お姉ちゃん!早く元気になってねお姉ちゃん。
ありがとう楓姉さん…。
姉は…。
昔から何も変わってなかった。
いつでも私をかばい守ってくれた。
それなのに私はいつの頃からか姉に嫉妬し常に比べられることを恐れ姉を…。
うとましく思うようになった。
姉の優しさが…。
見えなくなっていった…。
もう姉は帰ってこない…。
どんなにどんなに祈ってももう…。
桂さんは楓さんの幸せを心の底から願ってたんだと思います。
今からでも遅くありません。
桂さんの分まで幸せになってください。
姉さん…。
ごめんなさい。
ありがとう。
(泣き声)いろいろとありがとうございました。
こちらこそ長居させていただきましてありがとうございました。
亜木子さん。
はい。
私は姉が愛したこの土地をあの旅館を守っていきます。
またいつでもいらしてくださいね。
はい。
(三島)青木さん。
三島さん。
浅井さんから今日お帰りになると聞いて慌てて。
あの失礼ですけど連絡先を教えていただけますか?えっはい。
お願いします。
もちろんです。
あの…大村さんに。
まあ結構いろいろいがみあったりもしたけど楽しかったっていうか。
今度は俺を拾ってくれみたいな。
知らない知らない。
前からやんちゃっていわれてたけど。
ちょっともう!浅井さん私は三島さんに…。
えっ何その展開。
ウソ…。
俺の番号は090…。
ちょっとうるさいうるさい…。
090…。
信じられない何。
聞いてよ。
聞かない聞かない聞かない。
何なのよ。
(寿美代)「涙から笑顔へ。
目を輝かせ新たな思いを語る楓さん」。
いい記事じゃない!ありがとうございます。
やっぱ亜木ちゃんは仕事に生きる人間なのよ。
結婚なんか来世でいい。
来世人間かどうかわかんないじゃないですか。
あ〜やばいやばい…。
どうしたんですか?え?いやさ駅前の易者に見てもらったらさこの半年の間に俺は結婚するという相が出たんだよ。
は?結婚式来てね。
社長もぜひ来てください。
日本中が主役です。
ふるさと日本愛をもって…。
愛をもって…。
私に愛がほしい!2018/02/13(火) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス 西村京太郎サスペンス[字]

トラベルライター青木亜木子〜湯煙の中の殺意〜
絶景露天風呂で3件の殺人連鎖…老舗旅館骨肉の争いが暴いた花嫁の秘密!

詳細情報
番組内容
 旅行誌の記者をしている青木亜木子は、伊豆特集を組むためにカメラマンの浅井とともに伊豆へやって来た。伊豆には旭桂と妹の楓という美人姉妹が切り盛りする旅館があり、雑誌で取り上げる予定だったのだ。亜木子は旅館の風呂で「あいつを殺してください」と書かれた不審な手紙が落ちているのを発見し、その直後、姉の桂が何者かに殺害されているのを発見してしまい…。
出演者
青木亜木子…友近
 浅井亨…泉谷しげる
 田嶋寿美代…山村紅葉
 三島敏明…宍戸開
 旭楓…滝沢沙織
 立花佑介…大浦龍宇一
 大村竜平…マキタスポーツ
 旭桂…古川りか
 島崎ユカ…三津谷葉子
 上原拓郎…乃木涼介 ほか
原作脚本
【原作】西村京太郎「都電荒川線殺人事件〜湯煙の中の殺意〜」(光文社文庫)
【脚本】山岡潤平

監督・演出
【監督】鶴巻日出雄

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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