客数減が止まらない、「モスバーガー」の苦境
国産野菜使用など強みを生かせない理由とは
ハンバーガーチェーンで国内店舗数2位のモスバーガーが苦しんでいる。
モスバーガーを運営するモスフードサービスは2月9日、2017年度第3四半期(2017年4~12月期)決算を発表した。売上高は544億円(前年同期比0.8%増)と横ばいながら、本業の儲けを示す営業利益は33億円(同19.6%減)と減益で着地した。
減益の主な要因は、牛肉など食材の価格高騰や、システム関連投資に伴う償却負担がかさんだことだ。一見すると、一時的な要因による業績低迷にも思えるが、モスバーガーの苦戦は今に始まったことではない。
SNSを通じた販促が不十分
モスバーガーの既存店客数は2013年度から4期連続で減少している。今2017年度も2017年4月~2018年1月の累計の既存店客数は前年同期比1%減。こんなにも長く客数減が続いているのはなぜか。理由の1つが効果的な販促施策を講じられていないことだ。
競合の日本マクドナルドは、ここ2年ほど、話題の拡散を狙ってツイッターを中心とした宣伝にシフトしている。昨夏に仕掛けたキャンペーンは「マック」と「マクド」の2つの愛称を懸け、東京・大阪それぞれをイメージしたバーガーどちらを支持するかをツイッター上で競うというものだった。キャンペーンに参加すると商品のクーポンが届くという仕組みで客数増につなげた。
一方、モスバーガーはテレビCMを打ったりしているが、ツイッターなどSNSを通じた商品訴求が不十分だ。同社は国産野菜の使用や、健康を意識した商品開発で知られるほか、ここ数年はご当地色を打ち出したメニューを強化している。だが、モスフードサービスの中村栄輔社長は昨年11月の中間決算説明会で「自分たちの強みをもっとアピールしていく必要がある」と販促の弱さを認めている。