「女性専用車」は、それが本当なら、本当に「女性専用」なら日本国憲法第14条1項に「違反」します。ですから、鉄道会社は「女性専用車には男性も乗れる」としているのです。しかし、「女性専用車」を命名し、「女性専用車」「Women Only」などと書かれたステッカーをホームや車体の内外に貼ることで、あたかも「男性は乗れない」かのようになっています。そして、今やそれが「当たり前」のように思われているのです。

 そのせいでしょうか、世の中には、さまざまな「女性専用」「女性優遇」があふれています。身近なところでは、「女性割引」「レディースデー」です。「女性専用席」「女性専用フロア」「女性専用マンション」なんてのもあります。そうそう、公務員採用試験や大学入試において、女子受験者に下駄を履かせる(=えこひいきする)、優先的に合格させるのは「不正入試」と言っても過言ではない異常事態です。

 こういう「女性専用」「女性優遇」を正当化する際には、いろんな理由がつけられます。「女性割引」や「レディースデー」なら、「女性は給料が安いから」とか、「女性客が少ないから誘引するため」などという理由が挙げられます。女性は給料が安い? いえいえ、給料の安い男性も結構いますし、自由になるお金を持っているのは、むしろ(若い)女性の方でしょう。女性客を誘引するため? 「営業戦略」「企業の自由」などと言う人がいますが、「だから、何をしてもいい、(男性)差別していい」とはなりません。

 図書館の「女性専用席」は、「女性専用車」と同様、公共性が高いので、不当性が高いと言えます。一説には、「実はホームレス対策で、そうハッキリ言えないから女性専用(=男性お断り)にした」とありますがどっちもダメ、「非常に汚い人は入館不可」とした方がまだマシでしょう。ホテルの「女性専用フロア」も、ホテル側とすれば「営業戦略」「企業の自由」などと言いたいのでしょうが、まるで「男性がいると安心できない」「男性は皆、不審者」と言われているようで、不快です。ただ、「女性専用マンション」は公共性、代替物の有無からすれば、比較的、不当性は低いでしょう。