案の定、「任意性が担保されていない場合」がしばしばあります。今はそれほどでもなくなりましたが、数年前までは停車駅ごとに駅員数人がやって来て、他の車両への移動を「お願い」してきました。時には発車時刻が過ぎても、「任意協力」のお願いをやめようとしないこともありました。それで、電車の遅延を私のせいにされたら、たまったものではありません。
仲間の中には、武蔵浦和駅で3人(助役、駅員、一般男性)に腕をつかまれ、無理矢理降ろされた人もいました。その際、録音や録画をしていなかったので、本社に抗議に言っても「助役は『お客さま同士が揉めていたので、お二人に降りて貰った。その際、お客さまの身体に触れたかも知れない』と報告している」とし、結局謝罪はありませんでした。一方、同時期に私が(上野駅で)警備員に身体に触れられ乗車を妨害されたケースは、その模様を録画してあったので、本社は謝罪しました。
こういう経験をしたからこそ、その後「女性専用車」に乗車をする際、録音や録画を心がけるようになったわけです。ちなみに、秘密録音は「合法」ですし、相手の許可なく撮影するのを「盗撮」などと騒ぎ立てる人もいますが、日本には撮影(自体)を制限したり、禁止する法律はありません。してはいけない撮影は、スカートの中を撮影したり、無断で映画を撮影するなど、迷惑防止条例や著作権法に違反する撮影です。なお、民法上は、肖像権(人格権)の侵害が問われる場合がありますが、それは本人と分かる状態でネットで公開したり、チラシにして配ったりした場合で、撮影自体が人格権の侵害となった裁判例はいまだかつてありません。極論かもしれませんが、顔を撮影されるのが嫌なら、芸能人がしているように帽子やサングラス、マスクをして「自己防衛」するしかありません。
ドクター差別、盗撮で逮捕!?(世紀の大誤報)
本社が「男性も乗れる」と言っていても、現場がそうでなければ、利用者はどうしていいか分かりません。だから、たびたび「任意かどうか」を確認しているわけですが、以前は平気な顔して「男性は乗っちゃダメ!」なんて言う鉄道係員もいました。今でも、こちらが「男性も乗れますよね?」と聞いても、「はい、乗れます」と答える鉄道係員の方がむしろ「少数派」です。たいていの場合は「ご協力いただいている」などど、答えにならない答えが返ってきます。こういう押し問答を駅の案内所などで20分、いや30分ぐらいしたこともあります。
1人のドクターと2人の助役
乗り物は「乗れるか、乗れないか」のどちらかです。その「中間」なんてありません。「任意の協力」にしても、「乗れる」という前提がなければ、「任意(の協力)」にならない「強制」です。「乗れる(=任意)」ということが確認されて初めて「協力」は成り立つのです。