旅行をたくさんするのが好き、そんな旅行先でたくさん写真を撮って持ち帰りたい!そう思う人はたくさんいるはず。
一方、カメラそんな詳しくないしどれを買っていいのかもよくわからない、なんていう悩みを抱えて最後の一歩を踏み出せず結局スマホで我慢しちゃっている人も多いはず。
私は現在欧州に在住中のため、日本からはなかなか行けないような辺鄙なところも含め旅行してはこのブログで紹介していますが、やはりその際重要なのがカメラ。長い時間をかけてカメラ選びをしてきました。
そんな私が最終的に選び、今使用しているのがマイクロフォーサーズという規格を採用したミラーレス一眼カメラ。
一方、「マイクロフォーサーズ」や「ミラーレス」をGoogleなどで検索して出てくるのは「初心者向け」「ステップアップ用」のような、本質を見て比べていない物販目的の記事ばかり。
私が使うカメラも含めそこらのフルサイズ一眼よりずっと高価な高級モデルまであり、プロでさえ使っている規格であることを知らないのでしょうか?
それこそあまり知識のないカメラ初心者を顧客ターゲットとしてしか見ていないような、バカにしてるような薄っぺらい記事ばかりで憤慨。
そんな愚痴はさておき、今回は、新しい旅行カメラの購入を検討している方向けに、私が全力でおすすめしたいカメラ規格であるマイクロフォーサーズとその理由を紹介します。
目次 [表示]
1. マイクロフォーサーズ規格とは
まずマイクロフォーサーズってなんだ?っていう方に簡単な説明をしていきます。
カメラには画像をデジタル信号として捉える「センサー」が付いており、このセンサーのサイズや縦横比が各メーカーそれぞれ異なる規格のものを使用しています。
例えばiPhone7や8に使われている1/3型。こちらは4.8×3.6mmの小型センサーで、スマホカメラの多くがこの前後の大きさの規格を採用しています。
一方、ハイエンドコンパクトデジカメと言われるNikon1などに使われているのが1型と呼ばれるセンサーで13.2×8.8mm。スマホカメラよりも随分と大きなセンサーが使われているのがわかるかと思います。
マイクロフォーサーズ規格は2008年にオリンパスとパナソニックの共同でミラーレスカメラ向けに開発された規格で、センサーの大きさは17.3×13mm。さらにセンサーサイズが大きくなってるのがわかると思います。
もちろん上を見ればきりがなく、商業写真で使われるような超大型カメラに付けられる中判(43.8×32.8mm)と呼ばれるものや、The一眼レフで使われている36×24mmのフルサイズ規格など様々。
もちろんセンサーサイズだけで画質が決まるわけではありませんが、写真の質を決める大きな要素の1つです。
では、大きい方がいいのか?という疑問ですが、実は大きければ大きいほどデメリットもあり、用途によって正しい選択をすることが重要になります。
ちなみに私が使用しているのはマイクロフォーサーズ規格の
の2台(それぞれ別記事でカメラ紹介中)。記事内でお見せする写真も全てこのカメラで撮影しています。
マイクロフォーサーズ規格は主にオリンパスとパナソニックのカメラで使用されているのでマイクロフォーサーズカメラといえばこの2社のカメラのことだと考えてください。
2. コンデジ・スマホカメラと比較
ではまず、マイクロフォーサーズ規格カメラが、旅行カメラとしてスマホカメラやコンデジよりも優れている理由を挙げていきます。
2-1. 許容力の差
最近のiPhoneもかなり優秀で、ちょっとスナップを取るくらいであればスマホで十分。この部分は強く同意します。
ですが、いざ夜景の写真だったり逆光時の写真だとどうでしょうか?ノイズで画面がザラザラになったり、白くモヤがかかったような写真になってがっかりということはありませんか?
まして拡大するともはやガッカリして2度と見たくないレベル。
日中の条件のいい写真を撮るだけであればスマホでも十分ですが、そのセンサーサイズの小ささもあり少し条件が悪化すると途端に不利になってきます。
気軽にスマホやコンデジ感覚で夜景を撮っても細部までくっきりと明るく写る、それがマイクロフォーサーズ規格のカメラの特徴です。
2-2. レンズのバリエーション
マイクロフォーサーズ規格のカメラは「ミラーレス一眼」の元祖ともいうべきカメラ。
そのためもちろん色々な特徴を持ったレンズに交換して使用することができます。
超望遠レンズを使って遠くにいるものを撮影したり、超広角レンズを使って絶景を全て切り取ってみたり、撮りたい写真に応じてレンズを交換して楽しむことができます。
スマホカメラではそもそもズームなども一切できないことが普通なので、自分の好きなレンズに交換できるというのは大きなメリットの1つです。
2-3. 圧倒的な画質差
やはりスマホやコンパクトデジタルカメラと比較したらその画質差は歴然。
4Kテレビやモニターで写しても細部までくっきりと描写されており、写真を人に見せた時のリアクションは保証ものです。
さらにオリンパスのカメラに搭載されている「ハイレゾショット」という機能を使うと、センサーを微妙に写しながら5枚の写真を撮影し自動で合成することでなんと5000万画素相当という写真を撮ることも可能。
どのくらいすごいかというと、写真撮影後に拡大していくと建物の中にいる米粒サイズの人が来ているTシャツのブランドがはっきりと写るくらい(わかりにくい?)です。
2-4. バッテリーの持ち
スマホカメラを使っている人の一番の悩みといえばバッテリー。特にカメラ機能はバッテリーを消耗するため頻繁に充電ができない旅先ともなるとこのバッテリー問題は深刻です。
マイクロフォーサーズ規格のカメラにはなかなか優秀なバッテリーが付いており、条件にもよりますがだいたい300〜400枚程度であればバッテリー1つで撮影可能。
私の場合旅先で1日に撮影する枚数がだいたい250枚程度なのですが、撮影中にバッテリーがなくなって困ったということはありません。
もちろんオーロラ撮影やタイムラプス撮影などする際には予備バッテリーを用意しておけばさらに安心です。
3. フルサイズセンサーカメラと比較
実際この記事を読んでいる人の多くが、フルサイズ一眼カメラにしようかマイクロフォーサーズ規格を含むミラーレスカメラにしようか悩んでいるのだと思います。
私的に言わせれば旅行カメラということを考えればミラーレス一択。今まで30カ国以上私の愛機であるオリンパスカメラと訪れましたが、行く先でいつも満足のいく画をうつし出してくれます。
ここでは、特に旅行カメラとしてマイクロフォーサーズ規格カメラが優秀である理由を挙げていきます。
3-1. 旅スナップに求めるもの
旅行先のスナップ写真に求めるものがどこにあるのか、をよく考えてください。背景までくっきり写っているシャープな写真なのか、それとも背景がとろけるようにボケているような写真なのか。
国内でポートレートやアート作品を撮影する際にはボケということも重要になってきますが、旅スナップで求めるものはやはりシャープさ。
ボケ味ではフルサイズ一眼に劣ると言われるマイクロフォーサーズですが、逆にいうとシャープな写真は極めて得意になります。
ここでキーとなるのが絞り(F)値。F値が高いほどシャープな一方シャッタースピードが下がり手ブレしやすくなります。
フルサイズカメラの場合、シャープな写真を得るためには
- 絞り(F値)を上げる→シャッタースピードが下がる→手ブレが起こるため三脚を使う
- 絞り(F値)を上げる→シャッタースピードを下げたくない→ISO(感度)を上げる
の2通りがあります。前者の場合は三脚という大きな装備品がいること、後者の場合にはISOをあげることによって写真にノイズ(ざらつき)が加わるという大きなデメリットが。
一方マイクロフォーサーズカメラの場合はF値が低くてもシャープな写真を描出するため、風景撮影にはもってこいです。
フルサイズの絞り値F16がマイクロフォーサーズのF8と同様のシャープ具合になるため、いかにシャープな写真に有利かがわかるかと思います。
3-2. かさばらないコンパクトさ
旅カメラとして忘れてはならないのがカメラやレンズの大きさ。
フルサイズカメラはセンサーサイズが大きい分カメラ本体も大きく、よって交換レンズも大きいのが常識。
一方マイクロフォーサーズ規格カメラはもともとハンディでどこにでも持ち出せることをコンセプトにしているため、全てを小さくまとめることに成功しました。
カメラは精密機器ですのでもちろんスーツケースに入れることはできず基本的には手荷物。
旅行先では大きなカメラはそれだけで体力的な負担にもなりますし、さらに機内持ち込み荷物制限などを考えると手荷物を極力減らすのが常識です。
7mmの超広角レンズや400mmの超望遠レンズでも、マイクロフォーサーズ規格のレンズでは片手で余裕で持てるほどコンパクト。
普段から外に気楽に持ち出せるレンズでないと旅行では使えません。
3-3. 写真容量
旅行先となると非日常の連続。その土地ではなんてことない日常の光景ですら、珍しく思わずシャッターを切ってしまうもの。
写真を撮った後はもちろんコンピュータに取り込んで保存していきますが、その時バカにならないのが写真1枚1枚のサイズ。
マイクロフォーサーズ規格のカメラで撮影した写真もスマホ写真と比べればサイズはとても大きくなりますが、それでもフルサイズ一眼のものよりは小さく納まることが多く経済的。
たくさん撮影した写真を選別し削除してスペースを確保するなんていう無駄を省くことができます。
最近フルサイズ一眼レフカメラでは4000万画素なんていうのを売りにしたカメラも多くありますが、そんなカメラで撮影したカメラはjpeg1枚でも40MBくらい容量を使ったりするので、趣味として使うには非現実的です。
よく言われることですが、撮影した写真を映画館のスクリーンで写したり、何十メートルにも及ぶような大きなポスターに使ったりしない限り、そこまでの高画素は無駄そのものです。
むしろ画素数が増えれば増えるほど、ブレ等失敗のリスクが上がるので要注意です。
3-4. ゴミの乗らないセンサー
レンズ交換式のカメラを使うのであれば、旅先でもその恩恵を生かして場面にぴったりなレンズに交換して撮影したいところ。
センサーというのが画像にとって決定的な要素で、ここにほこりの1つでもつくと画像に大きくシミがついたりと非常に繊細な場所。
マイクロフォーサーズ規格の元祖オリンパスのセンサーは昔からゴミが乗りにくいと評判で、事実私も旅先では何十回とレンズ交換しますが未だに埃がついてセンサーが汚れたという経験がありません。
センサーサイズが大きく、さらにミラーなど複雑な構造をしているフルサイズ一眼レフカメラだと屋外でのレンズ交換もある意味命がけなところがありますが、マイクロフォーサーズ規格カメラではレンズ交換をどこでも楽しめます。
3-5. 驚異的な手ぶれ補正
旅先でもちょっと写真にこだわりたい人がやりたいと思うこと、それが長時間露光。
夜景をより華やかに見せたり、滝の水の流れをより強調したい場合などに使われます。
通常こういったテクニックは三脚の利用が常識。ですがオリンパスのOM-Dシリーズで採用されている驚異的な手ぶれ補正機能を活用すれば手持ち撮影でも可能になります。
露光時間2秒程度であれば素人でもブレなしでくっきりな写真撮影が可能。ツワモノでは5秒でも手ブレしないなんていう人もいます。
フルサイズ一眼レフカメラではまず常識的に考えられないことですがマイクロフォーサーズでは現実的に可能です。
3-6. 自撮りもできる
忘れてはいけないのが、旅先では景色と一緒に自分達も入りたい!という思い。言葉の壁やカメラ機能的な問題もあり、なかなか海外だとカメラを他人に預けるということには躊躇しがちです。
マイクロフォーサーズ規格の多くのカメラにはバリアングル液晶モニターが付いており、手持ちでの自撮りも可能。
極端に重いレンズをつけていたりしない場合には女子でも余裕。旅先での思い出が風景写真だけじゃ寂しいですもんね。
よく旅先で大きなフルサイズ一眼カメラを持っている人を見かけますが、そうなるともはや片手での手持ち撮影は男性でも不可能。
せっかくいいカメラを持っているのに、自撮りは画質もへったくれもないスマホのインカメで、なんていうのを見ると悲しくなります。
3-7. 屈強で頼もしい
最後に紹介したいのが、オリンパスのOM-Dシリーズの屈強さ。
左の写真はアイスランドの滝に近づいて撮影した際のもの。まるで土砂降りの中撮影しているような環境で、電化製品にはあまりに過酷な環境ですが、オリンパスの防水性能は異次元レベルのため全く問題なし。
周りの人を見ると皆カメラを守ろうと必死になっていましたが、水は怖くありません。
右の写真はスウェーデン北部でオーロラ撮影後の写真。当時外気温はメーカー耐用限度を超える−20度でカメラ本体もキンキンに冷えており、そのまま何の対策もすることなく室内に持ち込んだところこうなりました。
一瞬にして結露し、その結露した水が冷やされカメラごと凍結したという一場面です。
ズームレンズも凍結し物理的に完全に動かなくなったのでさすがに壊してしまったかと思ったのですが、その後数分して凍結が治るとカメラは普段通り正常に機能。
ずぶ濡れになっても凍っても壊れない、それがオリンパスのカメラです。
4. マイクロフォーサーズおすすめカメラ
というわけで、マイクロフォーサーズ規格カメラがなぜおすすめなのかを紹介してきました。
最後にそのマイクロフォーサーズ規格の中でも特におすすめなカメラを何十とあるモデルの中から4つだけ紹介していきます。
いずれも特徴が随分と違うので、紹介順=お勧め順にはなっていません。目的と好みに応じて選んでみてください。
4-1. パナソニック GH5
まず最初に紹介するのはパナソニックGH5。パナソニックカメラの中でもハイエンドモデルの位置付けです。
画質がいいなど当たり前のことはさておいて、このカメラの特徴はなんといっても動画性能。
ボディ内5軸手ぶれ補正や4K動画機能など、プロのYoutuberやテレビの海外ロケなどでも使用されるほど動画性能が高く評価されています。
旅行先で写真だけではなくて動画もばっちり撮りたい、という人におすすめです。
4-2. オリンパス OM-D EM-1 Markⅱ
現在私がメインで使っており、このブログで使用しているほとんどの写真を撮影しているのがこちらのカメラ。オリンパスのマイクロフォーサーズ規格カメラとしてのハイエンドモデルになります。
画質はもちろんのこと、とにかくその他の機能が充実。
オリンパスの技術がすべて入ったカメラでもあり、手ぶれ補正や連写機能、オートフォーカス機能などは他社フルサイズ一眼カメラのハイエンドモデルをも凌ぐレベルに仕上がっています。
にもかかわらず、コンパクトには違いなく、旅先で最高の写真を撮りたい、そんな目的にぴったりのカメラです。このカメラについてはこちらのレビュー記事で詳しく紹介しています。
4-3. オリンパス OM-D EM-5 Markⅱ
こちらも同じく私が愛用しているカメラ。前述のEM-1 Markⅱの1つ下位(OM-Dシリーズでは中位)モデルで、水浸しになったり凍結したりしているカメラがまさにこのカメラ。
小型化のためにグリップ部分が省略されていたりと、1日数百枚撮影するヘビーユーザーにはちょっと扱いづらい部分があったため現在ではサブ機にしていますが、特に現在は冬専用として使用中。
個人的な実感ですが、−10度を超えるような極地ではEM-1 Markⅱよりも耐寒性能が強く、バッテリーの持ちもいいなど、寒冷地での撮影では全幅の信頼を置いています。
日常使いで気になる機能的な差は画素数がEM-1 Markⅱよりも少ない1600万画素となっているくらいで、実際問題としてほとんど差がありません。
一方EM-1 Markⅱと価格差がかなり大きいので、より小型で丈夫で安価なカメラを求める人におすすめです。
こちらの記事でカメラレビューをしていますので興味がある方は参考にしてください。
4-4. オリンパス PEN E-PL9
旅行カメラとして女子を中心に熱狂的に支持されているPENシリーズ。その中で最新・最強お出かけカメラとして登場したのがE-PL9になります。
その可愛らしい見かけによらず、オリンパスのハイエンドカメラ、OM-D E-M1 Mark IIと同じ画像エンジンを搭載している超本格カメラで、手ぶれ補正や高速連写性能などもプロお墨付き。
一方、その小型サイズを生かして、スマホで簡単にシェアできる機能や自撮りが簡単なバリアングル液晶、多彩なアートフィルターなど、旅行先に気軽に持ち出して思わず写真をとりたくなるような、そんなカメラに仕上がっています。
旅行先で撮った写真をその場で旅仲間とシェアしたりSNSで公開したり出来る、フットワークが軽くなるようなカメラになっています。
5. 最後に
いかがでしたか?
旅行カメラとしてマイクロフォーサーズ規格カメラをお勧めしたい理由を11個、スマホやコンデジ、フルサイズ一眼カメラと比較しながら紹介しました。
私が海外で生活することになる際に悩みに悩み抜いて購入したのがマイクロフォーサーズ規格のオリンパスカメラ、OM-D EM-5 Markⅱ。その後EM-1 Markⅱを買い足したりなど大好きな規格のカメラになります。
今では日常のスナップはもちろん、オーロラ撮影や鉄道写真までなんにでも使っていますが、いつも撮れる写真に大満足。
画質はもちろんのこと、その取り回しの良さや悪条件の中でもカメラのダメージを気にせず撮影できる頼り甲斐など、好きな点をあげたらきりがありません。
旅行カメラを探しているという方は是非、マイクロフォーサーズカメラを手に取ってみてください!
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