最近、スマホの電池の持ちが悪くて1日もたないことが多い。
店頭で新機種を触っていると、さすが新しいだけあってサクサク動く。ぼちぼち買い換えようかな。
スマホの買い替えタイミングは、人それぞれですが、現行機種の性能低下劣化はひとつのきっかけ。絶対に困るわけじゃないけど、新しい方が使いやすい。
しかし、機種が古くて動作が重いと思っていたら、実は気が付かないうちに意図的に遅くされていたとしたらどうでしょうか。
これが、年末から話題となっている、電池劣化 iPhone の意図的な低速化問題です。
Apple 社は、「バッテリーが劣化していると、電力供給不足となり突然のシャットダウンが発生する。それを防ぐために消費電力管理を性能に優先させるソフトウェアアップデートを適用した。」との見解を出しています。
しかしながら、このアップデートはユーザーの知らないところで行われ、ユーザーからの指摘で発覚。これでは旧機種からの買い替えを促進させるために意図的に速度を低下させたと思われても仕方ないですよね。Appleタイマーと揶揄され、消費者からは集団訴訟も提起されています。
さて、わが家にはiPhoneがあるのので、せっかくなのでバッテリー劣化による速度低下が実際にどんなものか、わが家のiPhone で検証してみました。
iPhoneのバッテリーは思ったより劣化している?
まずはバッテリーの状態から。iPhoneアプリでバッテリー管理のメジャーアプリはないので、MacのフリーソフトcoconutBatteryで計測です。
まず、2年半使用したiPhone6で使ってみると、バッテリー容量(Design Capacity )は49%。なんと半分以下です。2年も使えばこんなに劣化するものなのか。
さらに、1年ほど使用しているiPhoneSEで計測すると、65%。最近バッテリーの持ちがだいぶ悪い気がしていましたが、1年でこんなに劣化するとは…。バッテリーの劣化は毎日少しずつなので気が付きにくいけれど、思ったより劣化しているものですね。
ベンチマークソフトで処理速度を確認
続いて、バッテリーが劣化したiPhoneの処理速度の計測です。
ベンチマークアプリとして有名なGeekBench4で、CPUのシングルスレッド速度を計測してみました。このアプリ、各機種の標準的な速度が比較対象として示されており、わかりやすいです。
iPhone6の処理速度を数値化してみると一目瞭然です。結果をみると1世代前のiPhone5sよりも遅い!数字的にはむしろ2世代前のiphone5に近い性能かも。
続いてこちらはiPhoneSE。使用期間1年なのに、1世代前のiPhone6並みの性能に退化してしまっています。
ちなみに、参考として使用期間半年で電池が大丈夫なiPhone7でも確認。こちらは当たり前ですがベンチマーク標準並みの結果がでました。
わが家の結果では、バッテリーが劣化したiPhoneは、1世代前の機種以下に処理速度が低下するようです。
こんな速度低下措置を、ユーザーに内緒でされればそりゃ怒りますね。集団訴訟も当然といえば当然かもしれません。
バッテリー交換プログラム適用後の結果
さて、劣化したバッテリーを交換してみると性能は改善するのか・・・。
劣化の激しいiPhone6をさっそく交換してきました。保証期間は過ぎているので有償です。
交換後はなんか買い替えたかのようにサクサク動く!体感速度で既に改善が実感できています。
ベンチマークでもしっかり標準と同じような結果がでました!この時点でもう一台のiPhoneSEよりも高い処理速度となっています。
バッテリー交換の効果はてきめん。速度低下の原因はバッテリー劣化だったわけですね。
バッテリーが劣化しているなと思ったら早めの交換を。
速度低下問題での炎上を受け、Apple社はiPhone6以降の機種につき希望者全員にバッテリー交換ができる対応とし、保証期間が過ぎている場合のバッテリー交換価格も税抜き3,200円(これまでは8,800円)とかなり安く設定されました。
support.apple.com
保証期間やApplecare+の期間がある人は、無料交換期間のうちに一度アップルストアなどで交換するといいかもしれません。
保証期間を超えてしまっている人も、3,240円で1世代分くらいのパフォーマンスアップが期待できる(というか下げられているのを回復させるだけだけど)なら安いものかも。
なお、先ほどのiPhone6を交換に行った際、アップルストアでバッテリー診断をしましたが、結果はなぜか容量90%。健全と不健全のボーダーラインという結果でした。
「coconutBatteryで49%でしたし、こんなに電池がすぐなくなるのに、残量90%はないですよね」と言ったら、「バッテリー性能は室温にも左右されます。AppleストアはスタッフがTシャツを着ているくらい暖かいので、よい診断結果がでる傾向にあります。」とのこと。
バッテリーの診断はどこまでいっても目安にすぎません。公式の診断結果よりも正直自分の体感の方が信用できるかもしれませんね。
さて、今回処理速度計測に使用したのは、GeekBench4というベンチマークアプリ。
「パーツを入れ替えてチューニングができるPCならともかくスマホで計測してもな…」と思っていましたが、今回のようなケースでは役立ちました。
「自分のiPhoneが処理速度制限の対象になっているか」など、iPhoneの状態を客観的に計測したい方は、価格も120円と安いので、なかなか使えると思います。バッテリーのベンチマーク機能もありますよ。