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教科書改善の会は本日、沖縄戦集団自決に関する教科書検定撤回に反対する要望書を渡海紀三朗文部科学大臣あてに提出しました。
平成19年11月30日
文部科学大臣 渡 海 紀 三 朗 様
改正教育基本法に基づく教科書改善を
進める有識者の会(教科書改善の会)
代 表 世 話 人 屋 山 太 郎
ほか世話人・賛同者115名
要 望 書
この春発表された教科書検定の結果、来春から使われる高校日本史教科書から、先の大戦末期の沖縄戦での集団自決に旧日本軍の命令や強制があったとする記述が削除されました。ところが9月29日に検定撤回を求める大規模な沖縄県民大会が開かれると、渡海大臣は「教科書出版社から訂正申請があった場合は、真摯に対応したい」と述べ、訂正申請があれば記述を元に戻すと示唆されました。これを受けた教科書会社は、検定意見が付かなかった教科書も含めて訂正申請を行い、軍による命令・強制の記述の復活を目指しています。
私たちは、こうした事態に至る過程で関係者の間にいくつかの大きな誤解があったと考えています。
第一に、今回の検定意見は集団自決が起こった事実、あるいは「軍の関与」や体験者の証言を否定しようとするものではありません。あくまで、軍が集団自決を命令・強制したかどうかの断定ができなくなったため、軍が命令・強制したとの記述に対して「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現」という意見を付けたまでなのです。ちなみに、歴史的事実からいえば、沖縄戦での集団自決が軍の命令・強制で行われたという事実はなく、意図的に作り上げられた虚構であることが最近の研究によって判明しています。少なくとも、軍による命令・強制を裏付ける証拠が見つかっていない以上、当然ともいえる検定意見でした。
自主訂正を認める形での検定撤回について渡海大臣は、沖縄県民大会を受けて検討を始めたことを認められました。しかし、この県民大会の参加者数は主催者発表では11万人となっていますが、私たちの関係者が会場の航空写真をもとに数えたところ、2万人以下であることが判明しています。これも誤解の一つです。
私たちは県民大会に集まった人たちの思いを、一部勢力に煽動されたところはあるにしろ、真摯に受け止めなければならないと考えています。多くの沖縄県民の胸中には、自身やその家族が犠牲になった沖縄戦について、本土側の無理解があるとの不満が渦巻いています。今回の動きも、集団自決について検定意見が付けられたことをきっかけに、集団自決という歴史的事実自体が教科書で否定的に扱われるようになるのではないか、場合によっては沖縄戦での犠牲も軽視されるのではないか、という誤解が背景にあると思われます。
私たちは、歴史教科書には本土防衛の盾となった沖縄戦の尊い犠牲について感謝と共感を示す記述が必要だと考えています。沖縄の県民感情に配慮すべきはこのような点であり、決して集団自決を軍の命令や強制によるものとして史実を捻じ曲げることではありません。
教科用図書検定規則第13条によれば訂正申請は、誤記・誤植や明白な事実の誤りなどに限られ、検定意見にかかわる事後の書き換えは認められていません。報道によると、文部科学省は教科書会社に対し、訂正申請の理由を「学習をすすめる上に支障となる記載」とするよう示唆し、暗に誘導したとのことです。「学習上の支障」は、原則的に視覚障害者への色彩の配慮、問題の並べ方の誤り、難しい専門用語に対する脚注の追加-などに限られてきた理由であり、検定意見の否定に利用するという脱法行為は許されるものではありません。訂正申請を受けて教科用図書検定調査審議会を開いたことも検定制度を逸脱した行為といえます。
以上の趣旨から、沖縄戦集団自決をめぐる教科書検定について下記3項目を強く要望します。
記
1.検定は史実に基づいて行い、根拠の不明確な沖縄集団自決「軍命令・強制」説に依拠しないこと。
2.教科用図書検定基準などの法令に則り、平成18年度検定での検定意見を堅持し、自主訂正を認めないこと。
3.中学校の歴史、高等学校の日本史の学習指導要領改訂にあたっては、沖縄戦の犠牲に対する感謝と共感の念をはぐくむよう記述すること。
以上
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