医療情報ネットワークで設定ミス
県内の病院などの間で患者の診療情報が共有できる県の医療情報ネットワークでシステムの設定にミスがあり、開設からおよそ4年にわたって、患者の同意がないまま一部の医療機関で診療情報が閲覧できる状態になっていたことがわかりました。
かがわ医療情報ネットワーク「KーMIX+」は、患者の診療情報を病院間などで共有し、円滑な医療を進めようと、平成26年から県などが始めたシステムで、県内およそ150の医療機関が加入しています。
このシステムでは、患者の同意がなければ名前やカルテなどの診療情報をほかの医療機関が閲覧できないことになっていますが、開設からおよそ4年にわたって、患者の同意がなくても一部の医療機関で閲覧できる状態になっていたことがわかりました。
県によりますと、今月上旬にこうした状態に気づいた医療機関からシステムを開発した会社に通報があり、会社が調べたところ、初期設定の段階のプログラムのミスが原因とわかったということです。
県の調査によりますと、5つの医療機関が25人の患者の名前やカルテを閲覧していたということですが、患者が受診した医療機関どうしの閲覧にとどまっていて、外部への情報の流出などの被害はないということです。
システムはすでに改修され、県は今後、情報が閲覧された患者に経緯を説明して謝罪することにしています。
県医務国保課の長尾英司課長は「同意がないままの閲覧は、本来あってはならない事態で、大変重く受け止めている。患者に迷惑をかけて申し訳ない」と話していました。