砂日記ばーじょん2.0

IT関連の仕事中に浮かんできたポエムとか読んだ本の感想とか書いていきます。

もっと開発したくてSIerから事業会社に転職して1年経った今、僕はやりたかった仕事ができているのか

adventar.org

本記事は、退職者その2 Advent Calendar 2017 - Adventar の4日目の記事となっております。
3日目の記事は、kuwaccho0711さんの「東京の会社を退職し青森にUターンした話」でした。

皆さんスッキリとした読みやすい記事を書いていらっしゃって、クソ冗長になってしまった自分の記事を出すこと若干躊躇してしまう。

ざっくりと書いたこと

SIerから事業会社に転職した動機、転職活動の進め方、転職して1年たった現状の振り返り、という流れでいきたいと思います。
これから転職活動をしようと考えている方の何かしらのヒントになれば幸いです。

前職について

  • 1000人規模の金融系SIerシステムインテグレーター
  • 一応中堅どころの会社で、キャリアを積むと大体がマネジメントやPL(プロジェクトリーダー)、PM(プロジェクトマネージャー)になり、上流工程のみをやる感じ。
  • 自社も含め4~5箇所の現場を10年間で経験した
    • 最後の常駐先が最も長く、4年くらい常駐開発していた。
  • よくあるSIerのキャリアを積んできた(最初はプログラマーとしてコーディング、テストに関わり、設計、要件定義と段々上流工程に向かっていく感じ)

転職までの経緯

  • 最後の常駐先(事業会社)での色々
  • 最初は元請けとして僕と先輩社員の自社社員2人と、下請けとしてパートナー会社要員2人の合計4名が準委任契約でアサインされた。
  • PHPJavaでのBtoCサービスの開発を要件定義から運用保守まで一貫一任でやらせて頂いて、とても充実した経験ができたし転職活動でも強みになった。
  • 常駐から1年半が経ち、新規サービスの開発でパートナー要員を倍増したところで、先輩社員が諸事情で離脱。
  • 以降、社員が自分ひとりで、開発とパートナー要員管理の二足のわらじを履いて仕事をすることになった。
  • 社員は補充されず、一方でパートナー要員が増えていくにつれて、管理業務の比率が増えていった。
  • 顧客からはサービス開発を求められ、自分もエンジニアとしてのキャリアを希望していたが、上司は技術的な関心が薄く、仕事の内容や成果を報告しても評価されにくかった。いかにパートナー要員を維持・増員していくかに関心が強かったように思う。
    • 準委任契約だったので、顧客から増員要求があってパートナー要員の調達に成功すればそれだけチームの売上が伸びる。
      • 開発でどれだけの価値を提供するかより、要員をどれだけ増やしたかの方が指標として分かりやすいのは当然ではある。
      • また、2日目の@garbagetownさんのエントリを読んで思い出したことだけど、地味に辛かったのが協力会社要員も含めた勤務時間の管理。準委任契約は、顧客と決めた月間最低勤務時間が規定されている場合があり、最後の現場では140時間だったがそれを割ってしまうと支払って頂ける金額が時間単位で減ってしまう。
      • だから営業などからは割るなと言われるのだが、忙しい現場では無かったため、月の営業日数によっては休暇を取得してしまうと残業しないと規程時間を割ってしまう、ということがしばしば発生した。多少貰える金額が減ろうと定時で帰って自由に休暇取ればいいじゃんという考えだったが、完全に放置するのはチームの運営者としてマイナス評価になり得る。
      • 時にはパートナー会社の方たちに不要な残業をお願いしなければならず、調整を要したときは少なからずストレスであった。
    • そんなこんなでもやもやする思いを抱えながら、Developers Summit 2016 - Hack the Realに参加したところ、アジャイル開発、DevOps、ビッグデータなど、自分の知らない技術が大きく進んでいることを知り、危機感を覚えた。
    • 定年までこうしてマネジメントのキャリアを積んでいき、代わりに技術からどんどん離れていってもITエンジニアとして食っていけるのかという不安が日に日に増していった。
  • もうひとつ、最後の常駐先で「自社のサービスを育てる」という体験が協力会社の立場ながらできたことが刺激になった。
    • SIerの仕事は基本的に顧客から仕事を請けて、納品したらはい次の現場、である。
    • そうではなく、サービスインしてからが始まり、そこからさらにサービスをどう人々に使ってもらうかを考え続けていくこと。社員として自社の事業に深く関わりたいという思いが強くなっていった。
  • かくして、僕はエンジニアとしての成長と自社サービスへの貢献ができる会社への転職を志すことになった。

転職の進め方ついて

  • リクルートエージェント1社に頼った。
  • 複数のエージェントを活用するのが一般的?とネットには書いてあったが、管理が大変そうだったので1つに絞った。自分としては正解だったと思う。
  • 1つに絞ったため他社との比較はできないが、リクルートエージェントは大手なだけあって採用試験の情報を豊富に持っていることが強み。
    • A社は面接が大体x回あって、1次面接では課長クラスと人事部採用担当が出てきて、過去には○○といった質問が出た。みたいなのを多く共有してもらえたのは助かった。
  • 弱みとして感じたのは、1人のエージェントが多くの転職者をかけもちしているため、1人1人へのサポートは結構雑ということ。
    • 顔合わせした時の印象は良かったが、その後のやりとりでは説明の食い違いや連携ミスが発生したりもした。
    • エージェントにはそれぞれアシスタントなるサポート役が付いていて、面接の予約手続きなんかはほぼアシスタントの仕事。形式的な連絡も大体アシスタントの人とやっていた。事前の紹介もなしに突然出てきたので最初戸惑ったけど、色々サポートしてくれてエージェントさんと同じくらい感謝している。
  • 僕は求職期間2ヶ月で大体20社くらい採用試験に臨んだ。お祈りされたことも、自分から途中で辞退したものもあったが、結局内定をいただけたのは今の勤め先のみ。志望順位は2番手だったので、結局、あまり興味がないところはエントリーはしたけど企業研究をロクしなかったことが伝わってしまったと思うし、行きたいと思ったところは気合も違っていて、採用側もそんな自分をの意気込みを感じてくれたんだと思う。面接の練習という点では志望外の会社も受けたのは正解だったけど。
  • 今のところ再転職の予定はないが、もし次があるなら期間を定めずひと月1社くらいのペースでじっくりやってみたい。

前職勤務先への報告について

  • 僕の場合は特殊なケースかもしれないが、会社には転職活動を始める段階(4月末)で、8月末までに退職するという意思を示した。
  • 当然リスクはあったが、僕の場合前述の通り、社員が僕1人で替わりがいない状況だったことや、最後にお世話になった常駐先のお客さんに迷惑をかけたくなかった思いもあり、早めに交代の社員を用意してもらいたかった。結果として無事交代要員は見つかり、引継をやりきって後を濁さず発つことができた。
  • なお、最後の常駐先の居心地が良かったのでそこに転職すれば良かったんじゃないの?って話もあり、先方も歓迎ムードを出してくださったけど、収入面で折り合わなかった。

現職ついて

  • 16年9月に大手メーカーの通信系グループ企業に就職し、システム開発部門に配属された。
  • 入社前は「アジャイルで継続的デリバリーでモダンなシステム開発をなんとかかんとかで~」と聞いていたので技術的に圧倒的成長できる環境を期待していたが、配属されたチームは会社の主力事業を扱いつつ10年もののレガシー開発が今も続いており、perlとストアドプロシージャによるバッチ処理(自動テストなし)が現在進行形で生まれている。そんなところである。
  • もちろん他のチームはアジャイル開発をやっていたり、技術志向な部隊もあるので、御用聞きSIerの前職よりも魅力のある場所だと思っている。技術に限らず、自分よりも優秀な社員がゴロゴロしていて、たまに自分は足を引っ張っていないか不安になる程だ。
  • 一方、企画・要望は上から絶え間なく降ってくるので、結局、それらの要望を受け要件定義を行い、設計以降を協力会社に発注するという、前職と変わらないというかより上流寄りな仕事になってしまっている。
  • 現状としては「技術力で食べていく」というところは正直あまりできていないが、比較的要望が通りやすい職場なので、トレンドのキャッチアップを怠らなければいつでもプログラマーに切り替えることはできると考え、悲観はしていない。
  • 「自社の事業に深く関わる」というところは概ね達成できている。今年は転職から1年経っていないうちから金額の大きな案件をやらせていただき、モチベーションは高い。
    • 繰り返しだが前職よりも自由度が高く、働きやすい会社だと思うので、1年経った今でも周囲に追いつけていないところも多々あるが、徐々に自分のやりたいことに手を出していければなと思っている。

まとめ

  • 転職はいいぞ

次回はTONY0922さんによる「事業会社に転職して半年経ったので、ふりかえり」です。 「SIer→事業会社」への転職話を引き続きお楽しみください。