科捜研の女13[再][字] 2018.02.16
(木島修平)そうですか。
わかりました。
(榊マリコ)ご苦労さま。
本畠町でトラックにはねられた女性真壁聡美さん22歳。
19時6分に死亡が確認されました。
運転手の話によると…。
現場にもう1人いた?は…はい…。
その男に突き飛ばされて飛び出してきた。
そんなふうに見えました。
だとしたら傷害致死か殺人です。
全身に表皮の剥脱挫創皮下出血…。
右下腿部外側にバンパー創。
車は右から来たのね。
(シャッター音)洛北医大に搬送して。
(風丘早月)マリコさん?
(スタンガンの音)先生!?先生!スタンガン…?先生!先生!大丈夫ですか?気分は?どこか痛みは?はあ…。
えっ?ご遺体は?ご遺体はどこ?
(藤倉甚一)つまり解剖前の死体が盗まれたって事か?
(土門薫)はい。
何者かが風丘先生を襲って…。
残念だけど…犯人の顔は見てない。
(相馬涼)ちょっと来てください。
(相馬)宇佐見さん!
(宇佐見裕也)ああ。
これがここに放置されてました。
ここに指紋が。
(涌田亜美)被害者真壁聡美さんの指紋でした。
犯人はご遺体を解剖室からここまで運んだのね。
でも解剖室からここまでの間に防犯カメラはありませんでした。
(藤倉)洛北医大のセキュリティーは一体どうなってるんだ?犯人は死体を解剖されたら困る人物かもしれません。
もしかして被害者を車に突き飛ばしたっていう男…。
科捜研が勝手な推測をするな。
とにかく一刻も早く盗まれた死体を見つけてくれ。
はい。
はい。
解剖室から出た指紋や毛髪には被害者や洛北医大の人以外のものもありましたが前歴はありませんでした。
タイヤ痕でホイールベースの長さがわかっていくつかの車種が絞れました。
それで洛北医大の周りにあるカメラを調べたら合致する車が3台ヒット。
でもナンバーも運転手も判別不能です。
(日野和正)どの鑑定結果でも犯人をたどれないって事か。
(羽村瑞男)洛北医大の先生ですね?京都日報の羽村です。
府警本部担当です。
解剖前の死体が盗まれた事件でいらしたんですか?
(江崎和帆)どこでそんな情報を聞いたんですか?第一府警本部内での取材は禁じているはずですよ。
じゃあ先生外で少しだけお話を。
困ります。
急いでるんで。
またお前か。
こういう取材はルール違反だろ?ええ。
記者クラブの記者はおとなしく発表を待ってください。
(携帯電話)風丘先生!何かあったんですか?はい。
なんか変な記者に捕まって…。
でも助けてもらった。
そうですか。
江崎さんどうもありがとう。
いえ。
私科捜研の味方ですから。
では。
広報課の人だった?ええ。
榊。
一緒に来てくれ。
北嵯峨で死体が見つかった。
しかもどうやらその死体は…。
間違いない。
盗まれたご遺体よ。
先生…。
(木島)あっちょっと待って!キャーッ!どういう事?お腹が切り裂かれてました。
肝臓がない。
腎臓も…2つとも。
現場を見る限り臓器が抜かれたのは別の場所ですね。
とにかく洛北医大へ運んでください。
(早月)猟奇殺人?
(木島)ええ。
こういう気持ちの悪い事件って日本でも実際に何件か起きてます。
海外では臓器を持ち去った犯人もいたわね。
それがとうとう日本でも起こったんですよ。
じゃあご遺体を盗んだのは臓器を抜き取るため…。
(木島)あれ?ちょっとあの…車!死体を載せた車洛北医大通り過ぎちゃいましたけど…。
(携帯電話)刑事部長から…。
死体を盗まれた洛北医大で解剖させるわけにはいかない。
(藤倉)「解剖は京都医科歯科大学で行う」あの洛北医大の風丘です。
ご遺体を盗まれた件はきちんと謝罪と説明に伺います。
ですから今回はこちらの…。
「これは府警本部長の決定です」風丘先生あなたはすぐその車から降りてください。
藤倉部長!「以上だ」あの…どうします?先生!マリコさんあなただけでも行って。
今後の事は大学とちゃんと話す。
行ってください。
出します。
(佐沢真)腹腔内に出血。
胸骨に骨折。
肋骨に多発骨折。
左右の肺が破裂。
横隔膜に損傷。
交通事故の所見ですね。
この分だと盗まれた肝臓や腎臓もかなりの損傷ですねぇ。
血液の量が少ない気がするんですが…。
ええ。
腹部が切開され肝臓と腎臓が抜き取られてますからね。
その時に大量出血してるはずです。
今後京都府警から解剖依頼はないって事ですか?
(安野孝)参ったねぇ。
警察からの解剖は赤字になるから少なくしたいとは思っていたがゼロになるってのは…。
これは君法医学研究室の存続に関わる問題だよ。
すいません学部長私のせいです…。
いや…君のせいじゃない事はわかってる。
(安野)けどね…。
(佐沢)あの…ちょっと!ねえ科捜研の人!はい。
科捜研の榊マリコですが。
ああ…京都医科歯科大法医学教室の佐沢です。
ええ先ほど解剖室でご一緒しましたけど。
ああ…さっきはマスク姿だったから。
顔すぐわかりました?結構わかんない人が多くて。
マスクするとここしか見えないですよね。
あの佐沢先生…。
何か?あっそうだ。
これ司法解剖の鑑定書。
えっ?随分早いですね。
ええ早い方がいいと思いまして。
あとこれ。
写真はまだ添付してないんで必要なものはここから。
助かります。
ありがとうございます。
法医学の医師は警察に協力するのも仕事ですからね。
そう言って頂けると…。
失礼致します。
あっマリコさん!ただいま。
あっ風丘先生。
どうでした?大学の方は…。
ああ…。
マリコ君ちょっと。
早月先生が解剖所見を教えてくれって言うんだよ。
ちょうどよかった。
もう鑑定書が上がってます。
いやあまずいよ!藤倉刑事部長に言われたでしょ。
科学捜査研究所の鑑定結果は公式文書の形で直接担当の捜査員ではなく刑事部長に報告する事。
(日野)ねっだから今回は…。
っていない…。
(早月)ここ見て。
下大静脈が切開されてる。
ここから血抜きをしたんですね。
(早月)大動脈と下大静脈が切断。
それとこの椎体の傷。
いずれも腎臓を切り離した痕跡よ。
すごーい。
この鑑定書には書いてないのに。
(宇佐見)犯人はオペの知識を持った人物ですか?知識はある。
でも切り方が外科医とは思えない。
見て。
胃脾臓その周辺の骨にまで傷が多いでしょ?肝臓や腎臓を切る時に誤って傷つけた…。
きっとそう。
特に肝臓の周辺がひどい。
犯人は知識はあるけど外科医じゃない。
聡美ちゃんと親しかった客って言われてもねぇ…。
みんな彼女目当てやったからねぇ。
ほらあれだけのべっぴんさんでしょ。
祇園のクラブでも十分通用したはずなんですよ。
なのになぜクラブで働かなかったんでしょうか?そらパパがアカン言うたらもう…。
ほう…。
あなたはよほどパパから信用されてるようですね。
あっいや…。
つまりあなたはパパの事を知っている。
いえ…。
この店の客ですか?いやそれはどうですかね…。
例えばジュエリー・レゾンの社長さん。
聡美は事故やなかったんですか?社長はおとといの夜7時頃どこで何をなさってました?会うてません。
聡美とは最近会うてません。
なんでそんなすぐにわかる嘘をつくんですか?5日前に聡美さんここのお店で店員さんに目撃されています。
ちゃうねん。
こいつで送っていっただけなんや。
送っていった?どちらへ?あいつ最近飲みすぎやから市の健診でもええから診てもらえ言うたらあの日突然来て…。
じゃあ送ってけって。
あっ覚えてます!だってすごい車で来たから。
(看護師)そうそう。
えーっと…。
みんな覚えているのにあなただけ覚えていない…。
あっ僕は尿や血液を検査するだけなんで…。
我々は直接受診者の方に会いますからね。
僕も心電図や脳波を撮る時に直接会います。
なるほど。
はあ…。
臓器を抜き取った手順を見る限り一応教科書どおりね。
ええ。
所長タイヤ痕はどうでした?ああ。
死体発見現場にも死体が盗まれた洛北医大と共通するタイヤ痕があった。
で死体発見現場周辺の防犯カメラを調べたら洛北医大周辺のカメラと共通して映っている車がありました。
それ犯人の車の可能性が高い。
ええ。
でもナンバーも犯人も映っていません。
じゃあ結局車からは追えないって事ですね。
肝臓や腎臓を切り取った刃物はわかったの?はい。
鋭利な刃物だという事はわかりました。
それはもはや何もわからなかったのとイコールなのでは?あのちょっとこれを見てください。
発見された遺体にこんなものが微量に付着していました。
(早月)「オーレオパシディウム。
ベンジルペニシリン」オーレオパシディウムは黒カビの一種ですね。
ええ。
台所や風呂場などの水まわりに多いカビです。
もしかしたら犯人はそういう場所で臓器を抜き取ったのかもしれないですね。
でもさすがにこのカビから場所の特定は困難です。
ベンジルペニシリンは抗生物質よ。
ええ。
血液検査では出ませんでしたか?出なかったしペニシリンを必要とする疾患もなかった。
そうですか。
このペニシリンも流通先が広いんですよね…。
ペニシリンからたどるのも無理そうね。
(聡美の父)全部警察の責任じゃないか!遺体を盗まれたりするから娘はあんなむごい姿で…。
(早月)待ってください!私です。
私のせいなんです。
洛北医大の風丘です。
私のいた解剖室から娘さんのご遺体を盗まれてしまいました。
本当に申し訳ありません!
(聡美の母)どうして!あなた一体何してたのよ!
(和帆)やめてください。
真壁さん盗まれたものは必ず見つけご両親にお返しします。
ですから今日のところは…。
ああ…。
真壁聡美さんのご両親ですね?ちょっと!今ご両親は精神的に…。
ここは府警本部の外だ。
取材に規制はないはずでしょ。
犯人について何か聞きましたか?どうしてあんなひどい事が出来るんだ…。
死体を盗んで内臓を抜き取るなんてどうしてそんな…。
死体を盗んで内臓を…。
ほう…。
あと10分!あと10分!あと10分!大丈夫!間に合う!干せる!よっ!「今朝の京都日報です」「かなりショッキングな見出しです」「交通事故で死亡し医科大学の解剖室に運ばれた遺体が盗まれていたという記事です」「しかもその遺体が一部臓器のない状態で発見されたという朝からお伝えしづらい異常な事件がスクープされています」「犯人はなぜ臓器を持ち去ったのでしょうか?」
(携帯電話の振動音)大学にはもうマスコミが来ている。
何を言ってる!自宅待機だ。
絶対に出勤しないでくれ。
(藤倉)情報管理がなってないからこういう事になるんだ。
(ノック)
(木島)失礼します!大変です!臓器を盗まれた死体が…!そんな事ならとっくに知ってる!あっいえそうじゃなくって…。
被害者は左京区に住む主婦長谷部麻子さん41歳だ。
見ない方が…。
ひどすぎる…。
肝臓がない…。
腎臓も…2つともない。
前の死体と一緒ですね。
(シャッター音)角膜の混濁。
死後硬直から見て死亡推定時刻は昨夜7時から9時。
後頭部に殴打の痕。
たぶんこれが致命傷。
現場の状況から見て殺害場所はここじゃない。
臓器を取り出したのもこの場所じゃないって事だな。
ええ。
洛北医大に搬送して。
京都医科歯科大に送るように手配する。
(ノック)はい。
失礼します。
洛北医大の風丘と申します。
あなたは自宅待機と聞いてるが。
肝臓と腎臓のない死体がまた見つかったとか…。
そんな情報をどこから?お願いがあります。
私に解剖をさせてください。
あなたはそんな事を言える立場では…。
最初の犯人と同じ手口かどうか私ならわかります。
つまり最初の死体の解剖所見をあなたは知っている。
それは榊研究員からの情報ですか?私は憶測を言わない主義だ。
だが常識に欠けているあなたにははっきり言いましょう。
また人が殺され臓器が盗まれたのは洛北医大が死体を盗まれたという失態を犯したからでしょう。
そんなあなたに解剖する資格はない。
お願いします。
藤倉刑事部長。
出ていきなさい。
おお…今回はきれいな臓器だ。
えっ?きれいな臓器?ええ。
だってこの前は交通事故の死体だったから臓器が随分傷ついていたでしょう?ええ。
あっ先生。
下大静脈が切開されています。
この前のご遺体と同じです。
えっ?そうでした?ええ。
先生の鑑定書にはご記載がありませんでしたが…。
ああ…すいません。
あれ急いで書いたんで…。
あっ…。
えっ?椎体と大動脈と下大静脈に腎臓を切り離した痕があります。
それもこの前のご遺体と同じです。
じゃあ犯人は同一人物ですか?はい。
そう思います。
(羽村)死体が盗まれた。
それが猟奇殺人犯を二度目の犯行へ走らせた。
猟奇殺人犯?2体目も肝臓と腎臓がなかったんですよね。
どこからそんな情報を?我々には我々の情報源があるんです。
府警本部内での取材は禁じられてたはずね。
この猟奇殺人犯の手口どう思います?先生のご意見が聞きたいんですよ!あなたに話す事なんてありません。
犯人と同じく解剖の技術がある先生に聞きたいんだ!犯人に解剖の技術なんてない!まさか犯人は素人なんですか?
(日野)申し訳ありません!認めるんですね。
風丘早月に解剖所見を見せた事を。
ほらマリコ君も謝って。
風丘先生は優秀です。
結果犯人像も絞れました。
科捜研が犯人像なんて言葉を軽々しく使うな。
いいか?捜査情報を外に漏らせば勝手な憶測を呼び捜査を混乱させる。
何度言ったらわかるんだ!風丘先生は情報を人に漏らす方じゃありません。
(電話)藤倉。
わかった。
広報課の言い訳はあとで聞く。
風丘早月が新聞記者に捜査情報を漏らした。
えっ?まさか…。
彼女には責任を取ってもらう事になる。
すみませんでした。
あさって聴聞会を開く。
聴聞会?そこで君に一連の事件の責任が…。
いや洛北医大の名を失墜させた責任があると認められれば君に関連病院に異動してもらう事になる。
(チャイム)
(ため息)マリコさん?大樹君と亜矢ちゃんはまだ学校ですか?2人ともホテル。
マスコミが来るから。
それ…解剖の鑑定書?ぜひ先生のご意見が聞きたいと思いまして。
出来ない。
えっ?出来ない。
また迷惑をかける事になるから。
そうだみんなにケーキ持って帰って。
子供に買っといたんだけど今日帰って来られないから。
先生。
この前私が窮地に陥った時先生が助けてくれました。
今度は私の番です。
何より私は真実を突き止めこの事件を解決したい。
そのためには先生の力が必要なんです。
臓器を切り取った痕が以前のご遺体とほぼ一緒ね。
ええ。
きっと同じ犯人です。
だとすると気になる事がある。
見て。
胃や脾臓その周囲の骨に傷が多いでしょ?肝臓や腎臓を切る時誤って傷つけたんですね。
そう。
でも特に肝臓の周囲に傷が多い。
こっちと比べて。
それもこの前のご遺体と同じです。
つまり肝臓と腎臓では明らかに切除の仕方が違う。
犯人が1人なら肝臓と腎臓で手口が違うのはなぜ?まさか…犯人は2人?それも踏まえて2人目のご遺体から採取した微物を鑑定してみます。
2人目の遺体から採取した微物の中にこれが。
(亜美)またオーレオパシディウムですか。
それをDNA鑑定した結果1人目の被害者に付着していたものと同種のカビでした。
(相馬)やっぱ2人は同じ場所で臓器を抜かれたんですね。
また2人目の被害者にはインスリンが付着していました。
広く流通しているものでここからたどるのは難しいと思います。
インスリンって糖尿病に処方される薬だよね?糖尿病かどうか一応彼女の血液を調べてみます。
2人が殺される前の1週間の足取りを調べた。
生活の時間帯も毎日の行動も全く違うわね。
1人目は若いホステス。
2人目は中年の主婦だからな。
ねえ真壁聡美さんは健診センターに長谷部麻子さんは病院に行ってるけど…。
俺も少し気になった。
2人ともそこで市の健診を受けている。
京都市の健康診断?うん。
2人とも京都市民だからな。
市の健診を受けるのは不思議ではないんだが…。
でも気になるのね。
うん。
真壁聡美さんと長谷部麻子さん2人ともO型よ。
もちろんそんな偶然いくらでもあるんだけど…。
でも気になるんだな?
(携帯電話の操作音)風丘先生。
力を貸してください。
血液からわかる事は出来るだけ調べましたけど2人の共通点はやはりO型だっていう事だけですね。
糖尿病でもなかったし…。
糖尿病?ええ。
2人目のご遺体にインスリンが付着していたんです。
インスリン?あれ?ねえちょっとこの白血球の型見て。
いい?これもこれも…。
これこれ…これもこれも一致してる。
そんな…ABDRの型8個のうち6個も…。
こんな確率めったにないはずです。
偶然とは思えない。
確か1人目の被害者にはベンジルペニシリンが付着してたわよね?ええ。
2人目はインスリン…。
あっ…!インスリンもベンジルペニシリンも臓器を保存する薬よ。
そうか…臓器の保存液。
(携帯電話の操作音)もしもし土門さん?至急調べてほしい事があるの。
真壁聡美の血液を調べた健診センター検査技師の寺田幸人だ。
(寺田幸人)僕は尿や血液を検査をするだけなんで…。
長谷部麻子が健診を受けた病院でも血液は健診センターに送られこの寺田が検査をしていた。
京都府警のデータベースにも寺田の名前がありました。
前科があったって事?いや京都府警の健診でも彼が血液検査をしてたんだ。
嘘…。
でも臨床検査技師に臓器摘出なんか出来るの?マリコさんも同じ資格持ってますよね。
人としては出来ません。
でも技術的には出来ます。
あなたの奥さんは末期の腎不全ですね。
今は東亜民主共和国で移植を待っている。
(木島)あなたも奥さんに腎臓を1つ提供していますよね。
(ため息)だが結局生着しなかった。
妻とは赤血球の型も白血球の型も違うんでね。
健診センターが組織学検査で使ってるメスです。
寺田のロッカーに同じメスが隠されていました。
マリコさんの鑑定の結果被害者2人の血痕が出ました。
(亜美)1件目と2件目の現場に共通していた車です。
寺田の車でした。
(宇佐見)寺田が勤務する検査室から押収したベンジルペニシリンとインスリンです。
2人の被害者に付着していたものとそれぞれ一致しました。
こちらは健診センターの風呂場の黒カビのDNAです。
2人の被害者から採取されたそれと同種でした。
またその風呂場から血痕が検出されました。
以上榊研究員と早月先生の鑑定です。
これまでずっと血液を検査する度に妻と適合するかどうかを調べていました。
でもずっと…。
「適合者が見つからなかった」「なのにこの前2人も適合者が見つかって…」神様はいた…。
そう思いました。
それでこんな事をしたって言うのか。
(寺田)お願いしたんですよ。
生体腎移植を。
彼女の働いてる店に通って顔なじみになった上で…。
これは手付の30万。
成功したら1千万渡す。
(真壁聡美)冗談やめてください!
(寺田の声)でも彼女は逃げ出して私の目の前で…。
(クラクション)キャッ!
(寺田の声)それでも彼女の腎臓を諦めきれなかった。
で風丘先生を襲って遺体を盗んだのか?マリコさん?
(スタンガンの音)でもあのご遺体の臓器は事故で損傷していたはずよ?確かに右の腎臓は明らかに損傷していました。
だから左の腎臓を東国の人間に渡したんです。
でもその腎臓もやはり損傷していて…。
だから…。
血液検査で重篤な病気の可能性が出ました。
出来るだけ早く再検査を受けてください。
(寺田)軽く握ってください。
(寺田の声)薬物や注射器を使えば医療に携わる人間だとばれる恐れがあります。
首を絞めれば臓器がうっ血してしまう。
ああするしかなかった…。
なぜ腎臓だけではなく肝臓まで抜き取ったんだ?腎臓だけが目的だと思わせないためです。
それで腎臓は丁寧に摘出され肝臓は乱暴に切り取られていたのね。
おかげでその腎臓を妻に移植出来ました。
その腎臓は今うちの人間が取り戻しに向かっている。
移植された臓器を取り出す気ですか?移植はされていません。
嘘だ!あなたの奥さんは拒否したんです。
この臓器には善意がないからと言って…。
そ…そんな…。
命がかかってる時に善意なんて…。
寺田!どんな理由であれ殺人は許されない。
きれい事だ…。
家族の命がかかってたら誰だって!あなた言ったわよね?自分は医療に携わる人間だって。
そんな人が公正に患者を選ぶための移植ネットワークを邪魔するなんて…。
移植に不信感が芽生えれば臓器の情報提供も移植件数も減って助けられる命も助けられなくなるのよ。
それはそのままあなたの奥さんの首を絞める事になるの。
そんな事もわからなくなってるの?そそれでも…。
それでもやらざるを得なかったんだ…。
誰のためにですか?もちろん妻のために。
奥さんもそう言っていました。
だから…あなたと一緒に償うそうです。
一緒に罰を受けるそうです。
罰?あなたが捕まったらその後の自分にどれほど厳しい人生が待っているか奥さんはわかっていました。
それを覚悟した上であの臓器を拒否したんです。
それが罰だからって…。
奥さんにそんな罰を与えて…。
もう一度聞きます。
あなたは一体誰のためにこんな事をしたんですか?
(泣き声)でも…少ないのよね。
死後臓器を提供しようっていう人は…。
今はインターネットでも登録出来るし保険証や運転免許証でも意思表示出来るんですけどね。
地方に行ったら時間も出来るしそういう活動もしてみようかな。
えっ?地方に行くってなんです?
(和帆)羽村さん。
独占のオフレコ情報欲しくありませんか?今回の事件は風丘先生が被害者の共通点と臓器の保存液に気づいたおかげで解決出来たんです。
勝手に鑑定書を見せた自分の手柄だと言いたいのか?先生を処分するなら勝手をした私を処分してください。
勘違いするな。
彼女の転勤は洛北医大の決定だ。
洛北医大ですね。
おい待て。
君が口出す事じゃないぞ。
(電話)これは本部長!はい…。
えっ!?しかし…。
わかりました。
榊マリコ…。
お前は一体どんな手を使ったんだ?はい?今後司法解剖の委託先として洛北医大が外されるならその理由としてこれを書かなきゃならなくなる。
府警本部長にそう言ったら青ざめてましたよ。
寺田が京都府警の健診を担当してた上その健診センターを指定したのは府警本部長だった…。
オフレコなんだから書かないでくださいよ。
大した女だな。
府警本部のトップを脅迫するとは。
私はただ…誰かが情報を抱え込んだり隠したりするそういう組織が許せないだけです。
は?まあとにかく約束は守ってもらうよ。
警察発表出来ない情報は今後俺に渡す。
いいですね?府警本部長から直々に電話があったらしいの。
大学内の防犯カメラを増やす事を条件に今後も洛北医大に解剖をお願いしたいって。
府警本部長が?マリコさんなんか言ってくれたんじゃないの?まさか。
私に本部長を動かす力なんてない。
じゃあなんで私の処分なくなったんだろう?さあ…。
でもこれからも司法解剖お願いしますね。
もちろん。
でマリコさんちょっと解剖に回しすぎな気もしなくもないんだけど…。
あっ大樹君と亜矢ちゃんは学校?ハッ…!忘れてた!もう1泊したらお金かかっちゃう!ちょっと迎えに行ってくる!先生!私ももう帰りますから!先生〜!2018/02/16(金) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
科捜研の女13[再][字]
第10話「襲われた女医!盗まれた解剖遺体!!奪われた二つの臓器の秘密」
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、斉藤暁
【ゲスト】野村宏伸、近藤公園
詳細情報
◇番組内容
沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所研究員の榊マリコが、犯罪現場に残された微細証拠を手がかりに、事件の真相を究明する科学捜査ミステリー。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、斉藤暁、長田成哉、崎本大海、山本ひかる、佐藤康恵
【ゲスト】
野村宏伸、近藤公園、佐々木勝彦
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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