「申し込み殺到でサーバがパンク状態」 飲食店“ドタキャン”防止システム 19日からスタート

» 2018年02月16日 17時39分 公開
[上田奈々絵ITmedia]

 個人飲食店オーナーで構成する全日本飲食店協会(愛知県名古屋市)は、直前の予約キャンセル被害を防ぐ「ドタキャン防止システム」を2月19日から始める。飲食店が客の電話番号から“ドタキャン歴”を登録、閲覧できる仕組みで、利用の問い合わせが殺到しているという。

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 飲食店専用のWebサービス。導入店舗は、無断で直前キャンセルした客の「電話番号」「予約人数」「日付」をデータベースに登録する。

 予約を受けたときには、電話番号から客の直前キャンセル歴を検索できる。もし予約客が“ドタキャン常習犯”であった場合、店舗側は前金制をお願いするなどの対策ができる。

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photo 「ドタキャン防止システム」公式Webサイトでは、マンガで利用シーンを紹介している

 同協会の関良祐理事長によれば、サービス利用の受け付けを始めてから、飲食店からの問い合わせが「サーバがパンクするほど殺到している」という。

 客の電話番号を登録する点について、同協会はWebサイト上で「消費生活センターへ問い合わせた結果、電話番号以外の個人を特定する要素がないため個人情報保護法には抵触しないと回答をいただいた」としている。

 データベースに不適切な電話番号が登録されてしまった場合の対応については、「間違った情報が掲載されることは望ましくないと考えている。利用者や電話番号の持ち主から連絡が来た場合は、適宜情報の削除を行っていく。正確な情報を提供していきたい」(関理事長)という。

 データベースの信ぴょう性を高めるために多くのデータ提供が必要なため、サービスは無料で提供する。

 飲食業界ではいわゆる“ドタキャン”と呼ばれる予約の無断キャンセルや、直前キャンセルが問題になっている。用意した食材や人件費が無駄になったり、席の回転率が低下したりするなど、店舗の経営に大きな損失を与えるという。

photo 全日本飲食店協会の関理事長(公式Webサイトより)

 関理事長は、サービス立ち上げのきっかけをWebサイト上で次のように説明する。

 「例えばホテルを予約するお客さまは、無断キャンセルなんてしないでしょうし、直前でキャンセルする時には規定のキャンセル料を支払います。でも、飲食店の予約となると一気に気軽さが増すのでしょうか、ドタキャンをするお客さまがいるのです」

 「飲食業界に対する一般的なイメージを変えていくのはとても長い期間が必要かもしれませんが、一部の心無いお客さまに翻弄されないようお店の方がアクションを起こすことはすぐにでもできます」

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