細木数子の『六星占術』シリーズや雑誌『一個人』『歴史人』で知られる出版社・KKベストセラーズが危機に瀕している。
事の発端は2018年2月1日。
社内で全体朝礼が開かれ、栗原武夫社長が前日限りで社長を退任したことを事後報告。廃業支援などを行うコンサルティング会社代表で、33歳の公認会計士・塚原浩和氏の新社長就任が発表された。
社員からは「会社を何だと思っているんだ!」などと怒号が飛んだが、栗原社長は「力不足で申し訳なかった」と語り、姿を消したという。
同社の売り上げは、2011年度は約120億円だったが、2016年度は約91億円まで減少していた。
幹部社員が明かす。
「社長の兄である栗原慎典常務も退任して、会社から去りました。朝礼の前々日には取締役7人が個別に集められ、武夫社長に、
『子会社を清算するために、一度、取締役を解任する必要がある。そのためにこの書類に実印を押してほしい』
と言われていたんです。
本来いるはずのない栗原幹夫前会長も同席していました。このとき社長と取締役全員の解任、株式の譲渡が決まった」
同社は創業者が死去した後、1990年に経理担当の取締役だった幹夫氏が社長、後に会長に就任。大株主の栗原家が約30年にわたって経営トップにおさまってきた。
だが、武夫社長、慎典常務は2月1日以降、会社に姿を見せていないという。
「正確な数字は明らかではありませんが、全株式譲渡額は30億円とも言われています。
会社を買収した新社長は組合との団体交渉の場で『出版事業には興味がない』と断言し、『コンテンツの切り売りを進めていく』と明言しました。
会社が所有する不動産の転用も進めていくと思われます」(前出・幹部社員)
社長一族が突如として会社を去り、残された社員は粛々と業務をこなしているものの、作家や取引先には正式な説明ができていないのが現状だという。
いったい、老舗出版社はどうなってしまうのか。突如として窮地に陥った同社に事実関係を確認した結果や、社員たちの憤懣やるかたない声については、2月16日発売の週刊現代が詳しく報じている。
2月16日発売の週刊現代は、このほかにも次のような切り口で社会の裏側に迫っている。
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