マツダ地獄は無くなったか?

最近マツダの経営陣が「マツダ地獄は無くなった」とコメントするようになってきた。果たして本当にマツダ地獄は無くなったのか。その前に「マツダ地獄」を説明しておく。昔のマツダ車は中古車市場での人気が無く、マツダ以外のクルマに乗り換えようとして他メーカーのディーラーや、中古車買い取り業者で査定して貰うと驚くほど安い価格しかつかない。

ガッカリしてマツダのディーラーに行くと他より圧倒的に良い査定になるため、次もマツダを買うしか無くなる。そんなことから1度マツダ車を買ってしまうとマツダから抜けられなくなるというアリ地獄のような状況のことを「マツダ地獄」と称した。一般的に「地獄」というと悪いイメージしかないけれど、性能や安全性、デザインの悪さを示しているようなものではない。

クルマ好きからすれば魅力的なマツダ車に出会った際「欲しいけれど買ったらマツダから抜けられなくなる。どうしよう?」みたいな軽いネタのようなもの。だからこそマツダの経営陣も「マツダ地獄」という文言を気軽に使っているのだと思う。文頭に戻る。果たしてマツダ車の中古車市場に於ける人気は向上したのだろうか。直近の状況を調べてみた。

新しい世代のマツダ車は先代のCX-5から始まった。そこで昨年3年目の車検を迎えた2014年モデルの中古車相場を調べてみたら、意外なことに思ったよりずっと安い! 中古車の流通台数が多いディーゼルエンジン車『XD』のナビ+セーフティクルーズパッケージ付き車で150万円程度。新車価格は280万円程度だったため、130万円の値下がりということになる。

一方、同じ年式のSUVであるトヨタ・ハリアーだとどうか? 前出『XD+セーフティパッケージ』と新車価格同等の『エレガンス』というグレードの中古車相場を見たら、220万円程度から。驚くことにCX-5より70万円も高い! 中古車相場の差額はイコール下取り査定の差でもある。同じ年式&同じ価格のクルマを買ったら、CX-5はハリアーより70万円も安いということ。

興味深いことにCX-5をマツダのディーラーで査定すると、一般的な金額より良くなる。ここまで読んで「昔と変わっていないのではないか?」と思うかもしれない。その通りで、一番人気のあるCX-5でも中古車相場は低目のまま推移。アテンザのようなセダンや、アクセラのような地味な乗用車になると一段と厳しくなると考えていい。やはりマツダ車の下取りは安いままだ。

逆に中古車を考えているなら新車に対する値下がりが大きいため割安だと思う。もしマツダ車を考えているなら、中古車か登録したばかりの「新車のような中古車」など狙い目かもしれない。