【フロリダ高校乱射】 「思いと祈り」の議員たち、NRA寄付金額を指摘され

シェリー・ライダー、BBCニュース

People gathered outside a hotel Image copyright Getty Images
Image caption 乱射事件のあった高校の生徒たちは近くのホテルに避難した

米フロリダ州パークランドの高校で、今年に入り18件目の学校乱射事件があり、少なくとも17人が死亡した。米国で大勢がソーシャルメディアにそれぞれの思いや追悼の言葉を書き込むなか、多くの政治家が「思いと祈りを」と投稿していることに、反発も高まっている。

人気トーク番組「ジミー・キメル・ライブ」の構成作家、ベス・カルブ氏は、追悼の言葉を書く上院議員たちのツイートの上に、それぞれが全米ライフル協会(NRA)から受け取ってきた寄付金の金額を書き添えて、次々とツイートしている。

共和党のロナ・マクダニエル委員長が「被害者のために祈っている」とツイートした上に、カルブ氏は「2015~2016年の選挙期間だけで、共和党候補はNRAから1738万5437ドルを受け取った」と書いてツイートした。

このカルブ氏のこのツイートは1万2000回近くリツイートされ、1万8000回以上「いいね」が押されている。カルブ氏はこのツイートに補足して、「これはトランプ大統領に寄付された2100万ドルを含めていない」と続けた。

カルブ氏が書いている金額は、昨年10月のラスベガス乱射事件の後に米紙ニューヨーク・タイムズが掲載した記事を基にしている。同紙記事は、ラスベガスの事件について「思いと祈りを」と反応した上院議員たちが、2016~2017年にかけてNRAから受け取った金額を並べ上げた。

フロリダ州選出のマーコ・ルビオ上院議員(共和党)が、「このようなひどい日は決して来ませんようにと祈る、そういう日が来てしまった」とツイートした上に、カルブ氏は「330万3355ドル」とだけ数字を書いてツイートした。

しかし、カルブ氏の批判に同意しない人もいる。「あなたはNRAの仕組みが分かってないのかもしれない。NRAが選挙の候補者に寄付できるのは、私みたいな人間がNRAに寄付するから。憲法修正第2条を守ると約束した政治家たちの選挙のため、国民が1700万ドルを寄付したんです」という、反論ツイートもあった(太字は原文で大文字による強調)。


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コロラド州選出のケン・バック下院議員(共和党)が、生徒たちのために「祈っている」とツイートすると、カルブ氏はただ「NRAから80万544ドル」とだけ書いた。

ツイッターではカルブ氏のほかにも多数のユーザーが、「#NRABloodMoney(NRAの血染めの金)」などのハッシュタグを使い、NRAから多額の寄付金を得ている政治家を列挙している。

人気コメディアンで司会者のジミー・キメル氏自身はカルブ氏のツイートに直接反応していないが、「パークランドの家族は、まともな理由もないまま苦しめられている。僕たちは今晩、愛と同情と祈りを送って、『リーダー』たちが明日にもこれを食い止めるため何とかするよう要求する。我々が目を背けなくなるまで、いったいどれだけの人が苦しまなきゃならないんだ」と書いた。

銃規制は常に、米メディアで激しい議論を引き起こす。ラジオ司会者ウェイン・デュプレー氏はフォックス・ニュースのキャスター、シェパード・スミス氏に対して、「シェップ・スミスは早くも、これを阻止するにはどうしたらいいか問いただして、早くもこれを銃規制の問題にしている。銃撃犯を制止するため呼ばれたのが誰か、分かっているな? 銃を持った男たちだ。パイやケーキやクッキーじゃない」と反論した。

「Kaitlin」さんは、事件の最中に「怖いよ、同じクラスの子が撃たれた。ママとパパを呼んで。愛してるって伝えて」などと連絡してきた家族とのやりとりを投稿した。

カルブ氏はこのツイートを、ニューヨーク・タイムズ記事に列挙された議員たちのアカウントに当ててさらにツイートし、「くれぐれもこれを読んでくれますように」と書いた。

(英語記事 Florida shooting: Senators singled out over gun lobby funds

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