「ハリルホジッチのまま行くべき」 都並敏史氏が語るW杯の勝ち方

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W杯、コロンビア・セネガル・ポーランド各試合のキープレーヤーは誰?

――W杯で戦う相手ですが、初戦はブラジルW杯で敗れたコロンビアです。日本はヨーロッパの強豪には時々良い勝負をする一方、南米には総じて弱いです。そのコロンビア相手に、少なくとも引き分けで勝ち点1を取るにはどうすればいいと考えますか。

都並 僕は南米サッカーに育てられた人間だから、南米とヨーロッパの違いをよく分かっています。南米サッカーは、とにかく「相手の逆をつく」ことが楽しい。リズムを変え、日本の知らない技術をやたら出してくる。ヨーロッパのサッカーは、「正直に早く正確に、思ったところへ」ボールを出していく。正直なので、意識さえしっかり持てれば実はディフェンスしやすいんですよ。僕はサントス(ブラジルのクラブ)とも、ユベントス(イタリア)やドルトムントとも対戦したことがあるけど、そういう印象です。

リズムを崩す南米のやり方に今の日本選手は弱いです。だからコロンビアに対しては、違うことをやってくるぞという予測と危機管理を常にしないといけません。

この試合のキーマンはゴールキーパーでしょう。とにかく予想外のことをしてくるから、どうしてもある程度攻められると思います。ゴールゲッターに良い選手(※FWハメス・ロドリゲスら)がいて、セットプレーもうまい。ゴールキーパーがツイてくれない限り、勝ち点1は取れないと思います。

――第2戦のセネガルはいかがですか。ハリルホジッチ監督は、同じアフリカのアルジェリア代表監督でした。

都並 サイドに世界レベルの選手(※右のFWマネ、左のFWケイタとニアングら)がいます。1対1ではなかなか抑えられない選手だからグループで守るしかなくて、ハリルホジッチ監督の真骨頂を出す場でしょう。アルジェリアの経験で、アフリカ人の弱点をよく知っているはずです。総じて、上手くいかない時に壊れます。そこを突く戦い方をしていけば十分勝ち点3ありますよ。

キープレーヤーとしては、ウィングの浅野や原口でしょう。サイドバックの酒井や長友を助ける守備をして、ボールを取ったら最前線の大迫に収めてキープ。それができれば相手はイライラしてくるのでセットプレーも取れます。攻撃を受け止め、敵陣に入っていけば、絶対に相手は疲れてリズムが崩れてきます。そうなれば面白いですね。

――第3戦は急激に力をつけたポーランドですね。どうしてもFWロベルト・レヴァンドフスキ(※W杯予選10試合16得点)が注目されます。

都並 ポーランドはレヴァンドフスキだけですよ。ディフェンスは大したことないです。全然チャンスありますよ。ただ、そのレヴァンドフスキを抑えるのが大変なんですけどね。

この試合のカギは吉田麻也だと思います。レヴァンドフスキはペナルティエリア(PA)に入ったら何をするか分からないんですよ。2人股抜きしてゴールとか平気でやってくる。経験上、そんな選手を90分間集中して止めるのは無理な話で、何人かで囲むのも難しい。

だから吉田が強気にディフェンスラインを上げてPAから出し、レヴァンドフスキをゴールから遠ざけることです。ポーランドは落ち着いてつなげたがるところがありますから、ラインを上げても裏を取られるリスクが比較的低い。
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