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【2017年版】長岡花火の見どころ紹介!フェニックスから正三尺玉まで、圧倒的スケールに酔いしれよう

2017.07.19

長岡市は新潟県のほぼ中央部に位置する人口約27万人の街。2日間で100万人超と、人口の3倍以上の観客が集まる日本屈指の花火大会「長岡まつり大(おお)花火大会」の舞台として知られています。日本一の大河・信濃川を会場に、華やかに開催される大人気の花火大会の魅力と、そこに込められた想いに迫りました。

新潟県長岡市は東京から上越新幹線で約80分、関越自動車道で約3時間と首都圏からのアクセスが良好な都市。背丈を超えるほどの雪が積もる、世界的に見ても珍しい豪雪地帯ですが、盆地のため夏は暑く、はっきりとした四季を楽しめる地域です。

そんな長岡市が誇る夏の一大イベントが毎年8月2日・3日に開催される「長岡まつり大花火大会」です。日本三大花火大会の一つといわれ、打ち上げ数は2日間で合計約2万発、観覧数100万人と大規模。さらに、2015年にはYahoo!の調査する「有名花火師が選ぶ花火大会厳選10選」、「みんなで選ぶ人気投票ランキング」で共に首位を獲得するなど、まさに日本屈指の花火大会です。

華やかさだけじゃない。長岡花火と復興の歴史

華やかさに目を引かれる長岡花火ですが、その起源は昭和20(1945)年8月1日の「長岡空襲」で亡くなられた方々への慰霊と、復興を願って開催された「長岡復興祭」にあります。旧市街地の8割が焼け、1,486名もの尊い命が失われた痛ましい夏の日の記憶。この悲しみを忘れず、復興へ手を取り合おうと、慰霊と復興、平和への祈りを込めて今日まで打ち上げられ続けてきました。
▲中越大震災からの復興祈願花火「フェニックス」

さらに、2005年からは、2004年10月23日に発生した中越大震災からの復興の願いを込めた復興祈願花火「フェニックス」の打ち上げも始まり、長岡花火は復興の象徴としての意義が高まりました。
このように、花火を競う「競技大会」ではなく、戦災や自然災害などからの「慰霊・復興」を表す花火大会であることが長岡花火の最大の特徴と言えます。
開催日が毎年8月2日・3日と決まっているのも、花火にこめられた想いをいつまでも伝えるためなのです。

特大花火にミュージック花火!長岡花火の見どころはココだ!

▲会場となる日本一の大河・信濃川河川敷は遮蔽物のないパノラマビュー

長岡花火のウリの一つは日本一の大河・信濃川を活かしたロケーション。会場の信濃川河川敷は両岸から花火を見ることができますが「花火を裏表両方向から見ることができ、大型花火を次々と打ち上げられる花火会場は全国を探してもなかなかない」と花火師にも評判なんだとか。

さらに、開けた空間のためスケールの大きな花火の打ち上げも可能。東京タワーとほぼ同じ高さの約330mまで打ち上がり、直径約300mにも広がる「尺玉(十号)」を贅沢に使った、迫力ある演出を可能にしています。
▲両岸から花火を鑑賞できるため、花火の裏側にも多数のお客さんが

また、腹に響く音と、花火の真下にいるかのように降りそそぐ大輪の花に圧倒されること間違いなし。規模の大きさから、「巨大すぎてカメラに収まらない」とカメラマン泣かせの花火大会と言われることもあるそうです。

そんな会場の地の利を最大限活かした花火といえば、やはり復興祈願花火「フェニックス」!
▲長岡駅方面から見たフェニックス。開花幅は2km以上

震災からの復興を祈願して、「世界一の誇れるような壮大な花火を打ち上げたい」と、市民から協賛を集め打ち上げられたフェニックスは、平原綾香さんの「Jupiter」に合わせ、開花幅約2kmにもおよぶ圧倒的スケールで打ち上げられる、ミュージック付き超ワイドスターマイン。

スターマインとは、いくつもの花火を組み合わせて短時間に数十~百発の大量の玉を連続的に打ち上げる「速射連発花火」のこと。それを一定の間隔をとって数ヶ所に並べて打ち上げる花火を「ワイドスターマイン」といいます。
「超ワイドスターマイン」ともなると、河川敷で見上げても絶対に視界に収まりません!見渡す限りに黄金の不死鳥が連なって翼を広げる姿は、言葉に出来ないほどの感動があります。

私も過去に見た際には、目の前に広がる花火の圧倒的な迫力と、クライマックスには花火の打ち上がる音しか聞こえなくなる程の轟音に包まれ、自然と涙が溢れ出てしまいました。
▲米百俵花火・尺玉100連発

フェニックスだけではありません。長岡花火には長岡ゆかりの曲で打ち上げられるミュージック付きスターマインが全部で5つもあるのです!

2016年からミュージック付きスターマインとなった「米百俵花火・尺玉100連発」は、昭和61(1986)年市制80周年を記念して誕生し、毎年1発ずつ打上数を増やし、2006年に100連発を達成した長岡の名物花火。越後長岡応援団の沢田知可子さんが中越大震災後に制作した、長岡復興応援ソング「空を見上げてごらん」に乗せて次々に尺玉が打ち上げられる花火は、まさに壮観です。

信濃川のロケーションを活かしたワイドスクリーン方式で打ち上げられるミュージック花火は長岡花火の目玉になっています。
▲長岡人のイメージソング“故郷はひとつ”とともに打ち上げられる花火「故郷はひとつ」(2015年から)
▲この空の花―長岡花火物語の主題曲とともに打ち上げられる花火「この空の花」(2012年から)
▲NHK大河ドラマ天地人オープニングテーマ曲とともに打ち上げられる花火「天地人花火」(2008年から)

また、ナイアガラと正三尺玉(しょうさんじゃくだま)の共演も長岡ならではの演出です。
正三尺玉は大正15(1926)年に長岡で初めて打ち上げられ、長岡花火の代名詞ともなった名物花火。直径90cm、重さ300kg、使用する火薬の量は80kgで現在法的に認められる最大重量。この大玉が上空600mまで打ち上げられると、直径約650mもの大輪が視界いっぱいに広がります。空気を震わせながらズシンと伝わる轟音は大迫力です。

それが、全長650mの「ナイアガラ」と一緒に見られるのは長岡花火だけ。さらに、2015年に登場し花火好きの観客の度肝を抜いた正三尺玉「3連発」が2017年も実現します!

最後に、忘れてはいけないのが慰霊と世界平和への願いを込めて打ち上げられる「白菊」です。
▲長岡空襲の殉難者の霊を弔う「白菊」

花火大会の前日、8月1日の午後10時30分、長岡空襲の始まった時刻に打ち上げられる慰霊の花火が「白菊」です。白菊3発が打ち上げられ、市内寺院が慰霊の鐘を鳴らします。2日・3日の花火大会冒頭にも打ち上げられますので、趣旨を理解して花火に合わせてお祈りをしましょう。

長岡花火の穴場スポット!?

長岡花火を存分に楽しみたいならやはり長生(ちょうせい)橋から大手大橋の間の河川敷メイン会場を確保しましょう。また、正三尺玉を間近で見るには長生橋上流、フェニックス花火は大手大橋下流がオススメです。
▲東山から見た長岡花火

また、少し離れた場所で楽しみたいという方には、長岡市栖吉(すよし)町にある東山ファミリーランドのキャンプ場のフリースペースがオススメ。テントを借りるか持ち込めば、宿泊もできるので人混みに入らず、宿の確保に苦労せずに花火を楽しむことができます。また、信濃川を挟んで反対側の長岡市大字日越(ひごし)にあるロングライフセンターでは花火を鑑賞するイベントが開催されていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか?
▲有料観覧席は、マス席、ベンチ席など数種類あります。写真はベンチ席(3,000円・税込)

その他、メイン会場の有料観覧席のチケット情報、当日券情報などは長岡まつり大花火大会公式サイトをチェックしてみましょう。

長岡花火の楽しみ方のコツ!?

人気花火大会の宿命ですが、とにかく混雑する長岡花火は時間に余裕を持って行動することが大切。午後6時以降は指定席も大混雑しますので、早めに入場しましょう。また、自動車で来ると渋滞に巻き込まれるのは必須。特に長岡IC付近は深夜まで大混雑しますので帰りは別のインターチェンジを利用しましょう。少しでも早く帰りたい方は公式サイトにある「渋滞回避の虎の巻」を参考にしてはいかがでしょう。

当日の交通情報の確認にオススメなのが地元のコミュニティFM「FMながおか」の長岡まつり特別番組『FM三尺玉』と、花火終了後の『FMベスビアス』です。道路交通情報はもちろん、長岡花火の裏話やおもしろネタを聞くことができます。

実は長岡市民の中でも、FMながおかの放送を聞きながら花火を見る人が少なくありません。と言うのも「花火の解説がマニアックすぎておもしろい」と一部で有名だからです。現在はネット中継でもFMながおかの特番を聞くことができ、花火に詳しくなれる隠れた名物番組として長岡花火ファンに愛されています。

長岡情報といえば2017年から新たに「長岡花火公式アプリ」がリリースされました。長岡花火の最新情報、当日の花火プログラムはもちろん、長岡花火よくある質問、みんなが撮った花火写真、地域情報など盛りだくさん。初めて長岡花火に来る方には心強い味方になりそうですよ!
▲すっかりおなじみになった光のメッセージ

長岡花火の名物のひとつが、花火が終わった後に花火師さんや、打ち上げに協力したスポンサーの皆さんへの感謝を伝える「光のメッセージ」です。会場アナウンスで一斉に携帯電話やライト等の光るものを「ありがとう」の言葉とともに振りかざすと、信濃川の両岸に光の波が生まれます。観客参加型フィナーレは思わず「また来年も来よう」という気になる、心温まるセレモニーです。
▲ハワイ真珠湾で打ち上げられた長岡花火。写真は「天地人花火」

長岡花火は、終戦から70年を迎えた2015年に姉妹都市の米国ハワイ州ホノルル市と共同で、米海軍協力のもと、真珠湾でも打ち上げられました。
また、復興祈願花火「フェニックス」は、これまでに石巻や三宅島、下関など復興を願う10ヵ所以上の地域でも打ち上げられてきた特別な花火です。

一度来たら「他の花火大会じゃ満足できなくなる」という声も聞かれる程の圧倒的なスケールを味わえる長岡花火。多くの人に愛される理由は、ただ大規模な花火大会だからというのではなく、その根底に流れる長岡市民の熱い想いに、気づかぬうちに触れているからなのかもしれません。

新潟県長岡市が日本に、世界に誇る大花火大会を、この夏体感してみてはいかがでしょうか?
唐澤頼充

唐澤頼充

編集・ライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」編集長。農学部卒業後、マーケティング会社に勤務後、独立。現在はNPO職員として勤務する傍ら各種媒体で執筆活動を行っている。「情報流通量の多さが地域の豊かさ」をモットーに、地域に眠る資源をコンテンツ化し、発信する活動を行う。

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