衣料大手ストライプ、ソフトバンクと「ネット百貨店」
三越伊勢丹や大手アパレルも出品

ネット・IT
サービス・食品
小売り・外食
2018/2/15 12:35
保存
共有
印刷
その他

通販モールにはイトキンや三陽商会などの衣料品が出品される

通販モールにはイトキンや三陽商会などの衣料品が出品される

 カジュアル衣料大手のストライプインターナショナル(岡山市)は15日、独自のインターネット通販モールを始めたと発表した。ソフトバンクとの共同出資会社を通じて運営し、大手アパレルなど約600ブランドが参加。初年度は年16億円の取扱高を目指す。地方を中心に百貨店やブランド数が減るなか、「ネット上の百貨店」を提案。最新のテクノロジーも活用し、大人の女性を掘り起こす。

 通販モールは共同出資会社「ストライプデパートメント」が担う。資本金は4億4千万円で、ストライプが78%、ソフトバンクが22%を出資。社長にはストライプの石川康晴社長が就任した。

 モールにはイトキンやレナウン三陽商会など大手アパレルが参加。大手百貨店の三越伊勢丹や、繊維商社の豊島も参画する。当初は約600ブランド、6万点以上の商品を用意し、年16億円の取扱高を目指す。石川社長は同日、都内で開いた記者会見で「3年後に2000ブランド、取扱高100億円に増やしたい」と語った。

記者会見するストライプの石川康晴社長(15日、都内)

記者会見するストライプの石川康晴社長(15日、都内)

 都市部には大手百貨店が店を構え多種多様なブランドが集まるが、地方では売り上げ不振を背景に百貨店の閉店が相次ぐ。大手アパレルの店舗も減少傾向にあり、新ブランドを打ち出せていない。大都市に頻繁に来られない女性らの不満がたまっているとされ、「一つの受け皿」(石川社長)として開設を決めた。

 新たな通販モールでは一度に3着まで試着の申し込みができる「試着サービス」を実施。チャットを通じ店舗経験豊富のスタイリストがコーディネートも提案する。ソフトバンクが提供する「AIチャットボット」を使うなど、最新のデジタルを取り入れたきめ細かなサービスを目指す。ソフトバンクが持つスマートフォンユーザーの利用にも期待する。

 アパレル市場では「ゾゾタウン」のほか、米アマゾン・ドット・コムが本格進出するなどネット通販サイトを巡る競争も激しくなっている。ストライプの石川社長は「今秋には高級ブランドやスポーツブランドも拡充する。ソフトバンクと他社にないサービスを提供し差別化していく」と話した。新たな購買体験を顧客に浸透させていけるかが成功のカギを握る。

(原欣宏)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報