今年3月をもって21年半の歴史に終止符を打つフジテレビ系バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』(毎週土曜 後7:57)。数々の人気企画を生み出し、日本のバラエティー史に名を刻んだ人気番組の最後の花道を盛り上げるべく、ORICON NEWSではメンバー全員にインタビューを行い、リレー形式で毎週掲載していく。3組目となる今回は、狂犬・加藤浩次と「山さん」の愛称で親しまれ人気キャラクターを次々と生み出してきた山本圭壱のコンビ・極楽とんぼ。『めちゃイケ』前半期にど真ん中で大暴れしてきたが、一人はあることをきっかけに10年間にわたって姿を消し、もう一人は相方を10年間ずっと待ち続けていた。そんな対照的な2人に、今の率直な胸の内などを聞いた。
■エピソードトークの先を行った『めちゃイケ』の革新性 総合監督・片岡飛鳥には「一生の恩義がある」
【山本】加藤は『とぶくすり』(※)の時から飛鳥さんに「お前はすべてをさらけ出さないとダメだろ」って言われてきて、仕事中からプライベートまでの全部をさらけ出してきた第一人者という印象はありますね。
※1993年4月から9月まで同局系で放送されていた『めちゃイケ』の原点となる深夜バラエティー。ナインティナイン、よゐこ、極楽とんぼ、本田みずほ、光浦靖子らが初期のメンバー。
【加藤】何かをさらけ出してやろうみたいなことは全然なくて、何気なく言ったことがそうなっていくんです。当時の彼女のことや母親が再婚した時のエピソードなんかも、番組として返ってくる。それまでのテレビだったら、単なるエピソードトークとして終わっていたのが、次に当事者が出てくるっていう(笑)。そのやり方は『めちゃイケ』が一番早かったんじゃないかな。僕が飛鳥さんに「子どもができて、結婚します」と伝えた時も、一瞬ビックリしていましたけど「(カメラを)回すから」と言われて、しばらくしたらいきなり北海道に現れた(笑)。本当にガチですからね。「適当に回すからよろしくね」と言われたと思ったら、そこから岡村(隆史)が僕の家に住んで、子どもが生まれて…という流れですからね。
家を買った時も飛鳥さんに報告したんですけど、「どうなの加藤?」って聞かれたので「ちょっと、家はテレビに出したくないんですよね」と返したら、初めて飛鳥さんから「お前、そんな芸人だっけ? お前はすべてをさらけ出す奴で、お金を稼いだら家を見せませんって言い出すような芸人じゃないと思っていたけど」と言われて。すぐさま自然に「どうぞ、いつでも新居を出してください」と口から出ていましたね(笑)。番組の企画なんですけど「これが笑いにつながるから」という打算は一切なくて、飛鳥さんに言われたから、しょうがないなということです(笑)。昔からのルールというか、本当に何の仕事もなかった時に、拾っていただいたっていうのがあるので。
会社から「お前らは素行が悪い」と言われていた若手の頃に、放送作家の伊藤(正宏)さんが僕らのケンカネタを見てくれて、それを飛鳥さんに言ってくれたことがきっかけで『新しい波』(※)に呼んでもらえた。ナインティナイン、よゐこが30分丸ごと番組で特集される中、僕らは名倉(潤)が当時組んでいたジュンカッツと15分ずつの出演でした。そこから『とぶくすり』へとつながっていくので、やっぱりそこの恩義は一生です。あの頃の僕はキャラがほしくて、色メガネにロングコートという姿でオーディションを受けていましたからね。キャラクターに迷走していた僕を一周回って面白がってくれて、テレビのことをイチから教えてくれた飛鳥さんには、本当に感謝しかありません。
※1992年10月から93年3月まで放送されていた深夜のバラエティー番組。毎回、1組から2組の若手芸人が登場し、それぞれネタを披露する。その後も8年周期でレギュラー放送が復活し、2000年に『新しい波8』、08年に『新しい波16』、16年に『新しい波24』が放送された。
【山本】「3分でネタをまとめてください」と言われたとしたら、「そんな時間でオレたちのネタが表現できるわけがないだろ」って言って、オーディションにすら行かなかったくらいでしたから。そんな僕たちに対して、飛鳥さんは番組の中で「極楽シアター」というコーナーを作ってくれて「時間を気にしないで、好きなだけネタをやってみろ。それを編集して、オレが面白くするから」と言って、自由にやらせてくれたんですよね。
■『めちゃイケ』不在の10年で山本が感じたこと テレビ復帰時は「なんとも言えない気持ちに」
――2006年に所属事務所を解雇されて以降、飲食店勤務、お寺での修行などを行ってきた山本。16年7月の『めちゃイケ』スペシャルで10年ぶりに地上波テレビ復帰を果たした際には、相方である加藤からをはじめ、メンバーたちから厳しい声が飛んだ。当時の思いを改めて2人が振り返る。
【加藤】うーん…いろんな方が動いてくれていたんです。飛鳥さんはじめ、よしもとの何名かもそう。いろんなことをクリーンにしなければいけなくて、僕も大人になっていますから、ある程度そこはわかっていました。飛鳥さんが「やるぞ!」と言っても簡単にできるものではないし、局としての考え方もあって、スポンサーさんもいる。そこをクリアすることは、やっぱりとんでもないことですよ。山本自身は、そこがわかってないんだろうなと感じました。時代も変わりましたし、そこの気持ちがわかってなくてニヤニヤして現れたから、それはみんな腹立ちますよ。山本の中では、何か滑稽なことをした方がいいのかなというのと照れ隠しとか、いろんな気持ちがあったと思う。でも、僕は「どれだけクリアしてここまで来たと思っているんだ」という気持ちをぶつけました。本当に素の部分で、テレビのオンエアどうのこうのとか、もう考えてなかったです。
【山本】抜けていた10年間も(収録がある)火曜と水曜になれば、誰かが『めちゃイケ』やっているんだろうなというハートはずっとありました。夜に仕事をやっていない時は、なるべく見られる時は番組を見ていたんですけど、そうは言っても、土曜日のあの時間ですから、サービス業とかをやり始めると、なかなか見られない時期もあって。「27時間テレビを『めちゃイケ』の皆さんがやるんですね」とか「石橋貴明さんがこんなこと言っていましたよ」とか、町の人が全部教えてくれていました。当時はSNSとかもやっていなくて、ネットにも疎かったので、自分で情報を仕入れることもできず、本当に陸の孤島に来たような感覚でした。人づてに番組の反響などを聞いて「そうだったんだ。ありがたいな」という感じでしたね。とにかく腐らずあきらめず、いつか必ずその日が来るまでは、今の状態と言ったらおかしいんですけど、ニュートラルの状態でいけるように…というのは忘れないようにしていましたね。
そんな中、あの復活の企画は全く知らないで行った営業先から始まる物語だったので、出てくるものがそのまま現れたっていう感じでした。お台場の公園に向かって『めちゃイケ』メンバーがいるのが見えた時に、和やかな雰囲気なのかなと思ったら、その逆だったんですよね。本当はそんな気持ちで行ってはいけなかったものの、何か許されているのかなという思いがあったのかもしれない。あれは申し訳ないという気持ちしかないところで行ったので、なんとも言えないですね。
それまでの期間もあったので、こみ上げてくるものもありましたし、周りのスタッフさんも見たことある方ばっかりが10年間も変わらずにいる…という状況も全部見えたので、なんと表現したら良いかわからない気持ちでした。新メンバーのオーディションもずっと見ていましたし、その間に岡村が休んで、また戻ってきたというのも自分の中にあったので、いろんなものが混ざっていました。
■『めちゃイケ』は極楽とんぼの原点 ファイナルまで「全力でやりきるだけ」
【山本】僕にとっての『めちゃイケ』は、ゼロから作り上げていただいたものですね。時間が空いている部分がありますけど、こうやって帰る場所というか、本当に飛鳥さんに御礼申し上げる以外、何もないです。もちろん、演者の皆さんも…
【加藤】(たまらず笑い出して)御礼申し上げる? それって、お店側がお客さんに言ったり、取引先へのメールとかで使う表現でしょ。感謝でいいんじゃない?
【山本】(姿勢を正して)感謝、感謝ですよ。僕はもう、とにかく現在地・現時点で与えられたものを精一杯やるしかない。『めちゃイケ』は、極楽とんぼの現在地として目いっぱいやらせていただくということですよね。2016年によしもとに戻らせていただいて、そこから2017年…という感じで時間が過ぎていくんですけど、その期間は火曜と水曜は『めちゃイケ』の収録が入るかもしれないということで、ずっとマネージャーが空けてくれていたんですよ。
【加藤】いやいや、そうじゃないだろ。単純に仕事がなくて、スケジュール的に空いていたってことでしょ?
【山本】そうですね、空いているだけでした(笑)。そこからしばらくして、レギュラー復帰と言ってもらえて「マジか!」と喜んでいたら、すぐ次の言葉で「2018年の3月で終わります」と告げられました。正直、複雑な気持ちになったんですけど、すぐに「これはもう、与えられた場所で精いっぱいやるしかない」と切り替えています。でも、1月に放送された中居(正広)くんとナイナイの日本一周旅ファイナルで、ワールドカップの時期に登場するキャラクターの“油谷さん”として出させてもらった時に「いよいよ、3月の終わりに向かっていくんだな」という思いは自分の中にありました。
【加藤】今も“シュウ活”に向けて、メンバーたちと収録をしていますけど、本当に全くもっていつも通り(笑)。しんみりとしたり、なつかしむこともないですよ。今はただ、やるべきことを一生懸命にやろうという思いしかないので、収録が全部終わって「来週から火曜と水曜は空きます」ってなった瞬間に、そういった気持ちになるのかもしれないな。僕らにとって『めちゃイケ』は芸人としての基礎を作ってくれた番組。ゼロから飛び込んで「ロケでカメラが1台しかない場合は、面白いことをやるならカメラが向いてからやらないとダメ」みたいなところから教わりましたので(笑)。だから「何がやりたいか?」という話ではなくて「どう締めくくるか?」ということですね。ここまでずっと飛鳥さんについてやってきましたから、飛鳥さんが「GO!」と言ったら、それを信じて、スタッフも何も変わらず最後までやりきるというだけです。ここで作ってもらった基礎をもとに、これからいろんな番組に出た時には自分で肉付けしながら頑張っていきます。
◆加藤浩次(かとう・こうじ)1969年4月26日生まれ、北海道出身。劇団生活を経て、山本圭壱とお笑いコンビ・極楽とんぼを結成。芸人としての活動と並行して、俳優としてテレビドラマなどにも出演する。2006年以降はニュース番組のキャスター、司会者などにも起用され、多才ぶりを発揮している。『めちゃイケ』では、爆烈お父さんやチョウチンアンコウといったキャラクターで人気を博したが、義父との対面、結婚といった私生活を惜しげもなくさらけ出してきた。
◆山本圭壱(やまもと・けいいち)1968年2月23日生まれ、広島県出身。加藤浩次とお笑いコンビ・極楽とんぼを結成。俳優としても、映画、ドラマにも多数出演。2006年7月に所属事務所を解雇されたことに伴い、コンビ活動を休止した。飲食店勤務、お寺での修行などを経て、16年7月の『めちゃイケ』出演で10年ぶりとなる地上波テレビ出演。今年1月放送の『めちゃ×2イケてるッ! 中居&ナイナイ日本一周FINAL』では、レギュラー復帰を果たした。
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