二月の某日、三年通った通信制高校を20歳で卒業。

中学不登校、全日制高校2校を中途退学という人から見ればクソすぎる人間だ。
尚、人から見ればと書いたが自分自身から見てもクソすぎる人間だと自覚しているので、この先に書いてあることに関しても、その指摘は受け付けない。




中学時代、廊下を歩けばどこからとも無く笑い声が立ち、高校へ行ってもそれは変わらず。
親友だと言っていた女の子は、中学時代ひそひそやられていた時に離れて行ったし、極度のチキンハート(+嫌われている、笑われているという思い込み)により高校でも友達ができない。そしてその間に、何故かまた笑われる対象に降格。中学時代なんてもっと色々あったが胸糞悪いこともあるので割愛。
まあそんなこんなで3校ともで不登校になるという意気地のなさを発揮した私はこの世で一番のしょうもない人間かもしれない。

まあ、道徳の授業で「いじめは良くないと思います!+。:.゚(*゚▽゚*)゚.:。+゚」なんてよく言う人がいるが結局はその場での正しい答えを出しているだけだと思っている。今も。とりあえず人間は簡単に信じていい生き物ではない。


そんな私が、ここがダメなら人間やめるべきと思って公立通信高校へと入学。18になる年の春。
友達はできなくてもいい。ひとりでいるのも月2回しか登校しないから耐えられる。そう思って入学した。
その年は、中学時代から僅かに残っていた友達は大学受験だ、専門へ進学だと慌ただしく、しかし楽しそうに動き回り始めた頃だった。


ちなみに、不登校になったくせに当時は『学歴はなにより大事』と思う人間だったので自称進学校の特進クラスからの通信制高校への入学はあまり歓迎できるものではなかった。
学歴が大事だと思うくせに、学校で一人ぼっちでいたくないなんていう理由で不登校…笑うしかない馬鹿である。




それはさておき、友達なんていらない。どうせここの人たちも、何も分からず人の気持ちを考えようともしない人ばかりだ。そう思って初めてのスクーリングへ行く。
今から思えばびっくりするほどの馬鹿である。

結論この日に私は二人の友達を手に入れた。


授業を受ける教室を訪ねてきた女の子と、体育で組んだ女の子と。『高校生』になって初めて誰かとお弁当を食べたなぁという思い出。

それから、友達がいるというだけで月数回のスクーリングが楽しみになった。学校へ行くのが嫌じゃなかったのは初めてだった。

1年、2年と経つうちに同じ年度に入学し、3年で卒業を目指す同級生とも話すようになる。
教室にいて、誰かが入ってきた時に「おはよー」と声をかける。私が入った時に「おはよー!」と言ってくれる。
体育で二人組になる時に嫌な顔をされない。
すべてが初めてのこと。

教室移動をする時、駅までの道を歩く時、ご飯を食べる時、否応なく一人でいることが無くなったことにずっと感動している。


卒業式の日、出席していた同級生の友達4人と先生で写真を撮った。
そんなシーンに普通に紛れ込んでいる自分に驚いた。

他の三人がどう思っているかは分からない。でも私はそんな風に写真を撮ってLINEで共有して…そんな『高校生』を体験させてくれた同級生が本当に大切だと思ってる。

世間からはあまり良い評価をされていない通信制高校。
私自身乗り気じゃなかった通信制高校。
でも私は今まで通った学校の中で一番楽しく学生を堪能できた三年だった。
卒業したくないと、式の時に強く思った。全日制の子達に比べて友達間の交流も薄かっただろう。多分みんな『一番の友達』は学校外にいただろう。けれど私は学校が好きだったし、みんなが好きだった。

通信制高校。賛否あるのも分かる。だけど、私はあの学校に通えてよかった、自分の選んだ道は間違ってはいなかったんだと思っている。

春からはみんな進学するらしい。みんな全日制の学校だ。「通信制だから…」なんて理由で撥ね付けられては勿体ない子達だ。
みんな夢を叶えて何処かで活躍できる日が来たらいいと思う。