Masterpiece製 西武20000系タイプを作る!



 マスターピースより発売されている「西武20000系タイプ」キットを’03年2月から作り始めました。
 なぜ「タイプ」かというと、実物とは形状の異なる部分が何箇所かあるためのようです。
 車体裾の緩やかな絞り、屋根上の歩み板、パンタ周りの配管やヒューズ箱などが省略されていたり、パンタ無し中間
車のベンチレーターの位置が一部異なっていたり、といった具合で、ディテールは全体的に簡略化されていますが、実
車の雰囲気はよくつかんでいます。

 このキットの最大の特徴は、素材のほとんどがステンレス製であること。

 元々はステンレス車を実車同様にステンレスで模型化して塗装をしなくてもよいように、と考えられたシリーズのようで
すが、なんとアルミ車までステンレスで製品化してしまいました!
 組み立ては瞬間接着剤とネジ止めを併用する、というもの。

 ステンレスという素材と瞬間接着剤とネジを併用する構造に興味が沸き、キットの出来は二の次で発売と同時に購入
しました。

 キットは車体のみで、別途足回りはGMキットの余剰品などから調達する必要があります。パンタはトミックス製C-
PS27が指定されています。

 今回はほぼ素組みに近い状態で組んでいますが、パンタ周りを中心に軽く手を入れてみました。

2003.3.2 ここまでの進捗状況


 車体は屋根一体折り曲げの外張りと、天井一体折り曲げの内張りを重ねて外張りの裾にあるツメを内側に折り込ん
で位置を決め、さらに内張りの穴から瞬間接着剤を流して固定する構造。
 妻板は真鍮製の金具とネジを用いて内張りを車体に固定し、その上に外張りを3枚貼り重ねて形作る。ただし、先頭
部は内張り1枚のみの固定となる。
 車体中央部に横梁をネジ止めするので、強度はかなりしっかりしたものになった。


 左から先頭車、パンタ付き中間車、パンタ無し中間車の車体の箱組み後の状態。
 貫通扉の上部にネジが見えてしまうことと、貫通扉窓の下部が内張りで埋まってしまう点が惜しい。パーツの「合い」
はなかなか良い。
 パンタ無し中間車のベンチレーター配列がパンタ付のものと同じになってしまっている点が残念(屋根にあるスリット
がベンチレーター取り付け穴なのだが、その位置を比べていただきたい。本来は先頭車のものと同じになっているのだ
が・・・)。
 車体は慣れれば1両あたり1時間ちょっともあれば組みあがる。

 せっかくのステンレス車体だが、実車のアルミの質感には程遠い感じなので、銀色に塗装するつもり(ちょっともった
いない気もするが・・・)。


 正面はエッチング板を曲げ癖をつけてから3枚重ね合わせて作る。一瞬、硬いステンレス素材を曲げるなんて・・・と躊
躇したが、単一カーブなのでやってみたら意外と簡単だった。
 ディテール表現は筋彫りのみで平面的だが、意外と気にならない。裾にはちゃんとステップが付くようになっている(ス
テップは未取付)。
 右は裏の様子を示したもので、正面妻板内張りに開けられたスリットに正面パーツ裏に立ててある板を通せばしっか
り位置が決まるようになっている。
 正面が別部品となっているので、塗装の際のマスキングも楽。
 ヘッドライトとテールライトの表現がないので、プラ板から自作する予定。

2003.3.9 手を動かすより考えている時間が長い・・・


 正面パーツと車体は、そのまま組むと屋根前端が前面パーツ裏側に当たり、側面に隙間があいてしまう。
 正面パーツのオデコをヤスリ、屋根に潜り込むようにしないといけないのだが、どのような形状に仕上げるのかが問
題。
 そこで、昨日(3/8)、実車の写真を撮影してきたのでご覧にいれましょう。


クハ20052前頭部を側面から撮影。
正面パーツと側面の接合部分の形状はやや複雑で、青い部分は大きく斜めに面取りしたような形状になっており、
グレーの部分でまた側板と平行に戻っている。
キットのパーツを実車通りの形状に整形するのは難しく、全体に面取りした形状
(正面に向かってすぼまる形状)に簡略化するしかないか・・・。


同じくクハ20052のオデコを上から見る。
キットは、屋根前端の水切りの形状を簡略化して表現しており、このような凹凸がいくつかある形状になっていないが、
実物はこの凹凸に絡んで塗り分けに2種類ある。
20052Fと20053Fはオデコの青色部分が広く、塗り分け線が車体中央に向かって円弧を描いているのが特徴。


クハ20155のオデコを上から見る。
こちらはオデコの塗り分け線がほぼ一直線になっており、上記2編成以外はこちらの塗り分けになっている。
20054Fからは、正面裾のステップ上面の滑り止め処理部がグレーに塗装されている。
いずれも模型でも目立つ部分なだけに、ここはこだわってみたい。
模型化する編成は、今のところ私にとって遭遇率が最も高い20055Fになる予定。


裾の側面から正面に至る部分の形状も微妙である。
収納式の連結器(写真の形状は20052Fと20053Fが該当)やライト類の位置、
スカートの曲げ形状を見るために必要な写真。
意外に目立つヘッドライトや、連結器胴受のバー状の部品など、
どうやって作ろうかと考えをめぐらせているところである。


ついでながら20054F~20056Fでは連結器の形状が変更されている。


ついでなので、真正面の写真も載せておく。ライトの色表現、どうしよう・・・。
プラ板のベースに穴を開けてレンズを差し込んだだけでは、こんなにライトレンズがはっきりと見えないし・・・。

  結局、今日は朝2度寝してしまったのが響き、思考回路停止状態で模型のほうはちっとも進まなかった・・・(-_-;)

2003.3.16 とりあえず正面を削ってみる

 考えてばかりいてもしょうがないので、とりあえず1両分の正面パーツを削ってみた。
 まず、車体と正面パーツのはめ合わせを再確認したところ、若干正面パーツの位置を下げたほうが良さそうである。
 そこで、正面裏の取り付けガイド板を若干上向きに曲げた(下写真)。
 こうすることで、正面パーツの取り付け位置を若干下げることができた。



 続いて、正面パーツ周囲に瞬間接着剤を盛り付け、乾燥後に平ヤスリで前すぼまりの形になるように削り込む。断面
を軽く斜めにする感じである。
 特にオデコ部分を多めに削り、屋根先端の下にうまく潜り込むようにしてやる必要がある。
 実物の写真とにらめっこしながら、削り過ぎないように慎重に作業を進めた。
 ほぼ形ができた時点で、400番のペーパーで周囲が滑らかになるように磨く。ついでに正面縁取り部分の面取りをし
てやると感じが良くなる。
 最終的には1000番のペーパーで仕上げるが、400番ペーパーをかけ終わった状態が下写真の左側。未加工の右側
に比べ、一回り小さく見えると思う。



 正面裏の屋根肩にあたる部分も面取りする必要がある。
 車体と仮組みをしては削る、の繰り返しで、とにかく削り過ぎないように作業を進めた。
 下写真左側が加工後。ちょっとなで肩になっているのがお分かりかと思う。



 ちょっと面倒な加工だが、これらの加工で車体と正面がぴったりはまるようになってくれた。もう1両も早いところやらな
いと・・・。

 車体と正面を仮組みしてみたのが下の写真で、隙間をなくすことができた(先週の写真と比べてみてください)。
 また、正面パーツに屋根が覆いかぶさっている点にも注意していただきたい。



 今日は午前中仕事だったため、工作の時間があまり取れずここまでで終わりにした。

トップへ
トップへ
戻る
戻る